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賢者の石と錬金術について

2014年3月28日


 

バラ十字会日本本部代表、本庄のポートレイトこんにちは、バラ十字会日本本部の本庄です。

昨日、東京板橋でもソメイヨシノが開花しました。ようやく本格的な春が訪れたようです。いかがお過ごしでしょうか。この時期は、朝起きるのがやや辛いですね。

 

ちょっと前にニュースで話題になっていたのですが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、「ハリーポッター」のテーマパークを今年(2014年)の夏にオープンするそうです。

この話を聞いて、ポッターシリーズの映画のことを懐かしく思い出しました。何年にもわたり、新作が公開されるたびに渋谷や池袋の映画館に出かけていき、美しい幻想的な風景とストーリーを楽しみました。ほんとうに優れたファンタジーだったと思います。

ご存知かとは思いますが、原作はJ・K・ローリングの小説で、第一巻は「ハリーポッターと賢者の石」です。

 

賢者の石」という言葉は、それまでは、精神世界の中でも特殊な分野に興味をお持ちの方以外には、あまりなじみのない言葉だったようですが、この映画の流行がきっかけで少し状況が変わりました。

今日は、この「賢者の石」について話をしようと思います。

 

錬金術の寓意

小説には、主人公のポッターの通う魔法魔術学校の校長ダンブルドアの友人として、錬金術師のニコラス・フラメルが登場します。

ニコラス・フラメルの持ち物である賢者の石は、卑金属を純金に変えることができ、飲めば永遠の命が得られるとされる不思議な物質で、学校に隠されたこの秘宝をめぐって、物語が進んでいきます。

 

フラメルは、14世紀の実在した人物だとのことです。彼はある謎の書物のことを夢で見て、それを手に入れ、ユダヤ教の神秘学であるカバラの専門家の手引きで、その書の解読に成功し、卑金属から黄金に変えるという〈偉大な作業〉に成功したと自分で語っていたそうです。

錬金術の最終段階では、溶かされた金属に粉末にした賢者の石が加えられ、純金が合成されたとされます。

中世の錬金術師たちが、秘密の実験室で、るつぼや炉や蒸留器や、他のさまざまな器具を使って作業に取り組んでいる光景を思い浮かべると、実に怪しい、不思議な感じがします。

 

錬金術のイラスト

一方、卑金属から貴金属を作るというのは、実は単なる比喩であり、錬金術師たちの大部分が取り組んでいたのは、特にルネサンス期以降は、別の作業だったという説があります。

その作業とは、心にある卑しい性質を高貴な性質に変えることにあたります。たとえば、高慢さを謙虚さに変えたり、臆病を勇気に、利己心を親切な心に変えたりすることです。

 

ちなみに、この意味の錬金術はバラ十字会に受け継がれていて、当会の通信講座で学習するテーマのひとつになっています。

折々に私も痛感していますし、あなたもきっとそうお考えになられることと思いますが、心にこのような変化をもたらすことは決して容易なことではありません。そして何と、賢者の石がこの作業のために必要であるとされているのです。

もちろんこの場合、「石」というのは比喩であり、物質のことではなく、すべての人の心の奥に潜んでいる高貴な性質の自己のことを意味しています。

 

この自己は、貴重な宝石にたとえられることがあります。そしてこの自己には、真理、善、美を愛する傾向があると考えられています。

表面的なエゴとは異なる高貴な性質の自己が心の奥深くに存在するという考え方は、バラ十字会だけのものではなく、多くの思想、哲学、宗教にも共通していますので、あなたも、耳にされたことがあるのではないでしょうか。

ひとつだけ例を挙げましょう。チベット仏教で極めて重要だとされている真言(呪文)に「オン・マニ・パドメ・フン」(Om Mani Padme Hum)があります。

蓮の花この真言を唱えれば、さまざまな災害や病気、盗賊などから護られるという言い伝えがありますが、この語句は、「蓮の花の中にある宝珠」を意味しています。この美しい比喩が、内的な自己の高貴な性質を表わしていることはほぼ確実です。

 

瞑想や他のテクニックを使って、この真の自己からの影響を積極的に外面的な自己に及ぼすことによって、心の変容を進めていくことができ、それが心の錬金術の実際の作業にあたります。

バラ十字会では、心のこのような変容をとても重要であると考えています。自身の幸せや進歩のためだけでなく、黄金にたとえられる豊かさを実現する基礎であるばかりか、周囲の人や社会のために、自身をより良く役立てるための鍵だとされます。

さらに、現在の世界に起きているさまざまな問題の原因は道徳意識の衰えにあり、多くの人が自身の心を変容させる作業に取り組むことが、人類の明るい未来を実現するための重要な手段だと考えています。

 

マハトマ・ガンディーの次の言葉も、同じことを言っているように私には感じられます。

世界に変化を望むのであれば、自身がその変化になりなさい。

 

自身の心を変容させることの大切さについて、あなたはどのようなご意見をお持ちでしょうか。

今日の話題は、後半、多少固くなりましたが、あなたに興味深く感じていただける点がありましたら、心から嬉しく思います。

 

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