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マララ・ユスフザイさんとコメニウス

2014年12月12日


 

こんにちは。バラ十字会日本本部の本庄です。

バラ十字会日本本部代表、本庄のポートレイト

寒い日が続きますね。東京板橋では、様々な場所にクリスマスのイルミネーションが飾られていて、町の夜が華やいだ雰囲気になっています。

そちらはいかがでしょうか。

 

昨日のテレビニュースで、17歳のパキスタンの少女マララ・ユスフザイさんが、ノーベル平和賞を受賞したことが報じられていました。

インターネットで調べると、2009年に彼女は、イスラム過激派に支配された自分の町で女子校が破壊されたり、女性教育への様々な妨害が行われたりしていることを、ブログを用いて多くの人に訴えたのだそうです。彼女が11歳の時のことです。

その後も彼女は、女性差別の解消を訴え続け、15歳の時に中学校から帰宅する途中に、イスラム過激派から銃撃されます。首と頭部に銃弾を受けたのですが、パキスタンとイギリスの医師たちの努力で奇跡的に快復します。

 

マララさんは、パキスタンのブットー元首相に大きな影響を受けたと語っています。彼女はイスラム諸国における最初の女性首相でしたが、2007年に銃撃と自爆テロで暗殺されています。その時には、彼女の支持者と警官も20人ほどが犠牲になっているそうです。

 

まったく何ということでしょうか。このように非道で愚かな行いが、一日も早く地球からなくなることを願って止みません。

 

ジャーナリストの池上彰さんは、イスラム過激派の増加の根本にある原因は、教育システムの不備と貧困だと語られています。そしてまた、過激派はイスラム教徒の中のほんの一部の人たちであるということも、機会があるごとに強調されています。

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教育の権利を訴えた人として私が思い出すのは、ユネスコ精神の生みの親と言われている、17世紀のボヘミアの思想家コメニウスです。

コメニウスが26歳の時に、ヨーロッパでは「30年戦争」が始まりました。国の人口が300万人から80万人にまで減ってしまうほど凄惨な戦乱でした。コメニウス自身も妻と2人の子供を失っています。

そして彼は、長い苦悩と思索の末に、人間が戦争という愚行を避け幸せに至るために、何よりもまず必要なのは、多くの人に教育の機会が与えられることだと考えるようになります。

 

彼は次のような言葉を残しています。

「我々の望みは、すべての人が、老いも若きも、金持ちも貧乏人も、身分にも関係なく、集団もしくは個人として、申し分のない教育を受け、教養ある人間になる機会を得ることである。教育の目的は、あれこれの知識や技能を身につけることだけではない。自分の本質を十分に知り、真実を知る方法を学ぶためでもある。また、見せかけにだまされることなく、善を愛し、悪に誘惑されず、為すべきことを為すと同時に避けるべきことを避け、何ごとについても、すべての人に分別を持って語るためである。そして、あらゆる物事や人間、神を軽んずることなく常に注意深く接し、迷うことなく目的地に至るためである。幸せという目的地に」。

 

コメニウス

コメニウス

コメニウスにはバラ十字思想が影響を与えています。チェコ文学の最高傑作のひとつと言われる彼の神秘学的な寓話『地上の迷宮と心の楽園』には、主人公のピルグリムがバラ十字会員たちを探し求める場面が出てきます( http://www.amorc.or.jp/misc/Comenius.html 参照)。

 

バラ十字会AMORCは1920年代の後半から、通信教材を郵送で提供して、多くの国々に教育面で貢献してきました。

この貢献は、アフリカ諸国で特に高く評価されています。この地域には経済的に余裕がない方々も少なくないのですが、家族会員制度を利用されて、親類で教材を回し読みされて、会費を節約して学ばれています。

私たちは、多くの方々に学んでいただくためのこのような工夫を進めると同時に、一方では、国際研究機関を整え、教材の内容を改良し続けてきました。

 

しかし、先ほどご紹介した教育についてのコメニウスの偉大な理想に、どれほど近づくことができたでしょうか。不安の多いこの時代に生きる私たちが「人生を支配する」ために、つまり、自分の本質を十分に知り、真実を知る方法を学び、善を愛し悪に誘惑されないために役立っているでしょうか。

 

こう考えると、教育に携わる者のひとりとして、身が引き締まる思いがします。まだまだ至らないところもありますが、あなたのご支援、ご賛同をいただければ心から嬉しく思います。

 

それでは、また。

 

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