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宇宙の魂について(その2)

2015年6月5日


 

こんにちは。バラ十字会日本本部の本庄です。もう6月ですね。東京板橋では、道ばたで見かける木々の葉が、深い緑色に変わってきました。

そちらは、いかがでしょうか。

バラ十字会日本本部代表、本庄のポートレイト

 

宇宙の魂については、今年の初めに一度記事を書き、多くの皆さんに喜んでいただくことができました(下記のURLで読むことができます)。そのときは、クリスマスツリーに飾る豆電球を輝かせているエネルギーをたとえにして、「宇宙の魂」という考え方についてご紹介させていただいたのですが、今回は、別の視点からご説明をさせていただきたく思います。

参考記事:『宇宙の魂について(その1)』

http://www.amorc.jp/blog/?p=575

 

胸に手を当てて静かに考えてみると誰にも思い当たることでしょうが、私たち人間には、相手を思いやり、他の人の役に立ちたいと願う素晴らしい面と、自己中心的で、すぐに争いを始めてしまう、粗雑な、あるいは邪悪とさえ言うことのできるような面が共存しているのではないでしょうか。

このことを説明するために、私たちには2つの種類の自己があるとする考え方があります。利己的で視野の狭い外的な自己と、完璧な性質の内的な自己です。良くない面が表われているときには、外的な自己の働きによって、内的な自己が覆われて隠されていると考えます。

 

この説には長い歴史があります。そしてこの内的な自己は、内部自我、小我、アートマン、グノーシス、内なる声など、さまざまな呼ばれ方をしますが、私たちにもっとも身近なのは、「魂」という言葉ではないでしょうか。

そして、個々の人のそれぞれの魂は、「宇宙の魂」の一部分であるという説も古くから伝えられています。この宇宙の魂の方は、普遍的ソウル、大我、ブラフマンなどとも呼ばれます。歴史上、宇宙の魂について最初に語ったのは、古代ギリシャの哲学者のプラトンだとされています。

プラトンは『ティマイオス』という本の中に、「宇宙は、ある魂によって秩序正しい全体(cosmos:コスモス)に作られた」と書いています。そしてこの魂によって、星々の回転や四季の移り変わりなど、万物のあらゆる変化が規則正しく起こるようにコントロールされていると語っています。

 

さらに、プラトンと彼の師のソクラテスは、先ほどご説明したように、あらゆる人の魂は宇宙の魂の一部であり、そこから完全に分離してしまうことはないと考えていました。また、宇宙の魂は、人間だけでなく他の動物や植物など、すべての命の源でもあると述べています。そして、個々の魂のすべてには、宇宙の魂と同じ美徳が備わっているという考えを弟子たちに伝えていました。

アテナイの学堂(ラファエロ作)

アテナイの学堂(ラファエロ作):中央の2人のうちオレンジ色のローブを着ているのがプラトン。左手には自著『ティマイオス』を抱えている。(絵をクリックすると拡大できます)

 

これらの考え方は、現代に至るまで、長い歳月にわたって多くの哲学や思想に影響を与えてきました。

 

バラ十字会の哲学もその例外ではありません。星々の回転や四季の移り変わりについては、現代の天文学の説明の方が優れていることは明らかですが、魂の性質については、この古代ギリシャの考え方の多くが、バラ十字思想に受け継がれています。そして、宇宙の魂の持つ最も重要な性質が「宇宙意識」だとされています。

宇宙意識という言葉からは、修行や瞑想を究めた人にしか現れない、何か特別なレベルの意識をイメージしがちですが、このように考えると、宇宙意識とは、誰にも備わっている人の本来の性質にあたります。

それどころか、宇宙意識は、人間だけのものではなく、あらゆる生き物が共通して持っている意識です。そして、生き物が進化すればするほど、その生き物に、はっきりと表われるようになります。つまり、単細胞生物よりは多細胞生物、植物よりは動物に、そして特に人間に、宇宙意識という性質が明らかな形で表われています。

 

このように考えると、あらゆる生き物は本来、完璧な存在であることになります。動物好きの方は心からうなずかれることでしょう。

一方人間はといえば、世界中で起こっているニュースを見ると、完璧な存在からは遠いように思われますが、しかしそれでも、本来の性質を表わしているときには、忍耐強く、暴力を避け、謙虚で、寛容心にあふれ、親切で、愛情に満ちていると考えたいですし、実際にそうなのではないでしょうか。

 

バラ十字会に昔から伝えられている言葉をそのままご紹介すると、人が愚かである理由は、「自己に秘められている完璧さに気づいていないから」であるとされています。そして、この世界で私たちが生きている理由は、自身の本来の完璧さに気づき、それを自分の思考と発言と行動に反映する訓練をするためであると考えられています。

 

最初に述べたように、魂は、「内なる声」と呼ばれることがあります。この名前から、役に立つアドバイスを得ることができます。

何か発言をしたり、行動を起こそうと思ったときには、ひと呼吸をおいて、自身の魂が発している小さな声を聴き取ろうとしましょう。そうすれば私たちは、魂の完璧な性質を少しだけより良く表わすことができ、「ああ、しまった」と、後から後悔することが少なくなるのではないでしょうか。

 

以上、あなたのご参考になった点があれば、心から嬉しく思います。

それでは、また。

 

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