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楽観的な人と悲観的な人

2015年9月4日


 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

バラ十字会日本本部代表、本庄のポートレイト

 

東京板橋では、ときどき残暑がぶりかえします。秋の不安定な天気が続いています。

いかがお過ごしでしょうか。

 

未開の地に、靴のセールスマンが2人派遣されました。調査の後に、ひとりはこう言います。「先行きはとても暗い。この地の人には靴を履く習慣がない」。しかし、もうひとりは言います。「先行きはとても明るい。この地の人は、まだ誰も靴を履いていない」。

楽観主義と悲観主義は、さまざまなジョークのネタになっています。

悲観主義者:「このウォッカは、南京虫の匂いがする」。楽観論者:「この南京虫は、ウォッカの匂いがする」。

「悲観主義者は笑うことを忘れ、楽観主義者は笑って忘れる」。「楽観主義者は飛行機を発明した。悲観主義者はシートベルトを発明した」。

 

悲観主義は、どうも人気がありません。一方、楽観主義は、健康面にも人生全般にも良い影響を及ぼすことが知られています。しかしそれでも、どちらが良い悪いと言えるような単純な問題ではないようです。危険と隣り合わせの状況にいる人や、警備や安全審査に携わっている人が、極端な楽観論者である場合の危うさを考えれば、このことはすぐに納得できることと思います。

 

私たちは誰もが状況によって楽観と悲観の間を揺れ動いていますし、楽観と悲観の程度もさまざまです。どちらとも言えない中間もあります。

ですから、楽観と悲観は、完全に別々の2つの特徴ではなく、紫から赤へと徐々に変わっていく虹のスペクトルのようなものだと考えることができます。

 

楽観と悲観は、脳科学と心理学で深く研究されています。そして、ある人が性格的に楽観的になるか悲観的になるかということは、遺伝と環境の両方に左右されることが知られています。

きわめて悲観的になってしまう症状を持つ病気として、うつ病が知られています。この病気には、いわゆるリスク遺伝子というものがあります。しかし、NHKのあるテレビ番組で紹介されていたのですが、この遺伝子が単独でうつ病を引き起こすわけではありません。

イギリスで行なわれた長期的な調査によると、この遺伝子を持っている人が、若い時期に、両親の死、あるいは不幸なことに性的な虐待など、3つ以上のひどい苦痛を体験すると、うつ病を発症する率が高まるということです。一方、そのような遺伝子を持っていない子供が大きな苦痛を受けても、うつ病になる率は変わらないのだそうです。

 

さらに、このリスク遺伝子には、ネガティブな影響だけがあるのではないことが分かりつつあります。心理学者の調査によれば、このリスク遺伝子を持つ子供が好ましい環境で育つと、幸福度が、そのような遺伝子を持たない子供より高くなり、さらには、とても非凡な才能を開花させる例があるということです。

リスク遺伝子を持つ子供のことを、生育環境に敏感に反応するラン(蘭)の苗にたとえて、このことは、タンポポとランの仮説と呼ばれています。

タンポポとラン

 

さて、楽観主義の人と悲観主義の人は、実際にはどのように異なるのでしょう。

楽観主義の人には、周囲のポジティブな面、楽しい体験に自分の注意を集中する傾向があります。一方、悲観主義の人には、周囲のネガティブな面、危険な面、困難な面に、自分の注意を集中する傾向があります。

半分飲み干したビールのジョッキを片手に持っている人を思い浮かべてください。半分残っていることに注目するのが楽観主義者で、半分なくなってしまったことに注目するのが悲観主義者です。このような傾向は、心理学では認知バイアスと呼ばれています。

 

ですから、楽観と悲観という傾向は、心理学的には、この認知バイアスのことを指していることになります。

「三つ子の魂、百まで」ということわざがあるように、人の性格は、なかなか変わらないとされています。生理学的にも、人間の脳は7歳を過ぎると、それ以降は成長できないと昔は言われていました。しかし、現在では、このことは誤りだということが分かっています。

たとえば、タクシーの運転手試験のために道を覚える学習をしている大人、あるいはギターの高度な技術を練習している大人の脳を画像診断すると、その訓練期間が長期にわたる場合、脳の構造が大きく変わることが観察されるとのことです。

 

このことには重要な意味があります。私たちが、遺伝や、子供のときに育った環境が原因で、悲観的な傾向や楽観的すぎる傾向を持っていたとしても、自分の脳の回路、つまり、自分の認知バイアスを変えることができることを意味するからです。つまり、自分の努力で、悲観主義を楽観主義に変えたり、その逆に変えたりすることができるのです。

 

現代社会は、社会の状況が常に緊張をはらんでいます。国際経済は不安定ですし、政治や官僚システムの劣化を指摘される国々も多くあります。また、マスコミには、ネガティブなニュースを特に選んで報道する傾向がどうしてもあります。

また、私たちは忙しさにかまけて、人生を十分に楽しむことを怠りがちです。

そこで、どうしても現代人は、悲観主義に傾きがちです。

 

あなたは、楽観主義者と悲観主義者のどちらに近いでしょうか。そして、自分のその傾向に満足されているでしょうか。

自分が、楽観主義と悲観主義という観点から見て、現在どのような偏りを持っているかを把握して、それを自分が望ましいと考えるポジションに変えること、さらには、状況に合わせて楽観と悲観の度合いを自在に変えること、それは、簡単ではありませんが、練習によって実現することができます。

「中庸」と「自在闊達」という言葉が当てはまると思いますが、まさにそれは、精神的に成熟した人格の特徴にあたります。

 

先ほど話題にしましたが、子供は、自分の生まれ育つ環境を選ぶことができません。そして、両親の死や、病気や、場合によっては性的虐待などの、大きな苦痛を体験することがあります。

ところがこのような場合に、家族でも、知り合いでも、近所のタバコ屋のおばさんでも、たったひとりでも成熟した気高い精神の人がいて、その子供に触れあうと、その子供が精神的に健全であること、楽観主義であること、そして時には、人類全体に貴重な影響を及ぼすような才能の開花の助けになることが知られています。

 

性格のバランスが取れていて精神的に成熟した気高い人格を持つ人は、自分自身だけではなく周囲の人たちや社会に、このようなポジティブな影響を及ぼすことがあります。

きっとあなたも、そのような例をご存じのことでしょう。

 

さて、実習をひとつご紹介したいと思います。

まず、誰にもじゃまされない時間を20分ほど確保してください。そして、ひとりきりになれる静かな部屋で、椅子に心地よく座ってください。

背筋を伸ばして、軽くあごを引いてください。両手は太腿の上に置きます。深呼吸しながら、リラックスしていきます。目は閉じていても開いていても、半眼でも構いません。

リラックスできたら、呼吸を元に戻して、あなたが今までに経験した最も楽しい旅の、最も楽しい場面を思い浮かべてください。そして、その中に自分がいるところを想像してください。リラックスしたまま、その光景に集中して、その場の雰囲気と一体になってください。

もう十分だと感じたら、手を握ったり開いたりして、実習を行なう前の現実感覚を取り戻してください。

 

この実習にはいくつかの効果があります。まず、ストレスが緩和され、ストレスが原因の心身の不調が緩和されます。

この実習に取り組むと、この効果はすぐに実感することができます。一方、今までご紹介してきた通り、認知バイアスを変えるには、つまり楽観と悲観の度合いを、楽観の側にずらすには、ある程度の期間がどうしても必要です。

今ご紹介した実習を一日に一回行なうことを習慣にされれば、人によって異なりますが、数ヵ月後には、はっきりと変化が感じられるようになります。そして、怒りを抑えることのできる能力が徐々に向上していき、人生をコントロールできているという実感が育まれていきます。

 

しかし、正直に申し上げれば、このひとつの練習を数ヵ月間も続けるのは、やや退屈なことであり、忍耐力が必要とされます。

もしあなたが、この実習のような、心に望ましい刺激を与えてくれる定期的なきっかけをお望みならば、バラ十字会の通信講座の教材をお勧めします。

この教材は、週一冊ずつ自宅で学習します。さまざまなタイプの実習と理論が紹介されますので、飽きることなく取り組むことができます。

ある誓約をしていただければ、この講座を一ヵ月無料で体験することができます。詳しくは、こちら(下記URL)をご覧ください。

http://www.amorc.jp/request/trial.html

 

あなたが、自身の望む自己実現を果たし、周囲の人たちや社会へ、より大きな貢献をするために、私たちをガイド役として活用してくださることを心から願っています。

それでは、また。

 


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