投稿日: 2017/02/10
最終更新日: 2022/11/24

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

昨日の東京板橋は、雪まじりの冷たい雨が降っていましたが、今日は晴天が戻ってきました。

まだまだ寒いですね。いかがお過ごしでしょうか。

さて、多くの社会学者が共通して唱えているのですが、私たち現代人は、スマートフォーンのゲームアプリや他のゲーム機で遊んでいないとしても、仮想現実の中を生活しているという、かなり過激な説があります。

2年以上前のことになりますが、この説をご紹介させていただいたことがあります。

参考記事:『作られた現実という罠

最近、ユヴァル・ノア・ハラリというイスラエルの歴史学者が書いた『サピエンス全史』という本が出版され世界中で売れています。

NHKの「クローズアップ現代+」でも取り上げられていました。

この本で著者は、人類の社会を進歩させてきたのは「共通幻想」を信じる力だと、社会学者たちの先ほどの説と似た意見を述べています。

このような共通幻想のひとつに、ファッションなどの流行があります。

バラ十字会AMORCのフランス代表が、このことをテーマに文章を書いていますので、その翻訳を以下にご紹介させていただきます。

▽ ▽ ▽

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサンのブログ

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン
Serge Toussaint

記事「流行について」

流行を追うということが始まったのは、誰にも分からないほど昔のことだと思われます。

あらゆる時代の、あらゆる国と社会で、人は流行遅れにならないように、つまり、その当時のはやりに自分を合わせようと努めてきました。

それはファッションだけでなく、インテリアや、音楽や絵画、言葉などにも見られます。流行に取り憑かれているとまでは言わないとしても、流行を追うことが主な関心事になっている人たちがいます。

時代が進むにつれてこの傾向は強まり、現在では、流行に影響されないことがかなり難しいほど、社会全般の現象になっています。

明らかに、流行を作り出している人と、流行に従う人の両方がいます。

そして、流行を作り出している人は必ずしも、洗練されているわけでも趣味が良いわけでもありません。

そのため、音楽のスタイルやファッションデザインの一部は、芸術的センスや美や調和とは無関係のものになっています。

流行が発信される理由は、利益が目的だったり、発信者のエゴを満足させるためだったり、その両方だったりします。

残念なことに、多くの人が流行に影響され、支配されていることもあります。

そのような人は、直接あるいは間接的に、自分では気づかないうちに流行を広める役割を果たしています。

先ほど述べたように、流行の多くは、芸術的センスや美や調和とは無関係であるのに、なぜそのような流行に、これほど多くの人が影響されるのでしょうか。

その理由は、現代社会では見かけによって人を判断する傾向が、ますます強くなっているので、「遅れている」とか、「ダサい」とか、「場違い」などと見なされることを恐れて、流行を追わざるを得なくなっているのでしょう。

一方で今日では、「奇抜であること」が人気の流行の指標になっているという面もあります。

このことに関連していますが、ファッションデザイナーや巨匠と呼ばれる人たちの多くが、自分の発信している流儀に多くの人が従うことを望んでいるにもかかわらず、自分自身としては、大勢(たいせい)に従わないことを主義にしていると述べているのは、驚くほど奇妙なことです。

ファッショナブルな服を着た3匹の犬

私の考えでは、分野にかかわらず流行は一般に心理操作のようなものであり、何よりもまず、それを発信した人に利益をもたらすことが意図されています。

ですから、流行を追い求めている人は、自分が雰囲気に流されやすいことや、自分自身の意見を持っていないことを暴露していると言うこともできます。

もちろん、流行の大部分は、それほど害もなければ、大きな問題を引き起こすこともありません。

しかしそうでないこともあり、たとえばある種の服のデザインは、不健康なまでに痩せることを促す傾向があります。

また、社会道徳に対して無感覚になるほど酒を飲むスタイルの流行については、どうでしょうか。

現代社会に蔓延している流行によって、それに従う人と従わない人の間の結びつきが弱くなってしまっています。

残念なことに、マスメディアや広告を手段にして、流行を広める対象として子供がターゲットにされることが、ますます多くなってきました。

ブランド品のおもちゃや文房具や子供服を、子供たち自身が欲しがるということを耳にすることが何度もあります。

そのたびに私は悲しい気持ちに襲われます。

健全な美的感覚を養い、それを表現していくという子供の発達過程に、流行の否定的な面が有害な影響を与えている一例が見られるからです。

一方で、このような影響から子供を守るように努力し、本物の独創性は、流行を追うことではなく、流行に左右されないことから始まると説明する親がいるのも見ることができます。

バラ十字会AMORCフランス本部代表
セルジュ・ツーサン

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。本稿はそのブログからの一記事。

△ △ △

あなたはどのようにお感じになったでしょうか。ずいぶんと辛口の意見だとお感じになったかもしれません。

私は、消費することが人の幸せに繋がらなくなっている一例が見えているのではと感じました。もしかしたら、現代の経済は大きな転換期にあるのかもしれません。

最後までお読みくださりありがとうございました。

また、お付き合いください。

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