投稿日: 2017/04/14
最終更新日: 2022/11/24

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

バラ十字会日本本部代表、本庄のポートレイト

東京板橋は、朝から良い天気です。そよ風が吹き、まるで芝居の舞台のように、桜の花びらが、少しずつ舞っています。

そちらはいかがでしょうか。

昨日の朝のテレビ番組で、人気のネット動画が紹介されていました。ちょっと太った可愛い黒いネコが、飼い主に意地悪をしているのです。ティッシュペーパーの箱を前足で押さえるようにして、飼い主がペーパーを取ろうとすると手を引っ掻きます。ラップトップパソコンの上に乗って、決して使わせません。

このネコは、構ってほしいときにこのような意地悪をするのだそうです。

まるで人間のような様子に、笑ってしまいました。

ネコにも、人と同じように、いろいろな性格があるのでしょう。

以前に話題にしたことがありますが、20世紀の初めごろの古い心理学では、心の病を抱えている人を研究することに重点が置かれていました。一方で、その後の心理学では、心の健康な人たちや、子供から大人になるときの心の発達、人類の心の発達の歴史が積極的に研究されるようになりました。

参考記事:『人生の学習 - マズローの心理学

人の性格も、以前は心の病との関係で研究されることが多かったようです。ところが最近では、ある性格の長所と短所の両方が考察されるようになりましたし、性格と心の発達の関係が深く理解されるようになりました。

カナダのエリック・バーンという人は、20世紀の中ごろに「交流分析」という心理学の分野を作りました。人の心の状態には、親の行動パターンを無意識に模倣している状態(Parent)、成人としての経験と知識を生かしている状態(Adult)、子供のころの振る舞いを再現している状態(Child)があるということを基礎にして、人の性格の特徴を説明したり、コミュニケーションの性質を解明したりする理論(PACモデル)です。

この研究がさらに発展し、人には6つの「人格適応型」があるという説が出されています。

「人格適応型」というと難しく感じられますが、要するに、人の性格を6つに分類する、とても優れた方法が見つかったということです。

もちろん、たった6種類の性格に、すべての人が単純に分類できるわけではありません。しかし、この6種類のうちの、ひとつか、多くても2つの特徴の組み合わせによって、大部分の人の性格を、よく理解できることが知られています。

この6つの性格は、子供時代に行った適応によって作られたものです。

子供は、両親など周囲の人の助けがなければ生き続けられないという意味で、とても無力な存在ですし、自分でそのことを強く実感しています。そして、生き延びるために、周囲の大人との良い関係を保とうとして、自分の行動を、両親の特徴や周囲の状況に合わせる決断をします。

この決断はしばしば、大人になった後の行動にも影響を与え、その人の性格の特徴を決める要因になるとされています。

この6つの分類は、慣れないうちは多少戸惑うかも知れませんが、理解が進むにつれて、自分と他の人たちを深く理解するために、とても役に立つことが分かってきます。

これらの特徴は、社会生活では隠されていることも多いのですが、その人が大きなストレスに出会ったときなどに、特にはっきりと表れるようになります。

自分を理解するという点でいえば、特に、自分が子供の頃に作り上げてしまった、望ましくない行動上の癖に、どのように気づき、それを(必要であれば)どのようにして変えたら良いかが理解できます。(しかし、自分の手に負えない場合は、臨床心理士などの資格を持つ専門家の手を借りるべきです。)

そこで今回は、人の性格のこの6つの分類についてご紹介したいと思います。

ちなみに、以下でご紹介する性格の特徴のうち、最初の3つは3歳ごろまで、後の3つは6歳ごろまでに作られるとされています。

そして多くの場合、大人になってもあまり変わることがありません。

特徴が分かりやすくなるように、表現はストレートにされていますし、歯に衣を着せずあからさまに書いています。お読みになって、気を悪くされないようお願いします。

1.創造的夢想家

ある子供を育てていた親が、その子が何かを求めたときに、たびたび自信を失い、うろたえていたとします。そのような体験をした子供の多くは、それを敏感に感じ取って、生き延びるために、いわば、“親には何も求めないという決断”をします。そうすれば親には不都合がなくなり、自分のことをこれからも世話してくれるだろうと考えるのです。

このような決断を子供のころに行った人の多くが、「創造的夢想家」と呼ばれる特徴の性格を持つことが知られています。大人になっても、親以外の多くの人に対して、そのような決断をそのまま持ち越しています。つまり、自分の欲求をかなえてくれることを他の人に率直に求めるのでなく、空想で欲求を満たそうとする傾向があります。

このような人は、深く考える、創造性が高い人であることが多く、哲学者や芸術家になる場合もあります。一方で、引きこもる傾向、現実と向き合うことを避ける傾向があり、周囲の人からよそよそしく感じられてしまう場合もあります。

2.才気ある懐疑者

まだ周囲のことをよく理解できない子供が、不意打ちのように、不当だと感じる仕打ちを何回も受けたとします。よく分からないのに何かを食べることを無理強いされたり、両親から一貫していないやり方で叱られたり、やむを得なかったのかも知れませんが、医療上のさまざまな処置を受けたというような場合です。このような状況を体験した子供は、過剰に用心深くなり、自分の遊び心を抑え、他の人の意図を疑うようになることがあります。

性格の特徴が「才気ある懐疑者」に分類される人の多くは、このように育てられたと考えられています。この性格を持つ人は、周囲の人との心理的な距離を保ち続けようとする傾向があります。

この特徴を持つ人の多くは、些細なことにも力を尽くすことができ、問題を予測し、対策を考えることが得意です。数学や法律の専門家になったりする人が多く、管理業務で力を発揮する傾向があります。

一方で、人を非難しやすい面があり、自分にも厳しく、頑固で、自分の考えていることはすべて正しいと考える傾向があるとされています。

3.魅力的操作者

競争相手がいて、両親の愛情や他の欲しいものが、その相手に奪われたとたびたび感じるような環境で子供が育ったとします。そのような状況に置かれた子供は、誰もあてにしないことと、言い方がやや悪くなりますが、両親や周囲の人をうまく操って生き延びることを決断するようになることがあります。

「魅力的操作者」に性格が分類される人の多くは、このような決断を大人になっても、多少引きずっていると考えることができます。とにかく手に入れられるものは何でも手に入れよう、傷つかないでそうしようとする傾向があります。

この性格を持つ人の多くが、とても魅力的であることが知られています。商売や、さまざまなプロジェクトを推し進めること、人を動かすことに長けている場合が多く見られます。

一方で、このような人の多くは、ひとつのことに専念することができず、ものごとを最後までやり遂げることも苦手だと言われています。やや誠実さを欠き、策を用いて周囲の人を操作する傾向があるとさえ言われています。

4.おどけた反抗者

あらゆる物事を自分が望むようにコントロールし、子供の自主性を認めない傾向がある親に、ある子供が育てられたとします。そのような子供の一部は親に反抗し、子供に反抗されればされるほど、今後は親が子供を批判するという悪循環が生じることがあります。

このような状況で育った人は、「おどけた反抗者」に分類される性格を持つようになることがあります。この特徴を持つ人は、大人になっても、この悪循環の状態が内面的に続いているとさえ考えることができます。人生を戦いだと見る傾向、ものごとに完全に白黒をつけようとする傾向があります。

このような人の多くは、おどけた子供のようなエネルギーを持っています。粘り強く興味を追求する傾向があり、鑑定家や探偵、批評家に適した性格の特徴であるということができます。また、調査を主に行なう研究分野で力を発揮することが多いと言われています。

一方で、他人の指示に従わず、必要以上に物事を複雑にしたり、反抗して周囲の人に不快を感じさせたりすることがあるとされています。

5.責任感ある仕事中毒者

ある子供が、まだ小さいにもかかわらず、物事を達成することや、両親が望んでいることを行なうことを強く求められ続けたとします。そのような子供は、両親の望みに自分を合わせざるを得ず、自分の欲求の多くをあきらめなければなりません。

子供のときに、このような適応をした人が、大人になってもその傾向を持ち続けていると、「責任感ある仕事中毒者」という分類の性格にあてはまるようになります。このような人の多くは、大人になっても、自分の欲求よりも責任を果たすことを優先する傾向があります。

この特徴を持つ人は、良心的で信頼でき、物事を進展させる社会の中心人物になることがあります。一方で、管理職になった場合でも権限を委譲することができず、細かいところまで指示を出し、周囲の人からは、不機嫌で退屈している人だと見られる傾向があります。

6.熱狂的過剰反応者

ある子供が、自分の愛らしいところ、面白いところにばかり関心と愛情を示す両親に育てられ、考えたり何かをなし遂げたりすることを、あまり評価されなかったとします。そのような子供は、ポジティブな感情を表わすことをエスカレートさせ、一方で、自分の怒りや不安、悲しみ、混乱は隠すようになることが考えられます。

このような振る舞い方が大人になっても続く場合があり、そのような場合に見られる性格の特徴は、「熱狂的過剰反応者」と名付けられています。

この性格を持つ人は、熱狂的で楽しく、面白い人であることが多いとされています。社交的で、もてなし上手で、広報や宣伝の仕事をうまくこなし、周囲の人が心地よく感じるようにすることを好む傾向があります。

一方で、情緒が不安定で、自己中心的で、見栄っ張りの傾向があります。また、他人から注目を受けていないと愛されていないと感じ、自分が重要でないと感じることもあります。また、ちょっとした批判にも、心の大きな混乱をきたす傾向があります。

以上、駆け足の説明でしたが、6種類の性格について、おおむねの感じが掴めたのではないでしょうか。

もちろん、子供の育てられ方や、その状況には、この6種類しかないわけではありませんが、子供が行う適応が性格に及ぼす影響は、典型的には、この6つに分けて理解することができます。

さて、まず手始めに、あなた自身が1から6のどれにもっとも近いかを考えてみてください。

そして、あなたが子供のころに行なった決断は何なのだろうかと考えてみてください。それはおそらく、生き延びるため、あるいは周囲との関係を良くするための、やむにやまれぬ最善の決断だったのです。しかし、大人になった今は、必要であると考えるならば、それを修正するという選択を取ることもできます。

次に、あなたと最も親しい人、最も相性の悪い人を思い浮かべて、どの性格にあたるのかを考えてみてください。

それは、その人を批判するためでも、変わってもらうためでもありません。

私たち人間は誰もが、過去からさまざまな影響を受けて、今このようにあるのだと言うことが、実感できることと思います。

この説にご興味を持たれた方は、やや専門的な本ですが、「交流分析による人格適応論」(誠信書房、2007年)をお読みになると、性格のこの分類について、さらに詳しく知ることができます。

やや長くなりました。今回の話には「人生の学習」という題を付け加えました。この名にふさわしい情報だとお感じいただけたとしたら、心から嬉しく思います。

参考記事:『人生の学習 - 悪い習慣を変える

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

では、また。

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