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動く木の枝

2017年6月2日


 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

バラ十字会日本本部代表、本庄のポートレイト

 

今朝、東京板橋の北の空には、元気の良さそうな入道雲が出ていました。このブログが公開される頃には、ひと雨来ているかもしれません。

いかがお過ごしでしょうか。

 

さて、一軒家の庭で園芸を楽しむ人はガーデナーと呼ばれますが、庭のない家に住みベランダで草木を育てている人の通称は「ベランダー」だそうです。

私も3年ほど前から、ベランダーのはしくれをしています。

先週は、プランターに撒いたアサガオの種5粒がすべて芽を出しました。1ヵ月もすると、薄い青の花が咲くはずです。いい年をしたオヤジが、アサガオの双葉を眺めながら、遠い目をしてニヤニヤしているのは、実に、サマにならない絵であることでしょう。

 

昨日の朝のことですが、ベランダのレモンの木を見ていて、木の中ほどに、5センチほどの枯れ枝があるのを見つけたのです。何でここだけが枯れたのだろうかと、しばらく考えていました。

するとその枝の一部が、突然、少し柔らかくなったように感じたのです。びっくりして部屋に戻り鉛筆を取り出してきて、そっと横からつついてみると、案の定それは、枯れ枝にそっくりの虫でした。

 

インターネットで調べてみたところ、シャクトリムシでした。シャクガと呼ばれる蛾の幼虫です。シャクトリムシには、緑色と薄茶色の虫がいますが、薄茶色の種類は木の枝に擬態します。

 

彼(彼女?)は、見れば見るほど枯れ枝に似ています。うすい茶色の体には樹皮を思わせる模様があります。体の一方にある、いぼのような足で、レモンの枝にしっかりとくっついているのですが、その部分は、木の枝の根元にあるふくらみに形がそっくりです。

体は真っ直ぐに伸ばして硬くしています。体の反対側には、こちらにも「いぼ足」があるのですが、デザイン全体が、乾いた枝先とそっくりです。

木の枝へのシャクトリムシの擬態

木の枝へのシャクトリムシの擬態

 

アニメや絵本によく登場するのでご存じのことと思いますが、体の両側近くにあるこの「いぼ足」を使って、彼は、ギリシャ文字のΩの形と真っ直ぐになることを繰り返して前に進みます。彼の名前の由来です。

 

シャクトリムシには「土瓶落とし」という別名があるそうです。農作業の合間にお茶を飲もうと土瓶を持ってきた人が、木の枝と間違えて掛けて割ってしまうからだそうです。彼の擬態は、まさにこの名にふさわしいほど巧みです。

 

昨年は、このレモンの木でアゲハチョウの幼虫が育っていました。ずいぶんとチョウやガに好かれる木です。葉から良い香りがするからかもしれません。

アゲハチョウの幼虫はといえば、こちらも擬態の名人です。小さなころは、焦げ茶色と白の混じった色をしています。鳥のフンのまねです。そして、鳥のフンにはありえない大きさに育つと、緑色に変身して葉と同じ色になり、捕食者の鳥から姿をくらまします。

鳥のフンに擬態するアゲハチョウの幼虫

鳥のフンに擬態するアゲハチョウの幼虫

 

成長したアゲハチョウの幼虫

成長したアゲハチョウの幼虫

 

シャクトリムシもアゲハチョウの幼虫も、なんと賢いのだろうかと感心します。

 

チョウやガは一生の間に、卵から、幼虫、さなぎ、成虫と姿を変えていきます。以前にご紹介したことがありますが、この完全変態には、6億年前から今までの地球の生物の歴史が関係しています。

参考記事:『アゲハチョウの幼虫と進化

 

そして、チョウやガの幼虫たちのデザインの元になっているのは、5億年前に生息していたアイシェアイアという、ムカデやゴカイに似た生きものだという説があります。

彼らの姿に、古代の生きもののたくましさが感じられないでしょうか。東宝映画『モスラ』の影響かもしれませんが、私は、大きく育ったコガネムシの幼虫に、悪夢の中で襲われそうな恐ろしさを感じます。

 

人類が登場したのは600万年前ぐらいですから、地球の生物の歴史の中で私たちは、新参者中の新参者にあたります。

ですから、私たち人間は、先輩の生きものたちに深い敬意を払って生きていかなければならないように思います。

 

以前に、アイヌの方々の精神文化について調べたことがあります。アイヌの方々は、クマ、オオカミ、シャチ、トド、毒ヘビ、フクロウ、鹿、シャケなど、他の多くの生きもののことを、自分たちよりも上位のランクの魂を持つ「神々」として敬ってきました。

この考え方のおかげで、北海道のいたるところで、美しい自然が長い歳月の間、守られてきました。

人間のことを「万物の霊長」と呼び、自然環境にひどい負担をかけて生活をしている、現在の先進国の多くの人たちよりも、よほど健全な生き方のように感じます。

参考記事:『アイヌ-日本の北方先住民族

 

 

ベランダに置いた植木鉢で、草木を育てているだけでも、自然が一体であることを感じます。ネットワークのような、さまざまな生きもの同士の関係の一端を知ることができます。

また、当会がご提供している神秘学(神秘哲学:mysticism)の通信講座の教本の言葉を借りるならば、〈宇宙意識〉の知性面が、生命を通して表現されているのを感じることができるように思います。

 

では、今日はこの辺りで。

また、お付き合いください。

 

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