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耳を傾けるということ

2017年8月14日


 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。お盆ですね。

いかがお過ごしでしょうか。

 

私は生まれてからこのかた、ずっと東京に住んでいます。そして、周囲に会社勤めの方が多いため、近所付き合いがやや薄くなります。最近では、特にその傾向が強いと感じています。

 

当会のフランス本部代表のセルジュ・ツーサンが、自身の人気のブログに、このことに関連する耳の痛い話を書いていました。今回はその翻訳をご紹介します。

 

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バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサンのブログ

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

Serge Toussaint

記事「耳を傾けるということ」

ローマの哲学者エピクトテスは、自分の本に次のように書いています。「人には、口は1つしか与えられてないが、耳は2つあるのだから、しゃべるよりも2倍は多く、人の話に耳を傾けるべきだ」。

しかし実際には、人の話に耳を傾けるよりも自分が語ることのほうが好きな人が大部分であるように思われます。なぜなのでしょうか。自分のエゴ、つまり自己中心的な感情に影響されて、他の人たちと会話しているときでも、話題を独占したいと思ってしまうからのようです。

話を交わしている人と意見が一致しないときには、言い争いに勝利して、相手が間違っていることを示さなければと強く感じ、エゴの悪い影響がひどくなってしまうことが、しばしばあるようです。

 

人の話に耳を傾け、相手が意見を語り終えるまで十分に待つことができる人は、それほど多くはいません。相手の話が長くなりそうに思えると、突然さえぎって、自分の話を再び始める人が少なくありません。

このような状況では、どちらの人も自分の論点に相手を引き込もうとするあまり、相手の意見を理解しようとする態度がおろそかになり、十分に意見を交換することが、かなり難しくなってしまいます。

極端な場合には、意見の交換などなされずに、荒々しい言葉や非難の応酬になります。毎日の何気ない場面でも、ラジオやテレビやインターネット上の討論でも、私たちの誰もが、このような状況を目にすることがあるのではないでしょうか。

 

他の人たちの意見に耳を傾けるということは、議論において自分のエゴをコントロールできるということの表れです。このことは簡単なことではありません。自分の思いを表現したい、自分の意見を相手に押しつけたい、自分が正しいと思っていることを相手にも納得させたい、人の注意を惹きつけたい等々の欲求が、どんな人にもあるからです。

人の話に耳を傾けるということは、謙虚さと密接に関連しており、謙虚な人たちの多くには、慎み深く、礼儀正しく、他の人たちを尊重するという特長があります。謙虚さという道徳的美点が十分に発達した人とお付き合いすると、そのような人は、自分が話すよりも相手に耳を傾け、話題を独占しようとしたりしないのがわかります。

このような人は、ほんとうの意味の議論のために心の準備ができている人であり、対話や意見の交換を促す傾向があります。

女性3人の井戸端会議

 

人の話に耳を傾けることができる人は、多くの場合、定期的に時間を取って内省を行い、自分の心の奥の声にも耳を傾けている人です。このような人の多くは、思慮分別に富んだ話し方をしようと心がけていて、沈黙は時として言葉に勝るという考えを持っています。

バラ十字会には次のような格言が伝えられています。「あなたの語ろうとしていることが、沈黙よりも美しくないのであれば、それはとどめておきなさい」。

この格言は、他の人の言葉に耳を傾けて理解しようと努力しなさいと捉えることもできますし、最小限度の行動基準として、何かを語るときには、前もって、自分が何を言おうとしているかを考えなさいという意味に捉えることもできます。

テーブルを囲んで打ち合わせをしている3人の人

 

しかし、耳を傾けるということを、単に他の人の言葉を聞くということに限定せずに、さらに広く、相手の人に配慮を払うという意味に捉えた方が素晴らしいと私は思います。謙虚さと同じく、思いやりということもまた重要な道徳的美点です。

他の人のことを考え、他の人が楽しくしているかどうかに心を配り、必要とされているときには助け、手を差し伸べるということなど、他の人にあなたが感心を示しているということを表す方法がたくさんあります。

誰かの手伝いを申し出れば、そのことによって人と人の距離は近づき、反対に無関心であれば、人と人の距離は遠ざかります。そして、人と人との距離があまりにも遠くなれば、排斥ということが生じ、ひいては社会という織物がばらばらになってしまうのではないでしょうか。

バラ十字会AMORCフランス本部代表
セルジュ・ツーサン

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。本稿はそのブログからの一記事。

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いかがでしたでしょうか。私はずいぶんと反省させられました。

 

今日は、この辺りで。

また、お付き合いください。

 

参考記事:『人工知能について』(セルジュ・ツーさんの前回の記事)

 

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