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危機を通り過ぎる

2017年9月8日


 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

東京板橋では、アブラゼミの声がツクツクボウシに変りました。秋が始まった感じがします。

そちらはいかがでしょうか。

 

さて、日々のニュースを見ていて、気分が暗くなってしまうことはありませんでしょうか。

格差の拡大、頻発する異常気象、高齢化、テロリズム、国の財政の悪化、経済の成長の鈍化、政治と官僚組織の腐敗など、数年後はどうなってしまうのだろうと感じさせる話題ばかりではないでしょうか。

 

神秘学には「ソウル(魂)の暗黒の夜」(Dark night of the soul)という用語があります。

当会の提供している通信講座で詳しく説明されることのひとつなのですが、この用語は、内面の進歩のために努力を続けている個人に訪れる独特な危機のことを指しています。

そして、この「暗黒の夜」を首尾良く通り過ぎることができると、「黄金の暁(あかつき)」という、調和と安定、心の平安が取り戻された状態に達します。

 

錬金術にも同じ話題があります。錬金術で語られていることの多くは、人の内面に起こる進歩のたとえであることが知られています。

先ほどの「夜」と「暁」に対応して、フラスコの中の物質は、「ニグレド」(黒の段階)から、クジャクの尾のような色とりどりの段階を経て、「アルベド」(白の段階)へ進むとされています。

 

参考記事:『錬金術とは何か』(セルジュ・ユタン)

参考記事:『錬金術とは』(公式ブログ)

 

もしかして、世界全体にもこの比喩があてはまるとすれば、現在の混乱は、進歩を続けている人類が、望ましい新たな段階に入る直前の混乱にあたるのかもしれません。

人の思念は、未来を作り出す要因のひとつですから、ポジティブにそのように考えたいと心から思います。

 

当会のフランス本部代表のセルジュ・ツーサンが、世界の混乱した現状について、昨日ブログ記事を書き、かなり話題になっています。

題名がちょっと固いですし、前半はやや暗いですが、希望と展望を与えてくれる記事だと私は感じています。今回は速報として、この記事の翻訳をお届けしたいと思います。

 

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バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサンのブログ

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

Serge Toussaint

 

記事「人類の再生について」

 

誰もが知っているように、世界は経済的な意味でも社会的な意味でも、深刻な危機に直面しています。

多くの国で失業率が高くなっていますし、仕事を得ていても安定した生活を保つことができない人が増えています。

このような状況の程度はかなりひどいものであり、貧しい国だけでなく豊かな国にも貧困が広がっているほどです。

21世紀初頭の現在、生活を送るというよりは懸命に生き延びようとする状態にある人が、ますます多くなっています。

 

現在の経済と社会の危機は、2008年に起きたリーマンショックの影響だと多くの人が考えています。

この金融破綻が状況を悪化させ、強欲極まりない投機的な巨大金融取引の、不誠実さ、不道徳さ、下品さが明るみに出たということは明らかでしょう。

 

世界の投機的な金融取引を今も維持、コントロールしている人たちから私が受ける印象は、残念なことに彼らは、反省することもやり方を変えることも望んでいないようだということです。

これらの人たちは、まるで別世界に住んでいて、他の人たちの苦しみには無感覚であるかのようです。

投機的金融取引(イメージ図)

 

この数十年続いている経済と社会の危機、そして最近出現した金融危機は、文明自体の危機の表れなのではないでしょうか。そして、私たち一人一人にも、個人のレベルにおいて、その責任の一端があるのではないでしょうか。

先進国では、「誰もが自分のために」という風潮がはびこり、「物を所有する」ということが、宗教とまでは言わないものの、多くの人の目的になっています。

社会のあらゆる階層の人が、お金を崇拝する祭壇を前にして、基本的な道徳心の大部分を投げ捨てていますし、外見が立派であることを高く評価する傾向が頂点に達しています。

 

2001年にバラ十字会が発行したマニフェスト『バラ十字友愛組織の姿勢』で解説されているように(補注)、人類が現在の危機を脱するためには、人道主義的でかつ精神性を重視する価値観を通して、多くの人が考えを改める以外に方法はないように私には思われます。

このことを実現するためには、誰もが個人的に求めている幸せは、他の人々の幸せが実現されなければ得られないということを、多くの人が理解することが必要不可欠です。

また同時に、存在の意義、つまり人生の意味は何であるのかということを、多くの人が今まで以上に真剣に自問するようにならなければなりません。残念なことに、このような視点を持っている人は、政治家にも他にも、ほんの少ししかいません。

 

補注:マニフェスト『バラ十字友愛組織の姿勢』(Positio Fraternitatis Rosae Crucis)は、次のURLで読むことができます。

http://www.amorc.jp/pdf/amorc_positio_jp_111018.pdf

 

確かに、お金がほとんどなかったり物質的な快適さが得られなかったりすれば、幸せに暮らすことはできないかもしれません。

しかし、お金や物を手に入れること自体を目的にするならば、私たちのソウル(魂)が真に求めている価値からは遠ざかることになってしまいます。

ですから長い目で見れば、個人主義と物質偏重主義によっては、誰も幸せになることはできません。

 

世界が現在直面している危機から脱け出すことは、経済、社会、金融の“モデル”について考えているだけでは実現できません。

そして先ほど述べたように、この危機は何にも増して、人生の深遠な意味について再考し、それに従って行動するための絶好の機会だともいうことができます。

 

バラ十字会AMORCフランス本部代表
セルジュ・ツーサン

 

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

本稿はそのブログからの一記事。

 

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お読みになって、皆さんはどうお感じになったでしょうか。

個人として自分には何ができるのかを考えるきっかけにしていただければ、心から嬉しく思います。

 

では、今日はこの辺で。

また、お付き合いください。

 

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