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イルミナティについて

2017年9月15日


 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

 

東京板橋では、朝晩が涼しくなりました。連休の台風が心配ですね。

いかがお過ごしでしょうか。

 

ある方から、イルミナティとバラ十字会にはどのような関係があるのですかとご質問をいただきました。

 

日本本部の代表を務めていて、ときおりいただく質問です。

 

当会のフランス本部代表のセルジュ・ツーサンが、このことについて自身のブログに記事を書いています。

よくまとまっている記事ですし良い機会ですので、今回はその翻訳をご紹介させていただきたいと思います。

 

▽ ▽ ▽

 

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサンのブログ

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

Serge Toussaint

記事「イルミナティとバラ十字会について」

 

最近しばしば、「イルミナティ」という組織と、この組織が結成当初から持っていたとされる謎めいた目的について、様々なことが語られているのを耳にします。

作家ダン・ブラウンが書いた小説『天使と悪魔』によれば、この組織は16世紀にイタリアで結成されたとされています。

小説の内容と事実が、インターネット上で安易に混同されていることに加えて、さらに悪いことに、イルミナティという組織は現在も存在していて、政治、経済、金融、マスコミ、科学、神秘哲学などの人間の活動のほぼすべてに及ぶ人脈を持ち、その人脈を通して陰謀を繰り広げて、人類全体に害を及ぼしていると主張している人たちがいます。

 

この「陰謀説」はインターネットで話題にされ広められていますし、言うまでもないことですが、それに便乗して、売り上げを伸ばすために陰謀説を取り上げる本も多数あります。

そして、イルミナティが陰謀の中心的役割を果しているとされています。

 

ちなみに、ダン・ブラウンが「イルミナティ」という名前で小説に取り上げた組織と似た性質を持つ秘密結社は、実際に存在していました。

私の手元にある情報によれば、この組織が出現したのは16世紀ではなく18世紀で、イタリアではなくドイツです。

名前もイルミナティではなく、「イルミナテン」(Illuminaten)もしくは「バイエルンのイルミネ」(Illuminés de Bavière)という結社です。

 

この秘密結社は、カトリック教会に対して陰謀を企てたわけではありませんが、その教義に疑問を投げかけ、無神論と合理主義を広めるために活発に活動していました。

彼らが、当時のフリーメーソンのいくつかのロッジを通して、その目的を達成しようとしていたということも事実です。

そして、バイエルン選帝侯のカール・テオドールの命令によって1784年に活動を停止しました。

 

以上のご説明から、「イルミナティ」という言葉を、ドイツで18世紀に結成された組織「イルミナテン」を指すのに用いることは適切でないということをご理解いただけたことと思います。

また、あらゆる人種、国家、地域社会、社会階級、宗教宗派などと対立し、人類全体さえをも混乱に陥れる陰謀に携わっていると想定される集団が仮にいたとしても、それをイルミナティと呼ぶことも、やはり適切ではありません。

 

イルミナティという言葉をそのような意味で用いることは、少なくとも情報の混乱であり、悪く言えば情報操作です。

さらに言えば、フランス語の「啓発された」(des illuminés)という形容は、今ではやや皮肉を込めた否定的な意味で使われることがありますが、現代に暮らしている啓発された人たち全体を指すために、ラテン語の「イルミナティ」という言葉を使うことも、イルミナティと陰謀を結びつけて考えることと同じように誤りです。

 

ではイルミナティとは、本当は何を意味しているのでしょう。

バラ十字会に伝わる文献によれば、それは、12世紀に結成されたある神秘学派のメンバーたちのことです。

この時期には、十字軍の遠征が行われ、キリスト教徒とイスラム教徒が神の名のもとに戦っていましたが、この神秘学派はキリスト教徒とイスラム教の間の相互理解を促そうとしていました。

中世の城

 

この学派には、キリスト教徒とイスラム教徒だけでなくユダヤ教徒もいました。

そしてその全員が、十字軍という暴挙を終わらせ、寛容の精神を宗教間に育みたいという望みを持っていました。

今日ではバラ十字会AMORCが、平和と寛容というこの理想を受け継いでおり、会員に提供している学習カリキュラムのある課程には、「イルミナティ課程」という名がつけられています。

 

少しでも事情を知っている人であれば、「イルミナティ」について一般に語られていることと、当会の哲学や理念には、似たところはひとつもないことに同意されると思います。

陰謀という文脈でイルミナティについて語っている人は、自分が何について話しているかをよく知らないのです。

 

私は個人的に陰謀説を信じていません。ブログ記事『新世界秩序について』をお読みくださればと思います(訳注)。

 

訳注: www.blog-rose-croix.fr/a-propos-du-nouvel-ordre-mondial/で読むことができます(フランス語です)。

 

私の意見では、さまざまな分野で人類が直面している問題の原因は、誰かの陰謀にあるのではなく、すべての人の個人や集団としての行動にあります。

 

自分が苦しんでいるのは、陰でうごめいている一部の人の悪事のせいだと考える方が、自分自身の行いに疑問を投げかけるよりは、はるかに簡単なことです。

しかしこの態度は、幼稚で無責任なものに私には思えます。

陰謀論に賛同している人や、それを広めている人は、情報操作という陰謀を批判しているにもかかわらず、結果的に自分が情報操作をしていることになってはいないでしょうか。

 

いずれにせよイルミナティは、バラ十字会が用いている意味では、陰謀や情報操作とは何の関係もありません。

バラ十字会AMORCフランス本部代表
セルジュ・ツーサン

 

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

本稿はそのブログからの一記事。

 

△ △ △

 

歴史を見ると、あらゆる時代に、神の名のもとに凄惨な殺し合いが行われてきました。

しかし一方で、今回の記事に書かれていたように、すでに12世紀には、このような暴力に歯止めをかけようと努力していた人たちがいました。

このことは、私たち人類が誇りに思うべき事柄ではないでしょうか。

 

下記の記事では、セルジュ・ツーサンが現在の世界が直面しているさまざまな問題の原因についての考察を書いています。こちらもどうぞ。

参考記事:『危機を通り過ぎる

 

では、今日はこの辺で。

また、お付き合いください。

 

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