公式ブログ

約束の話

2018年4月13日


こんにちは。バラ十字会の本庄です。

東京板橋では、桜の木が若葉から、濃い緑へとすっかり変わりました。

 

いかがお過ごしでしょうか。

 

さて、このブログにすでに何回か登場していただいていますが、小中学生に本を紹介するブックトークというお仕事をされている私の親しい友人から、寄稿をいただきました。

彼女の文章を読むといつも、読みたい本、読み返したい本が増えすぎて困ります。

今回はなかなかディープな話です。

真剣に読書をする女の子

 

 

▽ ▽ ▽

 

記事『約束の話』

可児明美

可児 明美

 

皆さんは、これまでに約束をしたことがありますか? お友達やお家の人となにかの約束をしたことのある人も、いますよね?

そのとき、どんな約束をしましたか? 守るのが簡単な約束もあれば、守るのがなかなか難しい約束もあったかもしれませんね。

 

これは日本の江戸時代にできたお話で、『雨月物語』という物語集に出てくる「菊の約束」というお話です。(はじめてであう日本の古典『雨月物語』古田足日編、小峰書店)

あるとき、播磨の国に住んでいた学者が、旅の途中で具合が悪くなった立派な武士を看病して助けました。看病のかいあって、武士はすっかり元気になりました。

二人はとても気が合って、兄弟になることにしました。しかし元気になった武士は、旅の目的を果たすために、出雲へ行くことになりました。

 

武士は別れ際に、今年の秋の菊の花の祝いの日に戻ってくると約束しました。ところが武士は行った先で足止めされ、閉じ込められてしまいました。

武士は困ってしまいます。約束の菊の花の祝いの日に帰るために、この武士はとうとう、ある行動に出ました。

いったい武士は、どうやって約束を守ったのでしょうか? そして待っていた学者はそのあと、どうしたでしょうか。

Ueda Akinari

『雨月物語』の作者、上田秋成の肖像 By 甲賀文麗 (KoKa Bunrei) (甲賀文麗作「上田秋成像」) [Public domain], via Wikimedia Commons

 

先のお話では、誠実に約束を守ろうとした武士のことが書かれていました。次のお話も、友達のために命をかけて走りぬいたお話です。(『走れメロス』太宰治著、角川つばさ文庫)

人間を信じることができないため、罪もない多くの人々を殺す王がいました。

主人公のメロスは、王を暗殺しようとして失敗し、捕まえられて死刑を言い渡されます。

最後に妹の結婚式をすませたいからと、親友を人質に残し、三日間の自由をもらいました。

 

式が終わって、人質となった親友のもとへと、そして自分が死刑になるためにメロスは走り続けます。

そのまま逃げてしまえば、親友の命と引き換えに死刑から逃れることができますね。でも、メロスはそうしませんでした。みなさんなら、どうしますか?

 

……さあ、メロスは約束の時間までに無事たどり着くことができるのでしょうか? メロスと親友の運命はいかに……?

最後のほうに出てくるメロスと親友の会話のやりとりがとてもかっこいいので、ぜひ味わってみてください。

Osamu Dazai

太宰 治 (Shigeru Tamura [Public domain], via Wikimedia Commons)

 

次のお話も、友達を助けるために約束をして、危険な状況に追い込まれてしまうお話です。(『親友のつくり方、教えましょう。』くもん出版)

この本の中には、親友をテーマにした名作がいくつか載っています。その中でも、『ヴェニスの商人物語』は、シェークスピア劇が少年少女むけの物語の形で書いてあります。

 

友人のために自分の肉を担保にしてお金を借りたアントニオは、返済期限がやってきて、高利貸しシャイロックから、肉で借金を返済するように迫られます。

とうとう裁判になりますが、この裁判にはアントニオにとって強力な助っ人がいたのでした。

さあ、助っ人はどうやって絶体絶命のアントニオを救い出すのでしょうか? そしてその助っ人とは、実は……

CHANDOS3

ウィリアム・シェイクスピア By John Taylor (Unknown) [Public domain], via Wikimedia Commons

 

さて、いろいろな約束をご紹介しましたが、昔ばなしにも約束はよく出てきます。(『黒いお姫さま ドイツの昔話』ヴィルヘルム・ブッシュ採話、福音館書店)

この中の黒いお姫さまというお話では、子どもがいなかった王様とお妃様のところにお姫さまが生まれます。

ところがお姫さまは15歳の誕生日の前の日に、私は明日死ななくてはならないが、どうしても約束してもらいたいことがあると言い出します。

お姫さまは、死んだ自分の棺に、1年の間毎晩見張りをつけるよう、約束してほしいと言います。

 

王さまは約束を守って、1年間、棺に見張りをつけます。けれども見張りは、夜中に棺から出てきたお姫さまに首をひねられて次々に殺されます。

そしてとうとう、見張りをしたいと名乗り出る者がいなくなってしまいました。

けれどもヤーコプという羊飼いの若者が、見張りに名乗り出ます。さあ、ヤーコプはうまく見張りをやり遂げることができるでしょうか?

実はヤーコプは、お姫様の呪いを解く、ある一つの条件を満たしていた若者でした。その条件とは、何だったのでしょうか? そしてヤーコプは、うまくお姫様の呪いを解けるのでしょうか?

 

約束がテーマの本をいくつかご紹介しました。こうしてみると、約束と友情には、どうやらつながりがありそうですね。約束と友情をぜひ味わってみてください。

 

おわり

 

紹介した本

『はじめてであう日本の古典 雨月物語』古田足日編、小峰書店

『走れメロス』太宰治著、角川つばさ文庫

『親友のつくり方、教えましょう。』くもん出版

『黒いお姫さま ドイツの昔話』ヴィルヘルム・ブッシュ採話、福音館書店

 

△ △ △

 

ふたたび本庄です。こちらは猫の話を扱った可児さんの前回の記事です。

参考記事:『猫がテーマの本

 

今日はこの辺りで。

また、お付き合いください。

 

追伸:メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」に、こちらから登録すると、このブログに掲載される記事を、無料で定期購読することができます(いつでも配信解除できます)。


このページのTOPへ