投稿日: 2021/12/10
最終更新日: 2023/02/17

マドレーヌ・カブーシュ

神秘学のいくつかの側面

 神秘学は、人間の魂(soul:ソウル)と、現実世界の根本との関係、そして、この2つがひとつになる可能性をテーマにしていると言われています。また、神秘学の学習は、人生で起こる絶え間ない変化によって学ぶことだとも言われています。

平均的な人は半分しか目覚めていないと神秘家は主張します。つまり、人の能力の大半は、それを働かせたり十分に発揮することを、教えられることも許されることもなかったために、眠った状態にあります。神秘学における訓練は、この状態を改善することを目指します

その際に鍵となる言葉は、〈光〉(Light)と〈命〉(Life)と〈愛〉(Love)です。そして、〈光〉と〈命〉と〈愛〉によって、自身の実生活の中のあらゆる否定的なもの、それゆえに「悪」であるものを、肯定的で善いものに変容させなくてはなりません。私たちは、苦行や服従によってではなく(それらは単に逆効果となるに過ぎません)、英知や偉大な理解を得ることによってエゴを克服しようとする努力をしています。つまりエゴを抑え込むのではなく、それを超えて成長しようとしているのです。

そのようにしてなし遂げられた進歩のひとつひとつは、さらにどれだけ先まで進まなければならないかということを、はっきりと知ることにつながるので、私たちが自己満足したり、ひとりよがりのぬるま湯に浸かってしまうことは決してありえません。

たとえばバラ十字会で学んでいる学習者たちのように、私たちは、心の内側での新しい発見や啓示によって、深遠な行動原則のいくつかに徐々に気づいていきます。私たちはまず、真実を探すことから始めます。このような真実の探究のおおもとには、純粋な動機がなければなりません。なぜなら、思考、目的、自己分析、他の人々に関わる外的な要因などのあらゆる事柄が、純粋な動機から発していなければ、存在する真実を、私たちはうかがい知ることさえできないからです。

多くのことを頭の中で学ぶことができます。しかし自身のすべての部分で、ものごとを感じ理解するまでは、それは本当の学びにはならず、自身の生活に前向きな影響が及ぼされることはありません。ものごとを理解したと考えることと、本当にそれを理解することの間には、微妙な境界線があります。そして、この境界線を越えることは、多くの人にとって、一見すると不可能なことのように思われてしまいます。このことが理由で、私たちは人生において、悲劇や不快なできごとをたびたび体験します。なぜなら、頭の中だけで理解している状態が、自身のすべての部分に浸透する理解に変わるのを妨げている心の殻を壊すのに、そのようなできごとは役立つからです。

純粋な動機がなくては、自己を理解することはできません。そして、もし人が自分を理解することができなければ、他の人を理解することもできません。そして人生は複雑さと歪みにあふれ、真実は完全に影に覆われてしまうことでしょう。

ある理解が得られると、その理解には簡潔な表現がもたらされます。有名なフランスの作家コレットは、かつて、花瓶の中で垂れ下がるように萎れていたチューリップに水をあげていました。彼女の内面のやさしさと深い思いやりは、〈創造主/神〉の創ったあらゆるものに及んでいました。ですから、水が足りなくて枯れかかっている花に対してもそうでした。「モーリス!」と彼女は夫に向かって叫びました。「たったひとつの命なのよ」。この簡潔な言葉の中に、すべてのことが表現されています。

〈創造主/神〉の愛は、あらゆるものに行き渡り、どこにでも現れます。そして真実を見抜く眼を持っている人たちは、生物の世界と無生物の世界の両方に、〈創造主/神〉の愛を見ることができます。つまり、人間と同じく、大地と岩にも、植物と動物にも〈創造主/神〉の愛を見いだします。〈創造主/神〉は愛であり、宇宙のいたるところで、すべての素粒子に響き渡り、こだましています。それは神秘の体験であり、愛と等しい体験をしたことのある人だけに伝えることができます。個人に向けられる愛も普遍的な愛も、同じひとつの愛です。そしてこの愛は〈万物〉を映し出し、感謝の思いの中で、私たちを再び〈源泉〉へと連れ戻してくれるのです。

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