投稿日: 2021/12/10
最終更新日: 2023/02/20

ヘンリー・ヴァン・ダイク

私は海岸に立っている。かたわらの一艘の船が、
そよ風に向けて白い帆を広げ、青い海に滑り出す。
彼女には、美しさと力が満ちている。
私は長いこと立ちつくし、海と空が互いに溶け合う水平線に、
彼女が、白い雲の切れ端のように浮かぶまでを見届ける。

そのとき、私の横にいた誰かが言う、
「ああ、彼女は行ってしまった」と。

どこに行ったのか?

私の視界から去った。ただそれだけ。
彼女の帆柱も船体も帆桁も、
私のかたわらを離れたときと同じ大きさであり、
そして彼女が、仕事として目的の港へと向かって運ぶ
荷を積んでいることも変わらない。

彼女の小さくなった姿を私は見るが、彼女は見ない。

そして、「ああ、彼女は行ってしまった」と
誰かが言ったまさにそのときに、
彼女の訪れを見つめている他のまなざしがあり、
そして、「彼女がやってきた」と
喜びの叫びを上げようとしている他の声がある。

これが死ということです…。

ヘンリー・ヴァン・ダイク
(米国の作家・教育者、1852-1933)

体験教材を無料で進呈中!
バラ十字会の神秘学通信講座を
1ヵ月間体験できます

無料で届く3冊の教本には以下の内容が含まれています

当会の通信講座の教材
第1号

第1号:内面の進歩を加速する神秘学とは、人生の神秘を実感する5つの実習
第2号:人間にある2つの性質とバラ十字の象徴、あなたに伝えられる知識はどのように蓄積されたか
第3号:学習の4つの課程とその詳細な内容、古代の神秘学派、当会の研究陣について

自宅で手軽に体験学習ができる無料体験プログラムを申込む
無料体験のご案内ご入会申込