投稿日: 2014/10/24
最終更新日: 2022/11/03

こんにちは。バラ十字会日本本部の本庄です。板橋では、昨日から冷たい雨が降りつづけています。日に日に寒くなっていきますね。

いかがお過ごしでしょうか。

バラ十字会日本本部代表、本庄のポートレイト

突然ですが、あなたは、一重まぶたでしょうか、二重まぶたでしょうか。

10月の初旬にバラ十字会の国際会議があり、そのときに気づいたのですが、世界各国から集まった多数の出席者は、私を除いて全員が二重まぶただったのです。

インターネットで調べると、白人や黒人のほとんど全員が二重まぶたなのに対して、日本人は全体の7割が一重まぶたで、世界でも最も一重まぶたの人の比率が高い国のひとつなのだそうです。

テルマエ・ロマエという映画がありました。漫画が原作で、古代ローマのお風呂の設計師が、はからずも時空を超えて現代日本に来てしまったことから始まる、笑いたっぷりのストーリーです。話の冒頭で、現代日本人の顔をまじまじと見つめながら、「顔が平たい!」と古代ローマ人の役柄の阿部寛さんがつぶやきます。

ある講演のために調べていて分かったのですが、日本に一重まぶたの人が多いのも顔が平たい人が多いのも、日本人のルーツに関わるある同じできごとが原因です。

20~15万年前に話はさかのぼります。現代人であるホモ・サピエンスがアフリカの東部に現れました。この人たちの一部は約7万年前に、より生きやすい土地を求めて、アフリカ大陸を後にします。人類の世界拡散と言われているできごとの始まりです。

そして、ユーラシア大陸の南を通ってインドに達します。そしてそこから、おそらく東南アジアを経て、4万年前には東アジアに、そして3万8千年前には日本列島にたどり着きます。

この人たちが縄文人の祖先です。顔の彫りが深く、ひげは濃く、二重まぶただったと考えられています。北海道に住んでいるアイヌの方々に似たような顔を想像していただけると良いと思います。

縄文式土器
縄文式土器

一方、インドに達した人々の一部は、2万年前にシベリアにも向かったと考えられています。最後の氷河期が終わったのは約1万年前ですので、この当時のシベリアは、とてつもなく寒かったと考えられます。

そして、この極寒の気候に適応するために、この人たちは体が大きく変化しました。体温が発散するのを防ぐために、体はずんぐりとし手足は短くなりました。

凍傷を防ぐために、鼻は低くなり、ひげは薄くなりました。ひげが濃いと、そこに氷がついて皮膚が傷ついてしまうからです。また、眼球を寒さから守るために、まぶたの脂肪が厚くなり、一重になりました。

このような変化は、寒冷地適応と呼ばれます。

寒冷地に適応したこの人たちの一部は、約6000年前にシベリアから中国へと移り、さらに朝鮮半島へと移住し、水田で稲作を行なう技術を身につけ、2300年前に日本列島に渡ってきました。渡来系弥生人と言われる人たちです。

この人たちは、急速に人口を増やすとともに、先住民であった縄文人と混血していきました。その結果、現代の日本人には、寒冷地に適応した弥生人の特徴が表れるようになったのだそうです。しかし、寒い地域は稲作に適さなかったので、東北、北海道ではあまり混血が進まなかったと言われています。

日本には今でも、縄文人の特徴が強く表れている人が多い地域と、弥生人の特徴が強く表れている地域の両方があります。

北海道、東北、北関東、裏日本、北陸、山陰、四国の南側、西九州、南九州、沖縄では、縄文人の特徴が強く表れている人が多く、北九州、瀬戸内沿岸、近畿、東海、南関東には弥生人の影響が強いとされています。

あなたは次のどちらにあてはまるでしょうか。

背がわりに高く、手足が長く、ひげや体毛が濃く、顔の彫りが深く、二重まぶたで、目がぱっちりとしていて、鼻が高く、相撲が強いのは縄文人的な特徴だそうです。

背がやや低く、手足が短く、ひげや体毛が薄く、顔が扁平で、一重まぶたで、目が細く、鼻が低く、野球が強いのは弥生人的な特徴です。

一重まぶたの子供
一重まぶたの子供

ある文化学者によれば、上記のような分類ができるそうなのですが、私たちの体や地域ごとの特徴にも、人類の壮大な歴史の影響が残っているというのは、興味深いことですね。

先ほどご説明したように、日本人の歴史は3万8千年前に始まりました。それに比べれば、弥生人が渡来し大規模な農業を始めたのは、2300年前というごく最近のできごとです。

そのため、私たちの心の深くには、縄文時代のなごり、つまり狩猟採集時代の精神文化のなごりが強く残っています。

バラ十字会の神秘学の学習コースでも取り上げられますが、先住民の精神文化のなごりが、現代人にも強く影響しているということは、世界中に共通することであり、自身の精神性を高めるために具体的な実践をしている人にとっては、ぜひ考えに入れなければならない重要なポイントです。

以前の記事「人類が幸せだった時代を受け継ぐ人々

でも書いたのですが、食物の命に感謝し「いただきます」ということ、「もったいない」と自然の恵みを無駄にしない精神、道具にも魂が宿るという考え方などが、日本ではこのような先住民の精神文化にあたると考えられます。

いかがでしたでしょうか。多少なりともご参考になる点があったと、あなたにお感じいただけていれば、とても嬉しく思います。

それでは、また。

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