こんにちは、バラ十字会の本庄です。

以前のことになりますが、2012年に下記のフェイスブックページを開設したときに、読者の皆さんに喜んでいただこうと、折々に道端の風景を写真に撮ってご紹介することを始めました。道端の風景とは言っても、道路とビルばかりが目立つ東京ですので、どうしても草花や昆虫などの写真が多くなります。
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そして、草花の形の複雑さや巧みさに感心する機会が増えました。
草花の形の複雑さと巧みさ
次の写真をご覧ください。ダリアの花、イタリアンパセリのつぼみ、サクラソウ、開きかけのバラの花です。
これらを見ていると、人にはなかなか思いつかないようなユニークな形に驚きます。そして、いったい、このようなデザインは、どのようなメカニズムでできあがっているのだろうかと思いを巡らすことがたびたびあります。




神聖幾何学とは
神聖幾何学という言葉をお聞きになったことがおありでしょうか。植物だけでなく、動物の体のデザイン、小さなものでは分子から、人体や川の流れ、大きくは大気の循環や銀河系の構造など、自然界や宇宙のあらゆるデザインは幾何学に従っています。
そして、古代ギリシャの哲学者、ピュタゴラスやユークリッドやタレスのような人たちは、古代エジプトの神秘学派から数学を学び、自然界に、数学にもとづいた規則正しさがどのように表れているかを盛んに研究しました。
中世のヨーロッパでは、コンパスと目盛りのない定規だけを使う幾何学が、数学の中でも特に尊い学問だと考えられ、神聖幾何学と呼ばれていました。そして、それが自然界にどのように表れているかを調べることに加えて、建築や他の芸術に生かす研究が行なわれていました。
神聖幾何学の研究には、専門家でなければとても理解できないような複雑なものもありますが、誰にも理解できるものもあります。
そのうちの、最近知ったあるいくつかの事柄が印象的でしたので、ご紹介させていただきたいと思ったのです。
フィボナッチ数列とは
まず準備として、クイズをひとつ解いてみてください。
1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,・・・
この列の55の次にくる数は何でしょうか…
はい、この列では、前の2つの数を加えると次の数になるので、答えは、
34+55=89となります。
この数列は、12世紀のイタリアの数学者フィボナッチが著書「算盤の書」で紹介したので、フィボナッチ数列と呼ばれています。この数列に表れる数はフィボナッチ数と呼ばれています。たとえば、34や55、89はフィボナッチ数です。
フィボナッチ数列と黄金比
フィボナッチ数列の、隣り合う2つの数の比を計算すると次のようになります。

この値は、数列の右に行けば行くほど、黄金比(golden ratio)という値に限りなく近づいていくことが知られています。黄金比は通常ギリシャ文字のΦで表しますが、次の式で定義されています。
Φ = (1+√5)/ 2 = 1.618033988……
Φを表わす数式には、次のように美しいものもあります。

縦と横の比率が黄金比Φである長方形は黄金長方形と呼ばれ、長方形の中で最も美しいとされ、さまざまな用途に用いられています。たとえば古代ギリシャのパルテノン神殿の縦横比はΦになっています。
また黄金比Φは、人体のさまざまな寸法にも表れています。たとえば、へその高さと身長との比、靴のサイズと肘から指先までの長さは、平均的な体型の人では黄金比になるとされています。
黄金比Φは、芸術の構図や建築にも頻繁に用いられています。
一例ですが、下の図はフランスのトロワにある大聖堂の平面図です。Φを利用して設計されていることがよく分かります。

また、次の図は古代エジプトのクフ王のピラミッド(大ピラミッド)の見取り図ですが、その設計にもΦが用いられたのだと推測されます。

参考記事:『ピラミッドの本当の目的という謎|墓説の不具合とどうやって作ったか』
自然界における対数らせん
松かさの鱗片
次の松かさの写真を見てください。規則正しい美しいデザインですね。この写真の中央より、ほんの少し右下のあたりには、柄が付いていた場所があるのが分かります。そこから、鱗片が放射状に並んでいて、外側に進むにつれて右にカーブする「らせん」を描いています。

一方で見方を変えると、この鱗片の配置は、外側に進むにつれて左にカーブする、もっと長い「らせん」を描いていると考えることもできます。
このらせんは、対数らせんという種類のらせんだということが知られています。巻貝、牛の角、低気圧内の雲の形、銀河系の星の分布など、自然界のあらゆるところに、この対数らせんが見られます。
オウムガイの殻
下のオウムガイの殻にも対数らせんが見られます。

渦巻き銀河
下の写真は、歴史上初めて渦巻き構造が確認されたM51星雲です。中心から対数らせん状に腕が伸びていることが分かります。

こちらはスピッツァー宇宙望遠鏡がとらえたM81星雲です。やはり対数らせんをもとにした構造をしています。

スーパー台風
こちらは、巨大な台風です。やはり対数らせんが見られます。

自然界におけるフィボナッチ数列
松かさの鱗片
さて、この松かさの「らせん」の本数を数えてみていただきたいのです。右にカーブするらせんは何本あるでしょうか。左にカーブするらせんは何本あるでしょうか。
次の写真は、それを数えてみた図です。右カーブのらせん(青)は13本、左カーブのらせん(ピンク)は8本あります。いずれもフィボナッチ数になっています。

小さなヒマワリの花の種
このことは、単なる偶然ではありません。その証拠に、次の写真を見てください。小さなヒマワリの花の中央に多くの種が美しく並んでいます。そしてこの種も、先ほどの松かさの鱗片と同じようなデザインに従って配置されています。

写真を拡大して印刷して、ひとつひとつ数えていくと、ちょっと楽しいひとときになります(私だけでしょうか?)。そして、左カーブのらせんが55本、右カーブが34本あり、いずれもフィボナッチ数であることが確かめられます。
大きなヒマワリの花の種
次の写真は、もっと大きなヒマワリの花です。こうなると数えるのは、ちょっとたいへんですが、右カーブのらせんが89本、左カーブが55本と、やはりいずれもフィボナッチ数になっています。

以上、松かさもヒマワリも、数学をしていることが確かめられました。
対数らせんとフィボナッチ数列の関係
対数らせんとフィボナッチ数列には密接な関係があることが知られています。次の図は、この関係を直観的に表わしています。

いかがでしたでしょうか。フィボナッチ数列、黄金比、対数らせんと自然界の構造について、さらに詳しく知りたい方は、下記の書籍をお読みください。著者はバラ十字会国際大学の公認講師を長年務めていたルイ・グロースという方です。
書籍:『図形と数が表わす宇宙の秩序』
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執筆者プロフィール

本庄 敦
1960年6月17日生まれ。バラ十字会AMORC日本本部代表。東京大学教養学部卒。
スピリチュアリティに関する科学的な情報の発信と神秘学(mysticism:神秘哲学)の普及に尽力している。
詳しいプロフィールはこちら:https://www.amorc.jp/profile/
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