投稿日: 2016/07/01
最終更新日: 2023/09/20

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

今日の東京板橋は、やや蒸し暑い日になっています。梅雨明けが待ち遠しいですね。

いかがお過ごしですか。

先週のニュースでは、英国がEU離脱したときの影響がどのようになるかという話がずいぶんと頻繁に取り上げられていました。また国内では、7月10日投票の参議院議員選挙がもっぱらの話題です。

そこで今回は、当会のフランス代表が自身の人気ブログに書いた、「政治について」という記事をご紹介させていただくことにしました。

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バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサンのブログ

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン
Serge Toussaint

記事「政治について」

最初に申し上げておきたいのですが、いつの時代もバラ十字会AMORCは、政治にかかわることなく活動をしてきましたし、今でもそうです。というのも、当会の会員には、きわめて多様な政治的意見を持つ男女が含まれているからです。

また当会は宗教的に見ても、キリスト教徒、ユダヤ教徒、仏教徒、イスラム教徒、いかなる宗教も信仰していない人など、あらゆる人がいます。

これからお話しすることは、バラ十字会の政治についての意見ではありません。そして、あなたに賛同していただきたいというよりは、むしろ、考えるための材料にしていただきたいのです。

政治とは、国や地域や町を、その住民の利益になるように運営する方法です。民主制では、直接もしくは間接的に、選挙でその役割に選ばれた人々がこの仕事を引き受けます。

国会議事堂

残念なことですが、誰もが知っているように、世界中の多くの国が民主制ではなく、多くの場合、武力や不正によって権力を行使する者が決まり、武力や不正によって権力が維持されています。

明らかなことですが、このことはほとんどの場合、住人たちの幸せにとって望ましいことではなく、権力者の野心や個人的利益だけが満たされることになります。

世界の現状では、政治の方法として最も望ましいのは民主制だと考えられます。しかしそれは、民主制が完全であることも、欠点を持たないことも意味してはいません。私は個人的に、民主制には主に次の3つの欠点があると考えています。

1. 民主制は有権者の支持に基づいているので、巧みにねつ造された虚偽の情報や刺激的な弁舌をあやつる政治家に影響されやすい。

2. 投票の結果を気にするあまり、政治家には、人々の義務よりも権利を重視する傾向が生じ、最終的には社会に好ましくない不安定が生じる。

3. 民主制は多くの場合、反対の考え方を持つ2大政党の政権交代によって支えられるため、いずれかが政権についたときに、他の政党の行なっていた政策がしばしば、効果的に継続されない。

私の考えでは、政治を行なう最も良い方法は、他の政党を排除してひとつの政党に権力を割り当てるのではなく、各々の政党が公共の利益のために提案した政策のうちで、最良のものを選択できるようにすることです。

この点で私は、2001年にバラ十字会AMORCが発表したマニフェスト(宣言書)「バラ十字友愛組織の姿勢」(※)の次の個所に深く同意しています。「個々の国において、その国を巧みに運営することができる、あらゆる会派と個人が結束し、ひとつの政府が作られるように促すことが、政治の理想的な方法になることでしょう」。

多様な会派と個人が結束したこのような政府は、社会の公正さと効率と発展の原動力となると考えられます。

※ この宣言書の日本語版は、下記で読むことができます。

バラ十字会AMORCのマニフェスト(Manifesto):宣言書のご紹介

民主制で通常政権交代を繰り返している二大政党を含む、さまざまな政治団体の指導者と運営者が、社会が直面している主要な問題(失業、購買力不足、住宅不足、犯罪など)についての解決策で合意していない限り、それらについての国民の意見はばらばらになり、その解決はより困難になります。

政治が効率的であるためには、政治活動は、意見の分裂ではなく方向のすり合わせに基づくべきであり、そのためには協議、対話、合意の形成が重視されることが必要になります。

理想的に言えば、政治活動は、哲学(philosophy)という語の本来の意味、すなわち「英知を愛する」ことの表れであるべきです。つまり政治家は、自身の決定、発言、振る舞いが、英知に基づくものであるように努力すべきです。

参考記事:「賢者と英知について

バラ十字会AMORCフランス本部代表
セルジュ・ツーサン

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。本稿はそのブログからの一記事。

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いかがでしたでしょうか。プラトンの『国家』をお読みになったことがある方は、その内容を思い起こされたかもしれません。考えてみれば、私たちが政治そのものについて考える機会は、それほど多くないように思います。この文章を、そのようなきっかけにしていただければ、とても嬉しく思います。

次回は、がらりと変わった話題をご提供させていただきたいと思います。
また、お付き合いいただければ幸いです。

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