投稿日: 2018/11/22
最終更新日: 2022/12/09

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

12月が近づいてきました。せわしなく、慌ただしく仕事をしています。

皆さまは、いかがお過ごしでしょうか。

小中学生に読書の楽しさを紹介するブックトークというお仕事をされている、岐阜に住んでいる私の親しい友人から寄稿がありましたので、ご紹介させていただきます。

読んで、とても考えさせられました。

▽ ▽ ▽

記事『一本のクリの木から…』

可児明美
可児 明美

秋は実りの季節、お米や木の実、キノコ、魚などいろいろな収穫がありますが、その中に栗もありますね。

秋の味覚の栗ごはんに、栗きんとん、栗まんじゅうなど、栗のお菓子もおいしいですよね。

病気になってしまった大きなクリの木が切り倒されたむこうに、小さな一本のクリの木が生えていました。(「クリの木の太陽」)

その木の成長を見守っていた公園の管理人のおじさんが、こんな話をしてくれました…

クリの木がどのようにして太陽から栄養を作り出すのか、人や動物や昆虫がどのようにかかわっているのか…

そしてある時、クリの木とおじさんにピンチが訪れたこと…

おじさんとクリの木はどのようにしてピンチをのりこえたのでしょうか?

最後におじさんは、クリの実を子どもたちと食べながら言います。

「わしらは仲間だ。ミミズもカブトムシもスズメもリスも、1本のクリの木から太陽を食べた仲間だぞ!」と。

栗の実

木や草、人も動物も昆虫も、私たちは仲間だ、とおじさんは言いました。

「父は空 母は大地 インディアンからの伝言」に書かれているのは、1854年にアメリカ先住民のシアトル首長から、アメリカ大統領にあてられた伝言です。

今から150年以上前の話ですね。

アメリカ先住民の人々は、開拓者である白人に、先祖代々住み慣れた豊かな土地を取り上げられ、不毛な居留地へと追いやられることになってしまいました…

伝言では、ワシントンの首長が土地を買いたいといってきたが、どうして空が買えるのか、大地を買うことができるのだろうか? との疑問があげられています。

そして最後には、「わたしたちが大切にしたように、この大地を大切にしてほしい、わたしたちが愛したように、愛してほしい」との願いで終わっています。

アメリカ先住民の人々は、どのように自然と関わって暮らしていたのでしょうか?

一方、白い人たちは、どうだったのでしょうか。味わってみてください。

自然がなくては、人は生きていけませんね。

では、生物がすっかり消えてしまったら、どうなってしまうのでしょうか?

「生物が消えた島」には、生物がすっかり消えてしまったある島の、その後の様子が詳しく書かれています。

火山活動によって、インドネシアのクラカタウ島は、島中が火山灰でうまり、谷には黒こげになった木しかない、死の世界になってしまいました。

この島は、それからどうなっていったのでしょうか?

噴火から3年後、13年後…、科学者たちが調査した様子が書かれています。

いろいろな植物や動物が住みつくようになり、森林ができてくるのですが、それでもそこには入ってこられない動物がいます。

それはどんな動物でしょうか?

そしてそこに人間は住めるのでしょうか?

そして森が再び出来上がるまで、いったいどのくらいの年月が必要だったのでしょうか?

森と湖

先ほども「私たちは仲間だ」、と公園のおじさんが言っていましたが、実際のところ、人間は動物に困ってしまうときもありますね。

「人はなぜカラスとともだちになれないの?」には、身近にいるカラスについていろいろなことが書かれています。

カラスって、そもそもどんな鳥なのでしょうか?

どんなところに住んでいるのでしょうか?

カラスは頭がいいって本当かな?

どうして害鳥とされているのでしょうか?

私たちはカラスとどのようにかかわっていったらいいのでしょうか?

身近にみられるカラスについて、詳しく知ってみるのも、おもしろいかもしれません。

カラスのように、害鳥とよばれる生き物がいる一方で、人間が乱獲して数を減らしてしまった生き物を、保護しようとする活動もあります。

「アホウドリに夢中」には、数が減ってしまったアホウドリの保護研究にとりくんだ様子が書かれています。

どうしてこの鳥にアホウドリという名前がついたのでしょうか?

その背景には、とてもやりきれない悲しい事実が隠れていました。

この本の著者は、この鳥のことをアホウドリではなく、オキノタユウという美しい名前で呼ぼうと、呼びかけています。

人と自然とのかかわりについて、いくつかの本をご紹介しました。

いろいろな関わり方がありますね…

あなたは、自然とどのように関わっていきたいですか?

おわり

栗の木

紹介した本

「クリの木の太陽」 文・松岡洋子 大日本図書

「父は空 母は大地 インディアンからの伝言」訳・寮美千子、ロクリン社

「生物が消えた島」文・田川日出夫、福音館書店

「人はなぜカラスとともだちになれないの?」監修・杉田昭栄、農文協

「アホウドリに夢中」著・長谷川博、新日本出版社

△ △ △

ふたたび本庄です。

今朝のニュースで紹介されていたのですが、インドネシアの国立公園の海岸にマッコウクジラの死体が漂着し、その体内から6キロものプラスチックゴミが見つかったとのことです。

目を背けたくなるような、悲しいニュースでした。

宣言書『バラ十字友愛組織からあなたへの訴え』には、環境保護についての当会の見解が紹介されています。

結論の冒頭を引用します。

「以上が、この文章によってあなたと分かち合いたいと、私たちが心から望んでいる考えです。スピリチュアリティの重視と人間尊重と環境保護という方向に向かって、人間は、個人としても集団としても行動を起こすことが、今すぐ必要とされているとバラ十字会は確信しています。しかし、もしこの3つに順位をつけるとすれば、最も優先されるべきなのは環境保護でしょう…」

次のリンクをクリックしてお読みください。

宣言書:『バラ十字友愛組織からあなたへの訴え』(Appellatio Fraternitatis Rosae Crucis)

下記は可児さんの、前回のブックトークの記事です。

記事:『大空を飛ぶ

今日はこの辺りで。

また、お付き合いください。

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