投稿日: 2022/01/21
最終更新日: 2022/08/08

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

昨日は大寒でした。東京板橋でも寒い日が続いていますが、少しだけ春のきざしが感じられるようになってきました。ロウバイ、サクラソウが咲き、河津桜の花のつぼみも大きく膨らんできました。

 

いかがお過ごしでしょうか。

 

当会のフランス代表が自身の人気のブログに、ソウルメイトをテーマにして記事を書いていますので、その翻訳をご紹介します。

ソウルメイトという言葉は、日本と同じようにフランスでも、さまざまに異なる意味で用いられているようです。

▽ ▽ ▽

記事:「ソウルメイトについて」

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

セルジュ・トゥーサン、バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表

 

◆ 日常用いられている意味でのソウルメイト

ソウルメイトという言葉が日常たびたび用いられています。

通常はふたりの人を指し、一緒に暮らしていたり、仲良く寄り添っていたりする人や、とても相性の良い夫婦、固く結ばれた恋人同士などのことを意味することが多いようです。

さらに、ソウルメイトを探しているという表現もよく耳にします。それは、結婚したり深い人間関係を結んだりするために、運命の人が現れるのを待ち望んでいるということを表しています。

このような場合、この言葉の「ソウル」の部分は、魂(soul:ソウル)という人間の非物質的な要素を厳密に意味しているというよりは、「気立て」、「心」というような漠然とした気軽な意味で用いられています。

ソウルメイト(イメージ)

 

◆ 宗教の影響

世界に存在するのは物質的な要素だけだと考え、創造主や魂のような非物質的なものは存在しないと考えている人たちも、ソウルメイトという言葉を用いています。

宗教的な意味や神秘学的な用語を含む様々な表現を、その本来の意味をあまり深く考えることなく多くの人が使用しており、ソウルメイトも実際のところその一例にあたります。このような場合には、その用語の文字通りの意味が、意識されていないことも多いようです。

たとえば、「天使のような人」、「悪魔のようなやつ」、「神童」、「神々しい」、「マドレーヌのように泣く」(訳注)などの表現です。

これらの表現は、さまざまな宗教が昔も今も、多くの人の心理や言葉に影響を及ぼしていることを示しています。

訳注:マドレーヌのように泣く(Pleurer comme une Madeleine.):フランス語で「さめざめと泣く」ことを意味する慣用句。マグダラのマリア(マリア・マドレーヌ)についての聖書の逸話に由来する。

仲良く二羽で蜜を吸うハチドリ

 

◆ バラ十字哲学の観点から見たソウルメイト

バラ十字哲学を深く信奉している人が「ソウルメイト」という表現を用いるときも、それは親密な人間関係のことを指しています。そして、ある人と別の人の魂が、まるで音楽の協和音のように同調しているということが、この言葉によって意味されています。

魂が同調するということは、夫婦や恋人同士にだけ起こることではありません。それは、母と子供であったり、兄と妹であったり、祖父と孫の一人だったり、いとこ同士などにも起こります。

魂の同調は、性別に関係なく、ふたり以上の人間にも起こるので、あらゆる間柄の親族がソウルメイトであることがあり得ます。また、家族ではない友人同士にも、魂が同調するということが起こります。

会話をしている母と子

 

◆ 家族とソウルファミリー

したがってソウルメイトは、同じ家族にすでに属するか、同じ家族に属することになると想定されることが多いようですが、必ずしもそう考える必要はありません。

一方で、「ソウルファミリー」(soul family:魂の家族)という考え方があります。ソウルファミリーを構成している個々の魂は、現在の人生よりも以前から互いに他をよく知っているとされ、同一の家族である場合もそうでない場合もありますが、すでに一回か何回かの人生を一緒に過ごしたことがあるとされます。

また、すべての場合にそうなるとは限りませんが、同じソウルファミリーに属する魂は、今後の人生でも親しい関係になることが多く、この場合も、同じ家族になる場合とそうならない場合があるとされています。

そのときには、まるで「偶然」というものが作用したかのように、魂同士が再び接近し、家族として、あるいは親しい知人として、人生を過ごすことになります。

すると、ソウルメイトは、同じソウルファミリーに属すると考えることができます。

2匹のアゲハチョウ

 

◆ すべての人間は一体であり、同じソウルファミリーである

これからご説明するように、最も広い意味ではソウルファミリーという観念を、すべての人にあてはめることができます。

バラ十字会が提唱していることのひとつですが、この地上で生活しているすべての魂は、普遍的ソウル(Universal Soul:宇宙の魂)から発したものです。そう考えると、すべての魂は、その源泉と本質が理由で兄弟姉妹であると言うことができます。

個々の魂が独自の性質を持っているのは、スピリチュアルな意味での進歩の段階が異なるからであり、また、宿っている肉体が異なるからです。

このように考えると、すべての人間は、唯一で同一のソウルファミリーに属していると考えることができます。私はこの観念を望ましいことだと思っていますが、残念なことに、人類全体を同一の家族とみなしている人は、それほど多くはありません。

そのため、紛争や戦争が世界を荒廃させているだけでなく、自分の家族、グループ、民族、地域社会、国などに属していない人たちを拒絶する傾向が、多くの人に見られます。

 

 

◆ 人類の友愛

先ほども述べたように、私たちの魂は普遍的なソウルに由来し、そのためすべての人の間には、魂の源泉が同じだという絆があると考えることができます。

さらに、定められた同じ運命、つまり、自身の貴い性質に徐々に気づき、多数回の人生という長期的な進歩のプロセスの最後に、普遍的なソウルと再統合するという運命を共有していると、バラ十字哲学は考えています。

ですから、この立場から言えば、人類の友愛は一種の精神的立場などではなく、人間と人生を説明している存在論の結論だと言うことができます。

この見解を取り入れるならば、私たち人間はすべてソウルファミリーだと言うことができます。そして、地球全体を自分たちの国だと見なし、すべての人を自分たちの家族だと考えることができます。

様々な国の子供たち

 

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

△ △ △

ふたたび本庄です。

 

この記事を読むと、ソウルファミリーという考え方が、転生説(生まれ変わり説)と深く関連していることがわかります。

転生説は、当会の通信教材でも詳細に扱われるテーマのひとつになっています。

古代インド人、古代エジプト人、古代ギリシャ人を初めとして、プラトン、キケロ、聖ヒエロニム、ルーミー、ベンジャミン・フランクリン、ヘーゲル、エマーソン、ブラヴァッキーなど、古今東西のさまざまな人が、このことをどのように考えてきたかが紹介されます。

 

下記は、前回のセルジュ・ツーサンの記事です。

参考記事:「子供のいじめについて

 

では、今日はこのあたりで。

また、よろしくお付き合いください。

 

追伸:メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」に、こちらから登録すると、このブログに掲載される記事を、無料で定期購読することができます(いつでも配信解除できます)。

コメントは受け付けていません。

無料体験のご案内ご入会申込