119番にまつわる話し

つい先日、1月30日のお昼に近い頃のことです、軽いめまいに襲われました。
私はいつものことだ、すぐに治まるだろう。
ところが今回は治まるどころか立っていられなくなり、目の前がグルグルと廻り始めました。まるで遊園地のメリーゴーラウンドを目前で見ているような状態です。ついに119番のお世話になることになり、以前にマイコプラズマ肺炎でお世話になった総合病院に搬送されることに……。

病院に到着するとすぐにベッドに寝かされ、医師から「MRIの検査をしますからしばらく待ってください」と言われ、そのままの状態で待つことになりました。
すると、次々とケガ人や急病人が救急搬送されてきました。
まあ、私もそのうちの一人ですけれど……。
すると突然に隣りのベッドからカーテン越しに聞き覚えのある声が聞こえてきました。私と同じく救急搬送されてきた男性の方なのですが、声質としゃべりのアクセントが高校からの友人のK君そっくりでした。そのときは本人に違いないと思いました。
彼とは高校卒業後は、たまにしか会う機会はありませんでした、最後に会ったのは何年前だったでしょうか。
私は思わず「お〜い俺だ、山下だよ。お前さんどうした?」。声を掛けそうになった次の瞬間に、ハッとしました。
実は友人のK君は三年ほど前に亡くなっているのです。
そのとき、「もしかすると、自分は本格的に危ないことになっているのではないか!!」と思いました(ドキッとしました)。
後で知ったのですが、こういった状況のときにはよくあることなのだとか。
どうなるのだろうと思いながらMRIの検査を受けました。
結果は「脳も血管も異常は見受けられません」。さらに続けて「明日、耳鼻科での検査と診察を受けてもらいましょう。今日のところは起きて歩けるようでしたら帰ってもよろしいですよ」と。
「それでは帰ります」と言って上半身を少し起こしたところ、またもや目の前が遊園地のメリーゴーラウンド状態に。
当然のことですが、医師から「2,3日ほど入院しましょう」と。
その後は点滴注射を受けながら目を閉じてベッドの上で、ぼ〜っとしていました。

するとなぜか、昔に聞いた119番通報に関わる話を思い出していました。
私が地元の消防団に所属していた頃の話です(三十代の頃)。
その時に所属していたのは第一分団三部。その時の私らの分団の通称名が「大酒飲みの三部」でした(笑)。
毎年、春と秋に慰労会が行なわれていたのですが、その際に地元消防署に来賓の招待をするのですが、その時に署内では「三部の連中との酒飲みは付き合いきれない、勘弁してくれ」と言われていたのだとか……定かではありませんが(笑)。
といったことで来てくれる方は署内でも一番の酒豪と云われていた副署長のT氏でした。
そのときにT氏が私等に話してくれた119番通報にまつわる話です。
ある日のことです、就学前と思われる幼い子供の声で119番通報が入ったのだそうです。
落ち着いた声で「お母さんがお腹痛いって言ってる、動けないの、すぐ来てください」だったのだそうです。続けて住所と名前もしっかりと告げたのだそうです。
通報を受けた署員は一瞬、何ごとかと思ったそうです。
しかし、「幼い子供」「母親」「お腹が痛い」「動けない」。もしかすると……。ぱっとひらめいたのだそうです。
すぐに救急出動の指令を出したのだそうです。
そのとき出動する救急隊員に、「臨月を迎えた妊婦が突然に産気づいた状態となり動けなくなっていると思われる、そのことを念頭に置いて行動するように」と伝えたのだそうです。
予感は的中しました、すぐに産科病院に搬送、しばらくして無事に出産されたのだそうです。
この報告を受けた副署長のT氏
これはぜひとも話を聞かねばならぬということで母親に面会に行ったのだそうです。
まずは「おめでとうございます」。次に「大したお子さんですな〜立派なもんです」。
すると母親が「我が家では今回のような、もしもの時に備えて子供に緊急時の電話の使い方を教えていたのです。今回はそれが役に立ちました、この子に命を助けられました」と。
話を聞いた私ら全員「良い話を聞かせてもらいました、しっかりしたお子さんですね~」。

すると副署長、私らをぐるりと見渡し「ところで皆さん方。もしもこういった緊急事態に遭遇したとき、このお子さんのように冷静沈着に行動できる自信を皆さんお持ちですかな?」。
これには私ら全員、口を揃えて「無理で〜す!!」。もちろん冗談ですが(笑)。
すると副署長、大きな太鼓腹を揺すりながら「オイオイ、これじゃ皆さん方全員が消防団員を失格だよ、アッハッハー」。
さて、突然のめまいで入院させられた私の話に戻りましょう。
入院翌日に受けた耳鼻科の診察結果です。
「病的な原因はなにも見当たりませんね」。
では何ですか?と問えば「良性発作性頭位めまい症の発作が起きたのだと思われます」と。
良性発作性頭位めまい症とは耳石がはがれ落ち三半規管に入り込むのが原因なのだとか。
危険な症状ではないということでした。さらに運動療法で対処できるということでその方法を教えていただきました。
「それではすぐに、今日にでも退院させてください」と言ったところ、「駄目です、もうしばらく安静に願います!!」。
それでも、翌日には何とか退院させてもらいました。
家族からは「良い休養になったのでは?」と言われましたが(なにしろ今年は雪が多い)。
そうでもありませんでした。
入院の際に病院側から「血圧降下剤を服用しておられますね」と聞かれ、素直にハイと答えると入院中は究極の減塩食……でした。
良性発作性頭位めまい症は誰にでも起こり得る症状なのだそうです。予防と対処法のコピーをいただいてきました。
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執筆者プロフィール
山下 勝悦
1947年11月22日生まれ。山形県村山市在住。バラ十字会日本本部AMORC理事。 おやじバンドでの演奏と地元のお祭りをこよなく愛し、日常生活の視点から、肩ひじの張らない神秘学(mysticism:神秘哲学)の紹介を行っている。