投稿日: 2014/09/19
最終更新日: 2023/11/17

こんにちは。バラ十字会日本本部の本庄です。東京板橋では、朝晩はもう肌寒いぐらいです。さまざまな所でヒガンバナが見られるようになりました。いかがお過ごしでしょうか。

バラ十字会日本本部代表、本庄のポートレイト

ある民俗学者によると、土用の丑の日にうなぎをたべるのも、正月に門松を立てたり羽根突きをするのも、五行思想という古代中国の哲学の影響だそうです。この五行とは、木、火、土、金、水のことです。

古代ギリシャにもこの五行思想ととてもよく似た四大元素という考え方があります。四大元素とは地、水、風、火のことで、手短に言えば、自然界は4という数を基にして、生命は5という数を基にして設計されているという考え方です。

当会のフランス代表のセルジュ・ツーサンが自身のブログで、この四大元素と古代哲学と錬金術について書いているので、その文章をご紹介させていただきたいと思います。

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バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサンのブログ

記事「四大元素と古代哲学と錬金術」

バラ十字会AMORCフランス代表セルジュ・ツーサン

Serge Toussaint

地、風、水、火という四大元素をあなたもご存じのことと思います。これらは、自然界に見られる4つの主な要素をごく平凡な言葉を用いて示したものです。地とは、土とそこに含まれるさまざまな鉱物のことであり、風は、大気に満ちている精妙で流動的なエネルギーのことであり、水は、小川や大河や海などのことです。

火は、光と暖かさをもたらしてくれる太陽を指しますが、それだけでなく、激しい嵐の空を切り裂く稲妻や、乾燥した平原を焼き尽くす炎も意味します。あらゆる生き物が地上で生きていられるのは、これら4つの要素が調和して存在しているおかげです。

四大元素に哲学者、特に古代ギリシャの哲学者たちは強い関心を抱き、この4要素が全体として、自然界や宇宙はもちろん、天地創造においてさえ大きな役割を果たしたと考えました。哲学者タレスの考えでは、4つの中でも最も重要なのは水でした。アナクシメネスは風が、エンペドクレスは火が最も重要であるとしました。

しかし、これらの哲学者は、四大元素が、見ることも触れることもできないあるひとつの気体、つまり、エーテルと呼ばれる第5の元素から生じたと考えていました。彼らによればエーテルとは、神から直接流出した要素であり、万物がそこから出現した原初の大気です。ピタゴラスはこの原初の大気のことを「神聖なるテトラクテュス」という名で呼び、最初の4つの数、1、2、3、4を象徴する図形で表しました。

ラファエロの「アテナイの学堂」に 描かれたピタゴラス
ラファエロの「アテナイの学堂」に
描かれたピタゴラス

四大元素について深く研究を進めた人にアリストテレスがいます。四大元素には、春夏秋冬などの他の4要素が対応すると言い伝えられていますが、そのような対応を私たちが知ることができるのはアリストテレスのおかげです。土は西と秋に対応し、冷と乾の組み合わせとされます。同様に風は東と春、温と湿、水は北と冬、冷と湿、火は南と夏に対応し、温と乾の組み合わせです。

彼はまた、四大元素の一つひとつは、人の感覚に関連するとし、人間を通して気質として現れると考えました。土は触覚に対応し、神経質さを表します。風は聴覚に対応し血気盛んな気質、水は味覚に対応しおおらかさ、そして火は視覚に対応し怒りっぽさを表します。

時代が下り中世に入ると、ヨーロッパでは錬金術師たちが、さらに詳しい対応を作りました。しかし、この対応が活用されたのは主に宮廷芸術でした。彼らの影響によって四大元素は、硫黄、塩、水銀が象徴する錬金術の三原質と結びついて、自身の潜在意識を変化させる技法の基礎になりました。

この技法の目的は、鉛や錫といった卑金属で象徴される人間の卑しい性質を、純金で象徴される美徳に変えることです。錬金術師たちはまた、4つの元素を人間という存在の4つのあり方に関連づけました。土は肉体、風は精神、水は魂、火は生命力とそれぞれ結びつけられました。

ロバート・フラッドによる 四大元素のピラミッドの図
ロバート・フラッドによる
四大元素のピラミッドの図

バラ十字会では四大元素を、さらに2つの方向から捉えています。まず物質的にいえば、それは地上の世界の根本要素、つまり原子のことであり、元素周期表という言葉の場合と同じように、単に「元素」という言葉を用いる方が一般的です。元素周期表は、現在までに発見され分類されたすべての原子を分類し配列したものです。

一方精神的な意味では、バラ十字会は四大元素のことを、ある神秘家が未熟な初心者の段階から達人のひとりとなるまでに通過していく、秘奥の知識の伝授の主な4つの段階にあたると考えます。四大元素とこの4つの段階の間の対応は、バラ十字会が提供している学習で深く探究される事柄ですが、残念ながらこのブログの範囲では、これ以上お伝えすることはできません。

バラ十字会AMORCフランス本部代表
セルジュ・ツーサン

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著書であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。本稿はそのブログからの一記事。

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いかがでしょうか。自然界や人間の4つの要素について、少しでもあなたに興味をお持ちいただけたなら、心から嬉しく思います。

それでは、また。

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