投稿日: 2015/03/27
最終更新日: 2022/11/03

 

こんにちは。バラ十字会日本本部の本庄です。東京板橋でも、サクラが咲き始めました。うららかな春に、気持ちがはずみます。

いかがお過ごしでしょうか。

 

さて、現代の日本では、かなりご年配の方や、仏教関係の方を除けば、「業」(ごう)という言葉は、あまり使われることがなくなりました。広辞苑などを引いてみると、この「業」という言葉を含む多くの表現があり、昔の人の多くには、この考え方がとても身近なものであったことが見て取れます。

「業」という語の元になっているのは、サンスクリット語の「カルマ」だそうです。フランスなどでは、東洋思想への興味の広がりから、日本とは反対に若い人たちが「カルマ」のことを、ひんぱんに話題にするようになっているとのことです。

業とかカルマとかいうと、ずいぶんと深刻で暗いイメージを連想しがちですが、専門的にはそうではなく、幸せや成功にも関連している哲学的なニュートラルな説です。

当会のフランス代表のセルジュ・ツーサンが、自身のブログで、このカルマについて説明していますので、以下にご紹介させていただきたいと思います。

 

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バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサンのブログ

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン
Serge Toussaint

 

記事「カルマについて」

 

「カルマ」という言葉を、日常的に、特に若い人たちの口から聞くことが珍しくなくなりました。しかし、この語はしばしば、ややずれた意味で使われていたり、時には、まったく的外れな意味に解釈されています。

まず、カルマという語は、サンスクリット語が元になっていて、「作用と反作用」を意味していることを心に留めて置いていただくのが、ご参考になることと思います。

カルマという考え方は、多くの東洋の思想の核心に位置していて、人は誰もが個人として、自分がまいた種に応じたものを、遅かれ速かれ刈り取ることになるという事実を表わしています。そして、過去のさまざまな賢者が、このことを異なる形で教えていました。

 

 

カルマという言葉は、多くの場合、否定的な意味合いでしか使われていません。

つまり、問題や困難や試練に、人生のある時点で出くわすことになったとき、その理由の説明として使われることが一般的です。しかし、利益や喜びや成功もまた、カルマの法則の結果として表れます。

一般に「幸運」とか「不運」と呼ばれていることは、通常思われている以上に多くの場合に、過去の自分の選択や振る舞いから生じています。ですから、幸運は意図的に手に入れなければなりませんし、不運は避けることができます。

バラ十字会員の多くは、このことを理解し、日々の生活で自分の自由意志を最善の方法で用いることに努めています。

 

 

では、私たちが生きていて出くわす試練や問題のすべては、否定的なカルマ、つまり、自身が過去に行った悪事の影響から生じているのでしょうか。

いえ、そうではありません。世界の物質面には、さまざまな困難が本質的に含まれているので、実際のところ、そのような困難に出会うことなくこの世を生きていくことは不可能です。

さらに、「埋め合わせの法則」、「信賞必罰の法則」、「見返りの法則」などと呼ばれることもあるカルマの法則は、処罰を与えるためのものではなく、天秤で量るような評価の働きです。

つまり、日々の生活で体験することと、考えたり語ったり行ったりすることの間に存在する関係に注目することを促し、私たちを精神的に成長させることが、カルマの法則の目的です。

カルマの法則によって、何が正しい行いで何が間違った行いかということを、私たちははっきりと実感できるようになり、私たちの責任感は、洗練されたものになっていきます。

天秤と本と時計のアンティーク

 

これらのことは、形而上学や精神の深奥の領域に属することなので、多くの人たち、特に神が存在しないと考える人たちは、カルマの法則を否定します。そして、個人の運命は、偶然と周囲の状況によって決まると考えます。

もちろん、何をどう考えることも個人の自由ですが、しかし、ある法則を否定したからと言って、その法則が働くことが妨げられるわけではありません。このことはカルマの法則にも当てはまります。

ある人がカルマの法則のことを信じようと信じまいと、この法則は、個人の精神の進歩に働き、運命の大枠を決定して、本人が気づかなくても、短期的にも長期的にもその人の内面を鍛え上げていきます。

別の側面から言うと、カルマの法則とは、人がどのような状況で生きるのかということを通して表わされる宇宙の正義だということもできます。

 

 

人の目から見ると、人生は不公平だと感じることが多いのは事実でしょう。自分は十分に善良だと思っているにもかかわらず、困難や試練を経験している多くの人がいます。一方、不誠実で悪賢い人が、幸せで快適に“思われる”生活をしていることもあります。

しかし、ここでキーポイントになるのは、この“思われる”という部分です。なぜなら、お金や所有物に恵まれていることだけでは、幸せのためには十分ではないからです。そして、どのみちこのような人たちの生活にも、遅かれ早かれ、この人生か、次の人生かは分かりませんが、カルマの法則が働くことになります。

そのとき、これらの人たちは、さまざまな挫折を体験し、長期にわたって苦しみ、その後に、正直、親切、忍耐、勇気などからなる人間の気高さに目覚めることになります。

バラ十字会AMORCフランス本部代表
セルジュ・ツーサン

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著書であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。本稿はそのブログからの一記事。

 

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いかがでしたでしょうか。参考になる部分があったと、あなたに少しでもお感じいただけたなら、心から嬉しく思います。

 

それでは、また。

 

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