投稿日: 2016/08/26
最終更新日: 2022/11/24

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

東京板橋では、ミンミンゼミに代わってツクツクボウシの鳴き声が増えてきました。トンボもそこここで見られるようになり、秋が近いことが感じられます。

そちらはいかがでしょうか。

さて、以前に、ヒマワリの花のタネや松ぼっくりの鱗片の配置が、見事に数学に従っていることをご紹介させていただいたことがあります。

参考記事:『数学する植物

自然界に表れているこのようなデザインの研究は神聖幾何学(sacred geometry)と呼ばれることがあります。古い時代からこの研究は、建築や美術に活用されてきました。

この神聖幾何学について、バラ十字会AMORCのフランス代表が自身のブログで書いていますので、今回は、その翻訳をご紹介いたします。

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バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサンのブログ

記事「神聖幾何学について」

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン
Serge Toussaint

神聖幾何学という考え方は、古代ギリシャの哲学者ピュタゴラスにまでさかのぼることができます。ピュタゴラスは「時の始めに、神は幾何学をしていた。」と語ったと言われています。また、神のことを指す「宇宙の偉大な建築家」という表現も、彼が最初に口にしたものだとされています。

ギリシャ神話から分かるように、この時代の公式の宗教は多神教でしたが、ピュタゴラスが一神教を信奉していたことが、これらの言葉に表れています。彼は「テトラクティス」と自身が呼んでいたものと神を同一視していました。

テトラクティスとは、宇宙の根本原理であり、最初の4つの自然数(1,2,3,4)を加えてできる数10がその象徴とされていました。ピュタゴラスは、神聖な数学によって万物には秩序が与えられており、神聖な幾何学によって万物の配置が定められていると考えていました。

現代では、約138億年前に起こった大爆発(ビッグバン)によって宇宙が生じたと、天文学者や天体物理学者の大部分が考えています。この爆発の最も初期の宇宙は、ほんの原子ほど大きさの、莫大なエネルギーが集中した点だったそうです。

その後すぐに宇宙には物質が生じ、空間の中を膨張していきました。そしてついには、無数に多くの恒星と惑星を含む無数に多くの銀河が誕生しました。

このような宇宙の歴史は、想像することさえ難しいほど壮大なものであり、それ自体が神秘の中の神秘です。私たち人類がそこから生じたと考えると、この思いはさらに深まるのではないでしょうか。

辞書によれば幾何学とは、空間における形や配置を研究する学問です。銀河や星雲や恒星、一般的に言えば数々の天体は、一見したところでは宇宙を雑然と満たしているようですが、実際には規則正しく配置されており、ピュタゴラスの言葉を借りれば、「知性を持つ配置役」の影響のもとにあります。

古代ギリシャの哲学者たちは、宇宙のことを「コスモス」と呼びましたが、この言葉は「整然と配置された万物」を意味します。彼らは宇宙を3つの世界に分類しました。マクロコズム(天体が存在する宇宙)、ミクロコズム(微細な要素でできている宇宙)、メソコズム(その中間である自然界)です。

古代ギリシャの哲学者たちは、これらの3つの宇宙が神聖幾何学に従っていると考え、その理由は、宇宙の創造が神の思考「ロゴス」(le Logos)によって計画されたためだと考えました。

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天体望遠鏡や顕微鏡を使って、マクロコズムやミクロコズムの姿を私たちは観察することができますが、その形や配置は、乱雑でもでたらめでもありません。多くの銀河はらせん形をなし、多くの惑星はほぼ球形をしていて、楕円軌道を描いて運動しています。

私たちの地球も、地形や風景に幾何学的な調和が表わされていて、「神聖な」(sacrée)などという言葉ではとても言い尽くすことができない見事さです。自然界が見せてくれる秩序と美しさには、徹底的な物質主義を信奉している人でさえ驚嘆をせざるを得ません。

雪の結晶の構造、巨大な杉の木の枝のバランス、巻き貝のらせん、人体のバランスの取れた発達や、言うまでもありませんが、さまざまな花の形や配置を見ると、神の行いではないとしても、自然は、鉱物界、植物界、動物界のいずれでも、自身の作品を規則正しい形と配置にしようとしているように思われます。

そして多くの場合に自然は、黄金数(1.618…)に基づいた神聖な数学を用いています。このことから私たちは何を理解すべきなのでしょうか。人類の作り上げた極めて美しい作品、特に、建築、彫像、絵画などにも、「神聖な数」とされることもあるこの黄金数が、さまざまな方法で用いられています。

バラ十字会AMORCフランス本部代表
セルジュ・ツーサン

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。本稿はそのブログからの一記事。

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いかがでしたでしょうか。自然界に見ることのできる美しさの原因は何なのか、なぜ私たちはそれに心を打たれるのかを、この機会に思索されてみてはいかがでしょうか。

次回もお付き合いいただければ嬉しく思います。ではまた。

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