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立ち食いそば屋のおばちゃん

2018年8月24日


 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

 

東京板橋は、昨晩から台風の影響で突風が吹いていましたが、昼過ぎから落ち着いてきました。

そちらは、被害はありませんでしたでしょうか。

 

 

今回は、山形県に住む私の友人の山下さんから寄稿していただいた文章をお届けします。

 

▽ ▽ ▽

 

記事:『立ち食いそば屋のおばちゃん』

バラ十字会日本本部AMORC 理事 山下勝悦

バラ十字会日本本部AMORC 理事 山下 勝悦

 

「いらっ…しゃい…ませ~」、「ありが…とう…ござい…ました~」。文字で表現しようとすれば、こんな感じになるのでしょうか(笑)。

 

今回は東北地方の某駅構内にある……、正確には……あった、立ち食いそば屋さんでの話です。その頃、その町で定期的に開催されていた会合に参加するためにJR線を利用、この駅に降りていました。駅に着くのがお昼少し前、会合の開始時刻までにはあまり余裕がありません。そこで、偶然見つけた「早い・安い・〇〇い(?)」だろうと思われる(失礼)、立ち食いそば屋さんに入ることに。店内に一歩足を踏み入れると、女性の声で、冒頭で紹介した間延びした声が……。

立ち食いそば屋の暖簾

 

これには私「おいおい、ここは一分一秒でも時間を惜しむ人たちが来る店だろう? こんな伸びソバのような挨拶するおばちゃんのいる店はごめんだよ(笑)…別の店行こうか?」。一瞬考えたのですが、「ん…まてよ、もしかすると、ここは面白いかも…」。早速、おばちゃんと客人の観察開始です(今さらながらですが、ごめんなさい)。

 

さて、この“おばちゃん”の風体ですが、長い髪を頭上高くにきれいに結い上げ、上品な和服に真っ白な割烹着。もし割烹着を身に着けていなければ、一見どこぞの社長夫人? といった雰囲気(もしかすると、だったかも…?)の上品なおばちゃん(この場合、ご婦人…か)。さらに、のんびりしたしゃべりとは裏腹に、一連の動作に無駄な動きが全くありません。注文の受け応え、ソバを茹でる手際の良さ、来る客、帰る客に絶妙のタイミングでの「いらっしゃいませ・ありがとうございました」の声掛け。

さて、私もでしたが、店に入って来るほとんどの客は、皆さん一分一秒を惜しむような険しい表情で入ってきます。ところが、店に入るやいなや、おばちゃんの声にいきなりペースを乱され(笑)、一瞬にして穏やかな表情に……。さらに、店の中では時間がゆっくりと流れている様な気が……。ちなみにソバは……、大変美味しうございました(感謝)。

コロッケ蕎麦

 

私はその後もこの駅に来るたびに通っていたのですが、会合の終了と共に行くことがなくなってしまいました。それから数年後、この町に来る用事ができました。駅に着きホームに出ると、それっとばかりに件の店に直行、ところが構内は完全に様変わり、店の場所が分かりません(私、方向音痴なものですから)。

やっとたどり着いて見れば、なんと店は撤去され、ガランとした空間に。その時ふと思いました「あれ…こんなに狭かったの?」。一瞬後「そうか…、あの“おばちゃん”の声が店内を広くしてくれてたんだろうな~」。

 

それにしても、あの“おばちゃん”は何者だったんでしょうか…? もしかすると、私らの住んでいる地球よりもゆったりと時間の流れる平和な暮らしの惑星から来た異星人だった……のかも(笑)。

 

△ △ △

 

再び本庄です。

 

かなり昔のことになりますが、川崎駅の西口にある工場に勤めていたことがあります。その工場から100メートルほど離れたところに、同僚とよく立ち寄った飲み屋さんがありました。数十年ぶりに訪ねてみると、再開発で、道ごと姿を消していました。

この文章を読んで、そのときの喪失感を思い出しました。

 

下記は前回の山下さんの記事です。よろしければ、こちらもどうぞ。

参考記事:『猫の恩返し

 

今日はこの辺りで。

また、お付き合いください。

 

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