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子供の教育について

2018年12月26日


 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

年の瀬もいよいよ押し迫ってきました。

 

いかがお過ごしでしょうか。

 

 

当会のフランス代表が、ちょうど一週間前に自身のブログに、子供の教育について文章を書いていました。翻訳しましたので、今回はそれをご紹介させていただきます。

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子供の教育について

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

 

最初に指摘させていただきたいのですが、子供の教育には2つの種類があり、区別して考えないと混乱が生じるように思います。

第1の種類の教育は、主として学校の教師によって行われていますが、理論的な知識や実際的な知識を教えることであり、この知識によって子供は、学校教育のその後のカリキュラムを学び続けることができ、その後に、社会生活や職業で役割を果たすことができます。

第2の種類の教育は倫理観を育むことであり、このことによって子供は、社会の中で敬意に値するふるまい方をすることができるようになります。この教育は、両親など、その子を育てている人の義務であり責任です。

残念なことに大人の一部は、この役割を適切に果たすための基準を持ち合わせておらず、その役割を放棄しています。

 

私たちが子供に必ず教えておかなければならない社会的な価値とは、どのようなものでしょうか。私の考えでは最も重要なことは、社会生活の調和を保つために必要不可欠である、他の人たちを尊重するという態度です。

このようなことを言うと、ちょっと時代遅れな人だと思われてしまうかもしれませんが、「おはようございます」、「さようなら」、「すみませんが」、「ありがとうございます」などの多くの便利な言葉があり、このような言葉によって、人と人との好ましい関係が支えられていますので、これらの言葉を適切に用いることができるように子供たちを訓練しておくべきです。

同様に、目の見えない人が道を渡ろうとしているときには助ける。年配の人が重い荷物を持っていたら代わりに運ぶことを申し出る。電車やバスでは必要としている人に席を譲る。公共の乗り物や会議では携帯電話をマナーモードにする。これらの事柄は、子供が必ず知っておかなければならない社会的な振る舞いだと私は考えています。

バスに乗る高齢の女性を助ける、親切な小学生の女の子

 

私たちが子供に伝えておかなければならない倫理的な価値観は、かつては「道徳」と呼ばれていました。

「かつては」とあえて言ったのは、「道徳」という言葉が長い歳月の間に宗教を強く連想させる語となってしまい、今では、「道徳」という言葉を口にしただけで、何か「ウソっぽい」ように感じられてしまい、拒絶さえ受けるようになっているからです。今日では、不道徳とまではいかなくても、道徳をあまり重要視しないことが流行にすらなっています。

しかし道徳とは、宗教的な意味ではなく哲学的な意味で言うならば、自分と他の人と環境を尊重することを単に意味します。このような意味の道徳であれば、どのような宗教を信仰していても、あるいは無宗教であっても、また、政治的にどのような意見を持っていても、あらゆる人が認め同意することができるのではないでしょうか。

子供の小学校での学習風景

 

しかし私の考えでは、教育にはさらに「スピリチュアリティ」(訳注)と呼ぶことのできる高度な要素が含まれているべきだと思います。具体的に言えば、そのような教育の目的は、忍耐、勇気、謙虚さ、寛容、誠実さ、寛容、非暴力などの資質を、子供の心に目覚めさせることです。

実際のところ、これらの資質こそが人間を、価値と威厳ある存在にしています。ソクラテスは「道徳哲学の祖」であると考えられていますが、これらの資質のことを「美徳」(virtues)と呼び、その中には魂の性質が表れているのだと考えました。

彼はまた、すべての人は、これら美徳のすべてを秘められた状態で所有しており、それが振る舞いに表れるためには、それを外に発揮することだけが必要なのだと考えていました。

17世紀のバラ十字会員のコメニウスはこう語っています。「幼年期から成人期へと移行するために、教育が施されなければならないのは個人だけではありません。人類全体にこそ教育が必要なのです」。

読書する母と子

 

訳注:スピリチュアリティ(spirituality):通常「精神性」、「崇高さ」などと訳される。最近では多くの場合、特定の宗教と関係しない、心の深奥にある善良さと美しさと正しさを指すことが多い。

コメニウス(John Amos Comenius、1592-1670):モラビア(チェコ東部)生まれの教育学者。「近代教育学の祖」、「ユネスコ精神の生みの親」と呼ばれる。

参考記事:『マララ・ユスフザイさんとコメニウス

 

ほとんどすべての親が子供のことを愛し、感情的にも物質的にも子供が幸せになるように努めます。

しかし子供に渡すことのできる最良の遺産は、この世を離れた後にやっと贈ることができる品物やお金ではなく、子供の心に刻むことができる価値観です。

これらの価値観は売り買いすることはできませんが、最良の教育は経済的な手段というような問題ではなく、意志のあり方についての教育ではないでしょうか。そしてこのような教育は、それ自体が最高の贈り物であり、子供への愛の最も美しい証明だと私は考えます。

ハイキングする男の子と父

バラ十字会AMORCフランス本部代表
セルジュ・ツーサン

 

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

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再び本庄です。

上の文章の「道徳をあまり重要視しないことが流行にさえなっています」という個所に、私はかなりのショックを向けました。日本はフランスに比べて、この点に関しては状況がそれほど悪くないのかもしれません。

 

下記は、前回紹介したセルジュ・ツーサンの文章です。ご参考まで。

正義について

 

では、今日はこの辺で。

来週の金曜日(1月4日)は掲載をお休みいたしますので、次回の記事は1月11日になります。

また、お付き合いください。

 

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