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ブックトーク「雪」

2019年2月1日


 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

昨晩遅くに、東京板橋では冷たいみぞれが降っていました。北関東では雪が積もったようです。

 

寒いですね。いかがお過ごしでしょうか。

 

小中学生に読書の楽しさを紹介するブックトークというお仕事をされている、岐阜に住んでいる私の親しい友人から、この季節にふさわしい寄稿がありました。

▽ ▽ ▽

ブックトーク「雪」

可児明美

可児 明美

 

日本列島の北の方では、雪がたくさん降っているとニュースで言っていました。今回は、雪にまつわる本をご紹介します。

 

みなさんは、降ってきたばかりの雪を間近でじっくり見たことはありますか? とてもきれいな形をしているはずです。

じつは雪の正体は、氷の結晶です。気温や湿度のちがいでいろいろな形に成長します。六角形が基本になっていますが、じつにさまざまな形があります。

『雪の一生』には、雪がどのようにしてできるのか、樹氷や雪の結晶のひみつなど、雪についていろいろなことが書かれています。

雪の中のエゾリス

 

そんな雪の結晶の美しさに夢中になってしまった人がいます。『雪の写真家ベントレー』

農村に生まれ育ったウィリーは、雪が大好きでした。とうとう、手に入れたカメラと顕微鏡を使って、雪の結晶の写真を撮ることに成功します。

けれども、雪の写真に興味を持つ人はいませんでした。写真なんかいらないよ、と村の人たちは笑っていいました。

けれどもウィリーはいつかきっと、世界中の人が、自分の写真を喜んでくれる日が来ると思っていたのでした。そうして、ウィリーは雪についての研究をずっと続けていました。

 

撮った雪の結晶の写真は、人にあげたり安く分けてあげたりしていました。そのうち雪について書いた文章や写真を雑誌で発表するようになりました。そしてとうとう、ウィリーは専門家として認められるようになっていきます。

1926年までにウィリーが写真のために使ったお金は15000ドル、そして写真やスライドを売って得たお金は、4000ドルだったそうです。

ウィリーは、お金儲けや名声のために雪の研究をしていたのではないのですね。雪と共に歩いたウィルソン・アルウィン・ベントレーの人生、あなたはどう思いますか?

 

ベントレーは美しい雪の結晶の写真をたくさん撮りましたが、『しもばしら』には、しもばしらの写真がいろいろ載っています。

しもばしらは、どこにでもできるものではなく、ある一定の条件でできるのですが、いったいどんな条件のときに、しもばしらができるのでしょうか?

しもばしらを作る実験ものっていますよ。

しもばしら

 

雪の結晶も、しもばしらも、じっくりと自然を観察することから始まりますね。ロシアの森をじっくり観察した人がいます。

『北の森の十二か月』には、森で起きる様々なできごとが書かれています。

冬のある時、凍った湖の上をすべっていたら、スキーの下から歌が聞こえてきました。歌の主を探してみると……。歌の主は、いったい誰だったのでしょうか?

 

雪と言えば、……寒い吹雪の夜にやってくる、ゆきおんなのお話があります。『怪談 小泉八雲怪奇短編集』

 

武蔵の国のある村に、茂作、巳之吉という二人の木こりが住んでいました。

……ある寒い夕暮れのこと、二人は山から帰るとちゅうで、ひどい吹雪にあいました。二人は小屋に逃げ込みました。年寄りの茂作はすぐに眠ってしまいましたが、年若い巳之吉(みのきち)は、なかなかねつかれずにいました。けれどもやがて巳之吉も眠り込んでしまいました。

顔にサラサラと雪があたったのにおどろいて、巳之吉は目を覚ましました。そこにいたのは……。ゆきおんなは、茂作の顔に冷たい風を吹きつけて殺してしまいます。けれども巳之吉の命は助けます。そして「今夜見たことをだれにも言ってはいけない。誰かに言ったらおまえを殺す。」といって去っていきます。

何年かたって、ゆきおんなは大人になった巳之吉のところへやってきます。二人は仲良く暮らします。子どももたくさん授かりました。そして雪の降るある夜のこと、巳之吉はふと、昔のことを思い出します……。寒い冬の夜に、味わってみてください。他にも不思議なこわいお話がたくさんのっています。

Lafcadio Hearn portrait  

小泉八雲(1889年頃) Frederick Gutekunst [Public domain]

 

日本には、ゆきおんながいましたが、イギリスにも、雪の魔女がでてくるお話があります。『ナルニア国物語 ライオンと魔女』

第一次世界大戦の頃のイギリスに暮らす四兄弟が、疎開先のお屋敷の衣装だんすの中を通って、冒険するお話です。

衣装だんすの向こうは、雪の世界でした。白い魔女がナルニアを永遠の冬にしてしまったのでした。兄弟たちは、アスランとともに、魔女の力をくだきます。

ナルニア国物語は全部で七冊あります。それぞれつながっているのですが、一冊一冊がまったく違うお話になっています。兄弟たちと一緒に、冒険の旅にでてみませんか?

 

寒い冬、雪に関する本をご紹介しました。暖かい部屋で、楽しんでみてください。

おわり

紹介した本

『雪の一生』科学のアルバム  片平孝 著、あかね書房

『雪の写真家 ベントレー』ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン作、BL出版

『しもばしら』細島雅代 写真、伊地知英信 文、岩崎書店

『北の森の十二か月』福音館文庫 ニコライ・スラトコフ作、福音館書店

『怪談 小泉八雲怪奇短編集』偕成社文庫 小泉八雲作、平井呈一訳、偕成社

『ナルニア国物語 ライオンと魔女』C.S,ルイス作、瀬田貞二訳、岩波書店

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ふたたび本庄です。

今まで一度だけしか経験したことはないのですが、スキー場で、服に着いた雪が枝付きの見事な六角形をしていて、何か不思議なものを見た気分になったことがあります。

 

下記は可児さんの、前回のブックトークの記事です。

一本のクリの木から

 

今日はこの辺りで。

また、お付き合いください(^^)/~

 

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