投稿日: 2019/02/15
最終更新日: 2022/12/09

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

2月の中旬になりましたが、まだまだ寒いですね。

しかし早くも、東京板橋では菜の花と河津桜が咲き始めました。

いかがお過ごしでしょうか。

私自身、反省させられる話題だと感じたのですが、人を許すことをテーマに、当会のフランス代表が文章を書いています。今回はそれをご紹介させていただきます。

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人を許すことについて

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

「人を許す」ということは、ほとんどすべての宗教が重要なテーマとして扱っています。

それは、自分を傷つけたり自分に害を与えたりした人に対して、悪意や敵意を抱かず、憎むことをしないことを意味しています。さらに広い意味で言うと、ある人が犯した過ちに対して、罰を与えたり仕返しをしたりするのを放棄することです。

しかし、一般にそう考えられているかもしれませんが、「人を許す」ということは、宗教に必ず関係しているわけではありません。

当然のことですが、宗教信仰を持たない人も宗教信者と同じように人を許すことがありますし、その場合「許し」は、宗教でない価値観に基づいています。

「人を許すこと」は簡単でしょうか。明らかに、そうではありません。

他の人から害を与えられたり、あるいはたとえば、だまされたり、裏切られたり、軽蔑されたり、ごまかされたり、傷つけられたと感じたときには、それが実際のことであっても勘違いであっても、怒りが生じるのが通常の反応ですし、時として、いえ、しばしば、やり返してやりたいと感じることさえあります。

「目には目を」という言葉が思い浮かび、多くの人がその考えに負けてしまいます。このことについて、マハトマ・ガンジーはこう述べています。「『目には目を』では、最終的に世界は盲目になってしまう。」

手を取り合う男女

「人を許す」のは望ましいことでしょうか。少なくとも3つの理由で私はそう思います。

第一に、それは謙虚な行ないだからです。なぜなら、自分自身も不完全であり、他の人に許しを請わなければならない多くのことをしていると謙虚に認めることが、人を許すことにつながるからです。

第二の理由は、人を許すことによって、怒りや恨みの感情から自分を解放し、心の平安を得ることができるからです。このことは、心身の健全さにとって重要です。

第三に、「人を許す」という愛の行為は、それを行った人の内面を進歩させ、当人がひどく傷ついたにも関わらずそうしたのであれば、その進歩はさらに大きくなるからです。

抱擁する2人の女の子

また、カルマの法則が働いていることをもし認めるならば、復讐心など持たずに、起こるべきことが起こるのに任せておく以上に、賢明なことはありません。

もちろん、「人を許すこと」の難しさは、状況によって大きく異なります。

たとえば、愛する人が自分に不当なことを行った後に、誠実に謝っているのであれば、許すのはそれほど難しくないことでしょう。

母親と反省する男の子

一方で、愛する人が大けがをしたり殺されたりした場合、ましてや加害者が何の反省もしていなければ、その人を許すことを拒絶し極刑を望んだとしても、それは理解できることです。

しかし許すことが難しい状況であるほど、そして許すべきではないと思われる要因があればあるほど、許すという行為は、さらに意義深い価値ある行いになります。

「許さなければならない、しかし忘れてはいけない。」という言葉が、よく用いられます。このことを、とても適切な考えだと私は思います。

被害を受けたり苦しみを与えられたりしたという経験をもし忘れてしまったとしたら、遅かれ早かれ、個人もしくは集団として、次に自分がそのようなことをしでかす立場になり、自分を責めることになるのではないでしょうか。

ですから、そのような経験を記憶にしっかりと留め、怒りや憤(いきどお)りや恨みを感じることなく、それを行った人を責めることなく、その経験を思い起こせるようになるのが最も望ましいことです。明らかに、それは簡単なことではありませんが……

バラ十字会AMORCフランス本部代表
セルジュ・ツーサン

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

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再び本庄です。上の文章を読んで思い出したのですが、小学校の壁に貼ってあった標語は、「自分に厳しく、人に優しく」でした。それから50年以上経った今でも、時として難しい課題に感じます。

下記は、前回紹介したセルジュ・ツーサンの文章です。ご参考まで。

バラ十字会と政治について

では、今日はこの辺で。

また、お付き合いください。

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