投稿日: 2019/03/15
最終更新日: 2023/05/04

バラ十字会は、宗教や政治のいかなる組織からも独立した歴史ある会員制の哲学団体です。

当会は思想の自由を尊重しつつ、神秘哲学、人生哲学、形而上学、心の深奥の探究にご興味をお持ちの方々に、長い年月を経て検証され伝えられてきた知識を、通信講座、雑誌、講演などの形で、世界87ヵ国でご提供しています。

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

先日、名古屋でワークショップを行なったのですが、そのとき、話題が「生まれ変わり」のことに及びました。

講師の私から、「人は生まれ変わると思っている人は手を挙げていただけますか?」と、参加されていた皆さんに尋ねたのです。

すると、少し驚いたのですが、8人の皆さん全員が手を挙げられていました。まあ、人数が少ないので偶然と言うこともあるでしょう。

東京で行っているワークショップでも、ときおり同じ質問をすることがあります。

だいたいの傾向としては、6割ぐらいの方が肯定され、2割ほどの人が分からないとお答えくださり、2割ぐらいの人が生まれ変わらないと思うと答えてくださいます。

父と手をつなぎ、海を見つめる子供

日本では仏教の影響で、生まれ変わりを肯定する人の割合が多いようです。

一方、ヨーロッパや米国では、キリスト教と物理主義の影響で、生まれ変わりを肯定する人は、日本ほどは多くないようです。米国での2008年の調査では、生まれ変わりが存在すると考えている人は31%だったとのことです。この割合は、その後少しずつ増えているようです。

あなたはどのようにお考えでしょうか。

参考記事:『人は物と心でできているのでしょうか

マハトマ・ガンディー(1869-1948)は、次の言葉を残しています。

「明日死ぬかのように生きなさい。永遠に生きるかのように学びなさい。」

素晴らしい言葉ですね。

そして、この言葉の真意ではないと思いますが、何をどのように学ぶかということには、生まれ変わりについてどう考えるかということが、大きく影響するのではと考えさせられました。

特に、就職やキャリアアップのために、何かを必死に学ばなければならなかった時期が終わった、壮年期や老年期の方々はそうではないでしょうか。

夕暮れの海

「生まれ変わり」の考え方には、かなりのバリエーションがあります。主なバリエーションのひとつは「何に生まれ変わるか」についてのバリエーションで、もうひとつは、「何が生まれ変わるのか」についてのバリエーションです。

「何に生まれ変わるか」については、その立場を示す以下の2つの英語があります。ご説明しますが、日本語の訳語は確定していないことをご承知おきください。

転生説(reincarnation)では、人は人に生まれ変わると考えます。一方で、輪廻説(metempsychosis)では、人間は動物に生まれ変わることもあると考えます。

仏教のいくつかの説話は、ある人生で犯した罪に対する罰として、人間が動物に生まれ変わることがあると説いています。

神智学やシュタイナーの思想や、バラ十字会の哲学では、人間は人間にしか生まれ変わらないと考えられています。

「何が生まれ変わるのか」ということについて、西洋の多くの考え方では、ソウル(soul:魂)のような不滅のエネルギーがあって、それが次々と異なる新生児の体に宿ると考えられています。

一方で仏教では、伝統的に「無我」という考え方が採られていて、常に存在する自己というものが否定されています。

仏陀は、何が生まれ変わるかという問いは、人の苦しみを救うために役立たないので議論をしないという立場を採ったとされています。

その後に発展した唯識論(薬師寺や興福寺などで教えられている教えです)では、深層意識の「アラヤ識」が死後も存続し、生まれ変わりの原因になると考えられています。

集合的無意識(イメージ図)

「生まれ変わり」には、どのような証拠があるでしょうか。

ひとつは、前世の記憶のように思われる事柄について話す子供が、多数いるということです。

米国ヴァージニア大学医学部の知覚研究室はこのことを詳しく調査していて、今までに2600を超える事例を収集したとのことです。

この調査によれば、子供たちが前世を語り始める平均年齢は2歳10ヵ月ですが、この記憶は8歳までには大部分が消失してしまうとのことです。また、前世で会ったと子供が語った人を調査すると、その人が存在していたケースは70%以上だったそうです。

第2の証拠として挙げられるのは、退行催眠とよばれる手法によって過去世を思い出すことができたというものです。しかしこちらは情報としての信頼度が低いという人がいます。また、退行催眠は場合によっては危険を伴うと主張する人がいます。

第3は、間接的な証拠ですが、過去の偉大な思想家たちの多くが、生まれ変わりを肯定していたということです。たとえば、ピュタゴラスは自分の前世を記憶していたと証言している歴史家がいます。

当会の通信講座の初心者課程の12~15ヵ月目では、生まれ変わりが学習テーマのひとつになり、バラ十字哲学では伝統的にこのことをどう考えているかと、さまざまな文化圏の哲学者、思想家が、このテーマについてどのような文章を残しているかが紹介されます。

参考記事:『教材の内容

次の電子書籍は、翻訳の文体が多少古くさいですが、生まれ変わりに関してバラ十字会に伝えられていることが正確に書かれています。

転生の周期』(電子書籍、Amazon)

人類がまだ解き明かすことのできていない問いのことを、ビッグ・クエスチョンと呼びます。

先週話題にした「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」もそうですが、「生まれ変わり」も、ビッグ・クエスチョンのひとつだと思います。

その他にも、「宇宙は何のためにあるのか」、「脳と心は同じものか」など、興味深いビッグ・クエスチョンが数々あります。

これらについての探究は、100年後にはどの程度進んでいるのでしょうか。人間の未来にどのような影響を及ぼすのでしょうか。考えただけでもワクワクします。

参考記事:『エソテリックとは

では、今日はこの辺りで。

また、お付き合いください。

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