公式ブログ

ブックトーク「雨」

2019年5月31日


 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

東京板橋では今週、何日も雨の日がありました。そろそろ梅雨入りですね。

 

いかがお過ごしでしょうか。

 

このブログへ定期的に寄稿してくださっている私の親しい友人である可児さんは、岐阜で小中学生に読書の楽しさを紹介するブックトークというお仕事をなさっています。

彼女から、この季節にふさわしい「雨」について文章が届きました。

▽ ▽ ▽

ブックトーク「雨」

可児明美

可児 明美

 

もうすぐ梅雨の季節ですね。雨がふると、外で元気に遊べなくて残念ですが、雨は大地に恵みをもたらしてもくれますね。雨があがったあとの草木は、いきいきとしていますね。さて、今日は雨と水に関する本をご紹介します。

 

ずっとずっと雨がふりつづいていて、こいぬとこねことばばばあちゃんは、遊びにでられなくて困っていました。(『あめふり』さとうわきこ作・絵、福音館書店)ばばばあちゃんは、雲のうえのあめふらしさんに、ときどき休んでくださいとお願いしますが、「やあーだよ。やなこった」という返事があり、バケツの水をあけたような雨がもっと降ってきました。そして、カンカンにおこったばばばあちゃんは、ある作戦をおもいつきます。ばばばあちゃんはいったいどんな作戦を実行したのでしょうか? その結果、空の世界では大変なことになってしまいますが……。ばばばあちゃんたちは、あおぞらを取り戻すことができるのでしょうか?

てるてる坊主とアジサイ

 

バケツをひっくりかえしたような雨には、こまってしまいますが、雨がふっている時、ことりやもぐら、ちょうちょはどこにいくのでしょうか? 人間の私たちは、家の中でぬれずにすごせますけどね。『あめが ふるとき ちょうちょは どこへ』(メイ・ケアリック文、レナード・ワイスガード絵、岡部うた子訳、金の星社)は、そんな素朴な疑問がうつくしい絵とともに描かれています。しとしと雨の日に、ゆっくり読むのにぴったりです。

 

雨がふると、大活躍するのが傘ですね。とっても立派な傘を持っているおじさんがいました。(『おじさんのかさ』佐野洋子作・絵、講談社)その傘は、黒くて細くて、ぴかぴか光ったつえのようでした。おじさんは傘を大事にするあまり、出かける時はいつも傘を持って歩き、少しの雨がふってきても、傘がぬれるといけないのでささず、たくさん雨が降ってきたときも、傘をさしたくないので、違う方法で雨をしのぎます。そうしてとてもとても傘を大切にしていました。ところが、ある時……、おじさんと傘にある出来事が起きました。そしておじさんは……。

 

雨は、空からたくさん降ってくる水のしずくですね。この「ひとしずく」になってみましょう。『みずたまのたび』(アンヌ・クロザ作、こだましおり訳、西村書店)は、ちいさな水たまが、さまざまに姿を変え、旅をします。ネコが水を飲んだボウルの底にひとつぶ残った水のしずく。おひさまのおかげでちいさなちいさなつぶになります。そしてあんまり軽くなったので、空へ……。みずたまは、どんな姿になり、どんな景色をみるのでしょうか。

 

『しずくのぼうけん』(マリア・テルリコフスカ作、ボフダン・ブテンコ絵、うちだりさこ訳、福音館書店)も、ひとしずくの水が旅に出るお話ですが、こちらは汚れたからだをきれいにするために、洗たく屋さんに行ったり、病院に行ったり……。とうとう川の中にとりこまれ、また何かに捕まります。そして最後にこのしずくは動けなくなってしまいます。どうして動けなくなってしまったのでしょうか?

カタツムリとガクアジサイ

 

雨というと、じめじめした感じがしますよね。以前にもご紹介した『ナルニア国物語』の中に、じめじめした沼地にすんでいる不思議な人たちがいます。(『銀のいす』C.S.ルイス作、瀬田貞二訳、岩波書店)その人たちは、沼人(ぬまびと)といって、おちくぼんだほお、一文字にきつく結んだ口、とがった鼻をもち、髪の毛は黒っぽい緑色をしています。とても生真面目な性格です。今回の冒険の主人公、ジルとスクラブは、沼人の泥足にがえもんといっしょに旅に出ます。アスランから行方不明の王子を探すように命じられたのでした。ナルニア国のお話の中でも、なかなかきつくてつらい旅です。そのうえ、一緒に行くのが陽気とは言いがたい泥足にがえもんです。このきつい旅のむこうに二人を待っていたのは……。

 

雨にもいろいろな雨がありますね。時雨(しぐれ)、五月雨(さみだれ)、大雨(おおあめ)、小雨(こさめ)、小糠雨(こぬかあめ)……。雨の日ならではの楽しみ方もいろいろ見つけて、楽しんでみてください。雨の日に、お部屋で読書もいいですね。

おわり

紹介した本

『あめふり』さとうわきこ作・絵、福音館書店

『あめが ふるとき ちょうちょは どこへ』(メイ・ケアリック文、レナード・ワイスガード絵、岡部うた子訳、金の星社

『おじさんのかさ』佐野洋子作・絵、講談社

『みずたまのたび』(アンヌ・クロザ作、こだましおり訳、西村書店

『しずくのぼうけん』(マリア・テルリコフスカ作、ボフダン・ブテンコ絵、うちだりさこ訳、福音館書店

『銀のいす』C.S.ルイス作、瀬田貞二訳、岩波書店

△ △ △

ふたたび本庄です。

 

海外出身で、日本文化を研究するために日本国内に長年暮らしている方のお話を、ときおり、テレビやラジオで耳にすることがあります。滑らかな日本語の話しぶりにも驚きますが、色彩の日本古来の呼び名や他の古語についての話題も興味深く、日本文化の素晴らしさを逆に教えられます。

可児さんの文章にいくつか登場した雨の名前にも、きっと美しい呼び名が他にいくつもあることでしょう。

 

下記は可児さんの、前回のブックトークの記事です。

『春』: https://www.amorc.jp/blog/?p=2151

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

また、お付き合いください。

 

追伸:メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」に、こちらから登録すると、このブログに掲載される記事を、無料で定期購読することができます(いつでも配信解除できます)。

 


このページのTOPへ