投稿日: 2019/06/14
最終更新日: 2022/08/08

 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

関東が梅雨入りして、早くも一週間が経ちました。東京板橋でも、連日、かなりの雨が降っています。

お変わりはありませんでしょうか。

 

先日、大阪の高槻で講演を行ったときに、懇親会が開かれた居酒屋さんで知ったのですが、参加者のうち数人の方がベジタリアンでした。

東京の集会にも、ベジタリアンの方が参加されることがよくあります。

また、毎年10月に開かれている世界総本部の理事会には、当会の各国の代表が集まるのですが、そのうちの2~3割の方がベジタリアンです。肉だけでなく、卵や乳製品も食べないビーガン(完全菜食主義)の方もいらっしゃいます。

 

菜食主義について、当会のフランス代表が記事を書いていますので、今回はそれをご紹介させていただきます。

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『菜食主義について』

“A propos du vegetarisme”

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

 

さまざまな集まりでも、電子メールでも、次のような質問を受けることがたびたびあります。「神秘学などのスピリチュアルな(spiritual:道徳心や心の深奥の)探究やこの分野での進歩のために、菜食主義は役立つのでしょうか」。

率直に申し上げるならば、肉を食べないということが、このような分野の探究や進歩のために特にプラスになるとは、私は考えていません。

ベジタリアンの(菜食主義を採用している)方々の中にも、宗教や神秘学のことを重要ではないと思っている方もいますし、ベジタリアンでない方々の中にも敬虔な宗教信者や熱心な神秘家もいます。

重要なのは、スピリチュアリティ(内面的な価値)への関心であり、結果としてどのように行動するかということです。

神秘家イエスは、このことを次のように言い表しています。「人にとって重要なのは、口の中に何を入れるかではなく、口から何が発せられるかです」。

 

私の見解では、ベジタリアンになろうとする動機は、多くの場合、内面的な価値の尊重というような事柄ではありません。

私の知っているベジタリアンの大部分は、主に次の2つの理由で菜食主義を取り入れています。

1.肉を人間に提供するために飼育されているさまざまな動物の扱われ方や、それらの動物たちが殺されることに賛同できないため。

2.肉を食べないときの方が、自分がより健康であると感じているため。

野菜が入れられたガラスのボウルとフォーク(ベジタリアンのイメージ)

 

第一の理由について言えば、私はそれを十分に理解することができます。というのも、私は動物が大好きであり、食用の動物が飼育されている方法や、殺されるときに用いられる方法の多くが、憤慨すべきものであるどころか、ぞっとするようなものであることを知っているからです。

動物たちにそのような苦しみを与えていることは、人類の恥にあたりますし、動物に対して人間がいまだにどれほど残酷かを示しています。

あらゆる動物には、それぞれのレベルの意識と感受性があります。動物たちに敬意を払わず、動物たちが私たちにさまざまな物をもたらしてくれていることを感謝しないことは、生命に対する侮辱にあたると私は思います。

さらに、動物と人類は常にカルマの法則によって密接に結びついているので、人類が動物たちを苦しめている限り、人類のさまざまな苦しみがなくなることはないだろうと私は考えています。

ギリシャの哲学者ピュタゴラスは次の言葉を残しています。「人間が、自分たちよりも下位の領域にいる生きものを冷酷に殺し続けている限り、人間は健康も幸せも手に入れることができない。人間が動物を殺し続けている限り、人間は人間同士で殺し合う。殺害と苦しみという種をまく者が、喜びと愛という果実を収穫することはできない」。

 

健康が理由でベジタリアンになっている人は、自分にとって望ましい方法を採用しているのですから、それはその人の当然の権利です。

野菜を食べることが特に体に適しており、肉が体に合わない人がいるということが経験的に知られていますし、このことは、乳製品や卵や他の動物性食品や、時として魚にも同じことが言えます。

タンパク質、ビタミン、微量元素などが決して不足しないように配慮するならば、人間は肉を食べなくても健康でいることができます。しかし、そのためには栄養についての基本的な知識がいくつか必要とされるということも事実です。

野菜と果物とジュース

 

すべての人がいつかベジタリアンになると想定すべきでしょうか。もしそうならばなぜでしょうか。動物に対する敬意からでしょうか。健康上の理由でしょうか。経済もしくは生態学的な必要からでしょうか。

多くの人は、ほとんどすべての人が今後も肉を食べ続けるだろうと確信しており、このような疑問は馬鹿げていると考えることでしょう。しかし、一部の科学者によれば、今後の数世紀か一千年ほどの間に、人間に生理学的な変化が起こり、動物性タンパク質をもはや必要としなくなる可能性があるとのことです。

それはそれとして、確実なことがひとつあります。人間が肉を食べ続けるのであれば、自分たちの食料にするために殺す動物たちに十分な配慮を払い、彼らが快適に暮らすことができ、不必要な苦しみを感じないようにすべきだということです。

 

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

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再び本庄です。

 

ベジタリアンの方々はどのぐらいの割合なのかと思い、インターネットで調べたところ、日本では5%程度だとのことです。

インドは30%~40%と極めて多く、その他にも、イギリス、中華民国、スイスなど、ベジタリアンの割合が10%を超えている国がいくつかあります。

そして多くの国で、若い人たちを中心に、ベジタリアンやビーガンが増えているとのことです。

 

下記は、前回のセルジュ・ツーサンの記事です。多くの皆さんが読んでくださった人気の記事です。

人の姿を表す十字

 

では、今日はこの辺で。

また、お付き合いください。

 

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