投稿日: 2019/08/02
最終更新日: 2022/08/08

 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

東京板橋では梅雨が明けたとたんに、猛暑の日が続いています。皆さんがお住まいの地域も、きっと同じではないかと思います。

どうか熱中症に気をつけてお過ごしください。

 

さて、今回のタイトルの「時間ってなに」ですが、まさにビッグ・クエスチョンです。私もこの問いに、すらすらと答える自信などありません。

 

このビッグ・クエスチョンについての文章が、私の親しい友人である可児さんから届きましたので、ご紹介させていただきます。

彼女は、岐阜で小中学生に読書の楽しさを紹介するブックトークというお仕事をなさっていて、この文章もそのお仕事のために作成された原稿です。

▽ ▽ ▽

ブックトーク「時間ってなに」

可児明美
可児 明美

 

皆さん、今朝は何時に起きたかな?… 「いつも早起きだよ!」という人や、「ついつい寝過ごしてしまって、遅刻しそうになった!」なんて人も、いるかもしれませんね。

「もう時間だから、はやくしないと」とか、「ああ、時間がない!」とか…、時間というと、なんだかあわただしい印象がある一方で、「今日は時間があるから、ゆっくりできるよ」とか、「予定の時間まですることがないので、暇つぶしをしよう」なんてこともあるかもしれません。

では、みなさん、この「時間」って、いったい何なのでしょうか?

懐中時計

 

さあたいへん! このお話の中では、時間が盗まれてしまいます(『モモ』ミヒャエル・エンデ作岩波書店)。時間どろぼうが、人々の時間を次々と盗んでいきます。それに気付いた小さな女の子、モモは、時間どろぼうからみんなの時間を取り返そうとします。

モモは、どのようにして時間どろぼうから時間を取り返すのでしょうか?

 

さて、これは時間を盗んだり取り返したりするお話でしたが、そもそもほんとうのところ、時間って盗んだり取り返したりできるものでしょうか?

『時間の大研究』(池内了・監修、PHP研究所)をみてみると……。

今から2300年くらい前に、古代ギリシアのアリストテレスは、「時間は、運動や変化をとおして知ることができる」と考えました。

17世紀のアイザック・ニュートンは、絶対時間(宇宙にある常に一定の速度で流れる時間)と絶対空間(絶対時間と同じようにある、絶対的な空間)というものを考えました。

そして、時間は伸び縮みすると考えたアインシュタインは、特殊相対性理論と一般相対性理論の中で、運動している状態によって時間の進み具合は違ってくることを示しました。

時計と女性

 

では、時間は巻き戻せるのでしょうか? 自然界は不可逆運動により、時間の進む方向が決まっているので、時間を戻すことはできないと考えられています。

では、タイムマシンで時間旅行はできるのでしょうか? 運動の仕方を工夫して、光よりも速く動くことができれば、過去にもどることができると理論上は考えることもできるのですが、アインシュタインの相対性理論によると、光よりも速く動くことは不可能なため、タイムトラベルは不可能だと考えられています。

 

けれども人間には想像力がありますね。頭の中で、過去にも未来にでも行くことができます。ではここで、タイムマシンに乗って、時間旅行をしたお話をご紹介しましょう(『タイムマシン』H.G.ウェルズ作、偕成社文庫)。

時間を旅することのできる機械を発明したタイムトラベラーは、自分を実験台にして、人類の未来へと旅をします。そこでタイムトラベラーが目にした光景とは?…

 

さきほど、時間は伸び縮みするというお話がありましたが、『絵とき ゾウの時間とネズミの時間』(本川達雄/文、福音館書店)には、生き物と時間のことが書いてあります。

人間の心臓は1分間に60~70回打ちます。ハツカネズミは1分間に600回近く打ちます。ゾウは1分間に30回。体重が増えると、心臓の動きも肺の動きもゆっくりになっていきます。生き物の寿命を心臓の打つ時間で割ってみると、答えはどの動物でも同じだそうです。一生の間に、ゾウもネズミも心臓は15億回打つのだそうです。

ネズミの一生は数年、ゾウはその何十倍。でも、それぞれの動物の心臓が1回打つ時間を基準にすれば、ゾウもネズミもまったくおなじだけ生きて死ぬことになります。それぞれの動物はそれぞれの時間の中で生きているのですね。

 

もうひとつ、生き物の一生と数に関する本をご紹介しましょう。『ライフタイムいきものたちの一生と数字』(ローラ・M・シェーファー/文、ポプラ社)

一生の間にクモは、卵をつつむうすいふくろを1つだけつくります。一生の間にキツツキがあける穴は、30個。一生の間に、アゲハチョウは何本の花から蜜を吸うでしょうか? 一生の間に、キリンの網目は何個できるのでしょう?

…では、みなさんは、一生の間に何回笑顔になるでしょうか? 何回、泣いたりするでしょうか。何回、大喜びするのかな?…

 

こうしてみてきましたが、時間って、生きることとつながっているんですね……。時間について、じっくり考えてみるのも、面白いかもしれませんね。

おわり

 

紹介した本

『モモ』ミヒャエル・エンデ/作 岩波書店

『時間の大研究』池内了/監修 PHP研究所

『タイムマシン』H.G.ウェルズ/作 偕成社文庫

『絵とき ゾウの時間とネズミの時間』本川達雄/文 福音館書店

『ライフタイムいきものたちの一生と数字』ローラ・M・シェーファー/文 ポプラ社

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ふたたび本庄です。

当会は神秘学の教育組織ですが、神秘学(mysticism:神秘思想)とは短く言えば、神秘体験に関わる「知」です。そして神秘体験には、時間がないという特徴があります。

しかも興味深いことに、言葉にするのが難しいのですが、有ったものが無くなったという感じの「無い」ではなく、本来無いことが正体だという感じの「無い」なのです。

 

当会が提供している通信講座では、時間とは何かと言うことが入会して2ヵ月目の教本で取り上げられます。

そしてそれは、その後も折々に取り組むことになる、重要なテーマになります。

 

下記は可児さんの、前回のブックトークの記事です。

参考記事:『

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

また、お付き合いください。

 

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