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新型コロナウイルスについて

2020年4月24日


 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。東京板橋では、今週は初夏を思わせるほど暖かい日がありました。

いかがお過ごしでしょうか。

 

当会のフランス代表が自身のブログに、新型コロナウイルスについての文章を投稿しましたので、今回はその翻訳をご紹介します。

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記事:「新型コロナウイルスについて」

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

 

バラ十字会AMORCの会員と、そうでない方々の多くが私に連絡をくださり、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行についての、あなたの見解を教えてくださいとリクエストしてくださいました。

そこで、私の考察と意見を、このブログを通して皆さんと共有するのが適切なことだと考えました。お断りしておきますが、以下は私個人の見解であり、バラ十字会AMORCの見解ではありません。

 

ご存知の通り、新型コロナウイルス(covid-19)は、2019年12月の中旬ごろに中国の武漢に現れました。

このウイルスはセンザンコウやコウモリに由来していることを示していると思われる研究報告があります。2003年に武漢に建設され、強毒性のウイルスを含むいくつかのコロナウイルスの研究を行っていた施設が出所かもしれないという推測をする人もいます。

この件に関してどのような意見を持つことも、それぞれの個人に任されている事柄ですが、すでに多くの陰謀論が出現しており、私はいかなる陰謀論に油を注ぐことも注意深く避けたいと思っています。

しかし、指摘しておきたい明らかなことは、倫理上の問題や安全上の問題よりも、自分の利益に関心を持つ科学者がいるということです。

核エネルギーにも同じことが当てはまり、全世界に真の危険をもたらしています。言うまでもありませんが、放射性廃棄物には数十万年の間、害をなすものがあり、人類はそれをどう扱ったら良いのか解決策を持ち合わせていません。

手を洗う女の子2人

 

新型コロナウイルス感染症の流行によって、世界は今やひとつの国のようなものであることが明らかになりました。

このウイルスは中国から、国境を無視するように地球全体に広まりました。ウイルスの出入りを止めようとして一部の国が国境を閉鎖したのは理解できることですが(遅すぎたのでしょうか?)、今や安全な場所はほとんどありません。

いずれにせよ、近い将来、国家独立主義や孤立主義にさえ戻るべきだと、一部の人が声高に主張していますが、これらの主義は、この新しい災厄が国や地球に広がるのを防ぐことはできず、良くても感染拡大を遅らせることができるだけでしょう。

一方で、これらの主義を採用すると、個人主義や集団的な利己主義が勢いを増し、それゆえに戦争の危険性が高まることでしょう。

私の考えでは、グローバリゼーション(globalization:地球規模の通商や交流の拡大)には欠点や行き過ぎもありますが、それは人と人の協調や平和に寄与するので、基本的には望ましいことです。

しかし、現在の政治や経済の基礎は変わるべきであり、すべての人の幸福を実現することを目的とするように方向を転換するべきです。そのためには、政治や経済が競争ではなく協力に基づくようにすることが必要になります。

新型コロナウイルス対策のイラスト

 

『バラ十字友愛組織の姿勢』(Positio Rosae Crucis)

世界が直面しているこの感染拡大によって、あらゆる政府やあらゆる人が、世界の現状について深い疑問を持つように導かれるに違いありません。それは、約20年前の2001年にバラ十字会AMORCの指導者たちが行ったことです。

この年に公表されたマニフェスト『バラ十字友愛組織の姿勢』の序文にはこう書かれています。

「今日の人類は、悩み苦しみ、混乱しています。物質的に大きな進歩を遂げてきましたが、それによって本当の幸せはいまだにもたらされてはいませんし、穏やかな未来を予見することもできないでいます。戦争や飢餓、伝染病や生態系の大変動、社会的危機や基本的自由に対する攻撃などは、現在も続いている多くの悲惨なできごとのうちのほんのいくつかにすぎません。そして、それは人間が未来に対して抱いている希望とは全く相反するものなのです。」

このマニフェスト(宣言書)には、序文の後に、経済、政治、科学、技術、宗教、芸術、倫理の分野における世界の現状についての全般的な考察が行われています。

この考察によって明らかにされていることは、もし人類が明るい未来の幕開けを迎えることを望むならば、生態系の保護(Ecology)、人間尊重(Humanism)、精神性の重視(Spirituality)という目標を掲げて行動すべきだということです。

この3つのモットーは、2014年に本会が発表した『バラ十字友愛組織からあなたへの訴え』(Appellatio Rosae Crucis)のテーマになっています(訳注)。

 

訳注:これらのマニフェストはいずれも下記のURLで読むことができます。

https://www.amorc.jp/about_us/manifesto.html

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大によって生じた、極めて痛ましいできごとは、多くの人が寿命を全うせずに亡くなっていることです。特に、かなり多くの国で極めて簡素な葬儀しか行えなくなっていることから、多数の家族が悲しみと絶望に突き落とされています。

別のひどい悪影響として、工場、会社、企業、個人事業や、他の種類の仕事や活動の多くが、廃業や永遠の活動停止に追い込まれていることが挙げられます。そのため、無数に多くの人が職を失い、無数に多くの人が、職はあるものの不安定な生活を余儀なくされています。

いずれ経済全体が再建されなければなりませんが、それは、過去の過ちを考慮に入れて新しい「モデル」を(この語の最良の意味で)構築する機会になる可能性があります。

現状では、より多くの商品を生産し続けるために、ますます多くの物を消費するように経済が人間を駆り立てています。

「成長」ということに経済が基づいている限り、この状況が終わることは決してないでしょう。経済成長への「信仰」という固定的観念を私たちが持ち続けるならば、人間は地元との絆を失い、機械やロボットに取って代わられ、人工知能(AI)が過度に進歩することになります。

そこからもたらされるのは人間性が失われた社会であり、社会全体が活力を失い、不平等が激化します。そのような社会では、お金が貪欲さと心の荒廃をかつてないほど加速させる要因になり、最も基本的な倫理観にさえ敵対するものになってしまうことでしょう。

森林と湖

 

感染拡大からもたらされた肯定的な影響

しかし、誤解を恐れずにあえて言うならば、この感染拡大からもたらされた肯定的な影響もあります。

多くの人が自分自身について考えるようになり、存在論的な疑問を自分に問いかけるようになりました。人生には意味があるのか? 死とは何か? 私たちはどこに向かっているのか? 運命というものがあるのか? などです。

それに加えて、多くの人が現在の世界の脆弱さと、長く続いてきた狂気のような状態に気づくようになっています。

一方で、医者と医療補助者の皆さんの献身と無私の行為は言うまでもなく、礼儀、親切、忍耐、助け合い、笑顔、思いやりなど、長いこと姿を消していた態度や振る舞いが、再び見られるようになりました。

自然環境について言えば、温室効果ガスと微小粒子状物質(PM 2.5など)の放出が減りました。森は春の空気を自由に呼吸できるようになり、何百万本もの木が切り倒されることを免れました。漁業もほぼ休止状態で、サンゴ礁と海底のダメージがかなり回復しています。

河川、湖、海は「休む」ことができ「若返って」います。多くの国で植物と動物が、殺されることが休止されています。もし人類が本当に望むならば、ただ単に自然界に時間を与えるだけで、自然に対する有害な影響が減り、再生がもたらされるという確かな証拠が得られています。

木の実を食べているモルモット

 

黙示録

新型コロナウイルスの感染流行から、『黙示録』を話題にする人もいます。ご承知の通り『黙示録』とは、新約聖書で使徒ヨハネが語った、世界の終末に起こる大惨事の物語です。

私の考えでは、この物語は明らかに比喩的なものであり、現在の人類の状況に関連するものではありません。この数ヵ月間に人類が経験していることは、世界の終末ではありませんし、一部の人が主張するような神が下した罰でもありません。

しかし、私たちはこのできごとを「良いことがもたらされるための痛み」であるととらえ、人類という集団に課された試験であり、そこから次の時代の始まりの兆しである新たな気づきと望ましい変化が起こると考えることができます。そしてこの新しい時代は、人類が個人や集団として表すことができる最良の性質に基づいたものになると期待し希望することができます。

すると「黙示」という言葉は、この事態を表わす言葉として意味をなすと言うことができるのかもしれません。「黙示」(apocalypse)とは元々は、「思いがけないことが明らかになる」(revelation)ことを意味していたからです。

しかし新しい望ましい時代を迎えるためには、私たち人類は深い自省を行い、何が起こったのかを記憶にとどめ、地球に対してまるでコロナウイルスのように振る舞うことを止めなければなりません。さもなければ、公衆衛生や、核エネルギーの技術や他の技術に関する新たな大惨事が起きて、さらに壊滅的な結果がもたらされることになるでしょう。

 

感染の拡大と、それによって生じた多くの方々の死の責任がどこにあるかを、今後の数週間か数ヵ月に、多くの人が糾弾しようとするのは疑いのないことでしょう。「魔女狩りや責任の転嫁」が、インターネットや一部のメディアですでに始まっています。

それらの動きの多くは、政治、イデオロギー、コーポラティズム(corporatism:協調主義)、陰謀論、日和見主義や、他の秘められた動機に関連しています。

歴史を修正しようとする人たちがいて、この感染拡大の経緯を改変することを試み、発言に耳を傾けてくれる人や文章に目を通してくれる人たちのすべてに、このウイルスが国に入ってこないようにするためには、あるいは素早く封じ込めるためには、あるいは被害者を少なくしたりゼロにしたりするためには、何をすべきで何をすべきでなかったのか、何を言うべきで何を言わないべきだったのかを説明しようとしています。

このような時には、多くの人が論争したり意見を述べたりすることを好み、しばしば匿名でソーシャル・ネットワークにおいてそれが行われます。もはや変えることのできない過去の経緯を自分の都合の良いように改変したいという誘惑は強いものです。

あらゆる国で、さまざまな分野とさまざまなレベルにおいて、多かれ少なかれ重大な過ちがなされてしまったことは明らかであり、それらは、未来のために教訓として私たちが学び、伝えなければなりません。

さらに言えば、世界の現状に対して、自分には全く責任がないと言い切れる人がいるでしょうか。私たちの一人ひとりが、考え方と行動を変えなければならないのではないでしょうか。

 

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

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ふたたび本庄です。

 

最近は週に2日ほど、できるだけ人のいない夜の時間に、石神井川沿いをランニングしています。数日前に、ふと空を見上げると、北西の空に金星が驚くほどさんさんと輝いていました。

きっと、経済活動の多くが休止しているので、かつてないほど空気がきれいなのでしょう。

 

下記は前回のセルジュ・ツーサンの記事です。

記事:『権力について

 

では、今日はこのあたりで。

また、よろしくお付き合いください。

 

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