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愛へのお手紙~その1

2021年1月22日


 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

寒さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

今週末は東京でも雪が予報されているようです。

 

当会のフランス代表は自身のブログに公開書簡(公開のお手紙)というシリーズの文章をいくつか投稿しています。たとえば以前ご紹介した下記の手紙もそのひとつです。

参考記事:『動物のみなさんへのお手紙

 

今回は、『愛へのお手紙』というやはり奇妙な題の文章を翻訳しました。長文ですので3回に分けてご紹介します。

▽ ▽ ▽

記事:「愛へのお手紙」(その1)

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

 

「愛は、あらゆる場所にある、最も凄まじく、最も謎めいた宇宙のエネルギーです。」

テイヤール・ド・シャルダン(1881-1955)

 

幸せで心豊かな生活を送るためには、愛し愛されることが誰にとっても必要です。その理由は、私たちが客観的にはそう感じていないとしても、愛が命と分かちがたく結びついているからでしょう。

愛は、この地球の鉱物界、植物界、動物界、人間界のすべてに表れています。時として私たちは見過ごしてしまいますが、愛は自然界の命運を支配している力であり、愛によって、世界の活動、宇宙全体の進化の継続が保たれています。

ですから愛に宛てて公開書簡を書くことは、愛というものを称賛する最良の方法のように私には思えますし、そうすることで実はこの手紙は、私たち自身に宛てたものになることでしょう。

 

抱擁する女の子

 

多くの人類学者と言語学者によれば、「愛」は、極めて古くから話され書かれてきた言葉であるだけでなく、ほとんどの時代、言語、国で最も広く用いられてきた言葉のひとつにあたります。その理由は愛というものが、人間が近しい人に感じた最も初期の感情だからでしょう。

人間の脳の発達は、愛という感情によって加速されたと多くの科学者が考えています。しかし、愛という感情が生じる脳の領域は、一度も明らかにされたことがありません。

バラ十字哲学の立場から言うと、愛の源は、ソウル(soul:魂)という人間の非物資的な本質です。

ソクラテスは愛のことを人間の最高の徳だと見なし、人間の中の最も貴い要素だと考えました。彼の弟子であるプラトンは愛のことを、遅かれ早かれすべての人を、真実と善と美に駆り立てる欲求であると見なしました。

手をつなぐ男女

 

ソクラテスとプラトンについて述べましたが、古代ギリシャ哲学では、エロス(Eros)、フィリア(Philia)、アガペー(Agape)という3種類の愛があるとされていたのは興味深いことです。

エロスは物質的で性的な愛にあたります。フィリアは心理的で感情的な愛のことを指します。アガペーは精神的で普遍的な愛に相当します。

この3つの愛は、矛盾するものでも対立するものでも他を排除するものでもありませんが、古代ギリシャの哲学者の大部分はアガペーのことを最も高級で称賛されるべき愛だと考え、それは魂自体から発せられ、物質世界を超越していると考えました。

その結果、一神教、特にキリスト教は、アガペーのことを神の愛であるとしました。そしてアガペーという愛において神は人間を愛しており、人間は神をアガペーによって愛さなければならないと定めました。

そうなのでしょうか? この問いに対する答えは、それぞれの人にまかされている事柄でしょう。

母と子

 

神秘学(mysticism:神秘哲学)の考え方では、愛は感情以上のものであり、魂自体から生じるものではあるけれども、それは同時に、自然界、宇宙、心の世界に同時に働いている普遍的な法則のひとつにあたります。

自然界においては、鉱物の世界にも愛という法則が表れています。すべての物質は原子からできており、原子が結びついて分子を形成しています。そして分子が結びついて、さらに複雑で大きな構造が作られています。

この結びつきは、無生物にいわゆる「引き寄せの法則」(the law of attraction)が働いた結果です。このことを原始的な愛だと言うことはできないでしょうか。

もちろん、原子や分子は意図的、意識的に結合するわけではなく、物理的、化学的なプロセスから生じる力によって結合します。

しかし、この力によってある物が他の物を引きつけ、小さな砂粒から大きな山まで、地球上のすべてのものが形成されているということは事実です。

 

植物の世界では、「引き寄せの法則」はさらに明らかであり、それを観察することはあまり難しくありません。植物の繁殖は、雄性の細胞と雌性の細胞が結合することで起こり、この結合には有性生殖である場合と無性生殖である場合があります。

この場合もまた結合のプロセスは、ア・プリオリ(生得的)に、つまりそれらの細胞の意志とは無関係に、その細胞の意識から独立して起こります。ここで私がア・プリオリという言葉を用いたのは、植物はその種類によって複雑さはさまざまですが、ある種の意識を持つということが現在では科学界で認められているからです。

木々がさまざまな目的のために互いにコミュニケーションを取ったり、動物の捕食者から自分を守ったり、さまざまな状況で互いに助け合ったり、成長のために有益な情報を交換したりするということが、多くの文書や録画資料によって示されています。

いくつかの種類の植物は、人間が発する感情や楽器の発する音を感じることができることさえ立証されています。

 

動物の世界において「引き寄せの法則」は、生殖の基礎になっている精子と卵子の結合だけに表れているのではありません。それはまた、オスがメスに近づいたり、メスがオスに近づいたりすることを促す影響力として表れています。

この影響力は明らかに、性的な衝動という性質だけなく、愛という言葉をあえて用いないとしても、感情的な欲求という性質を持ちます。明らかに動物は愛を感じますし高等動物はなおさらであり、つがいの相手にも自分の子にも、同属の個体にも人間にも愛を感じます。

このことを確信するためには、ゾウやイルカやミーアキャットなどの群れに見られる社会的な結びつきや、飼い犬や飼い猫が私たちに示す愛情のことを思い起こすだけで十分です。

キスをするひよこ

 

さらに、野生動物や家畜が思いやりを感じ、互いに助け合うことも知られています。インターネットにはこのことをまとめたさまざまなサイトがありますので、「助け合い、動物」という語で検索して動画を見ると、間違いなく深く心を動かされることと思います。

(その2に続く)

 

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

△ △ △

ふたたび本庄です。

 

補足しておいた方が良いと思うことがひとつあります。

この文章の中には「引き寄せの法則」(the law of attraction)という言葉が登場しました。

かつて良く売れた『ザ・シークレット』などの本により、「引き寄せの法則」という言葉はとても有名になりました。

それは、ポジティブな思考をするとポジティブなできごとが自分に引き寄せられ、ネガティブな思考をするとネガティブなできごとが自分に引き寄せられるという考え方です。

 

しかし、今回の文章を注意深く読んだ皆さんは、有名になったこの『引き寄せの法則』と、セルジュ・ツーサンが語っていた法則が違っていることにお気づきになったことと思います。

バラ十字哲学や他の伝統的な神秘学(mysticism:神秘哲学)では、「引き寄せの法則」とは異なる性質のものが引き寄せられることを指します。磁石のS極とN極、電気のプラスとマイナスなどです。

 

もちろん、思考や発言や行動をポジティブに保つのは望ましいことで、確かにそのことによって、後にポジティブなできごとが起こることが多いのですが、バラ十字哲学の考え方では、それはポジティブなものとポジティブなものの間に「引き寄せの法則」が働いたことが理由ではありません。

当会の通信講座で学ばれている方は、「思念体」などの用語と「カルマの法則」のことを思い起こされることでしょう。

 

下記は前回のセルジュ・ツーサンの記事です。

記事:『ルーモア(うわさ)について

 

では、今日はこのあたりで。

また、よろしくお付き合いください。

 

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