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愛へのお手紙~その3

2021年2月5日


 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。いかがお過ごしでしょうか。

 

東京板橋には、いよいよ、春の気配が近づいてきました。サクラソウや梅が咲いています。

そちらはいかがでしょうか。

 

今回は、当会のフランス代表が書いた『愛へのお手紙』の最終回です。前回、前々回は下記で読むことができます。

参考記事:

愛へのお手紙」(その1)

愛へのお手紙」(その2)

 

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記事:「愛へのお手紙」(その3)

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

 

ご存じのように多くの哲学者と思想家が、人と人が互いに愛し合うことを勧めています。このことを最も強調したのはイエスであることに間違いはありません。というのも彼は、自分の敵であっても愛せよと語ったからです。

しかし、そうすることを望んだとしても、私たちの中の一体誰が、そのようなことを本当にできると言うのでしょうか。聡明であり善意を持っていれば、そんなことができると言うのでしょうか。いえ、私たちにできるのは誰も憎まないということです。このように考えると、完全に永遠に憎しみを持たないと言うことは、消極的ではあるけれども愛のひとつの形であるように私には思えます。

もし互いに憎しみ合う人がひとりもいないとしたら、世界はどれほど素晴らしい場所になるかを想像してみてください。このような期待は、実現することのないユートピアのようなものであるのかもしれませんが。

しかしこの場合も、この目標に向かって人が努力できるようにするのは教育の役割です。子供に寛容の心を育み、肌の色が異なっていたり、国や文化が違っていたり、考えや信念や、生活スタイルや理想が異なっていたとしても、それが理由で他の人を決して憎まないことを子供に教えるということが教育に含まれるべきです。

読書している2人の女の子

 

すべての人を愛することは不可能だとしても、人類を愛するように努力することができます。私たちはいわば人類という体の細胞であり、この体は70億個の細胞からできています。この体は集合意識を持ち、それはすべての個人の意識が結びついて構成されています。

個人の意識は人類全体の意識に影響を与えますし、人類全体の意識は個人の意識に影響を与えます。この相互作用が有益なものであり、すべての人の幸せに役立つことを私たちが望むならば、人間関係は憎しみでなく愛に基づかなければなりませんし、悪意でなく善意に基づかなければなりません。

心理学者のカール・グスタフ・ユングは、これと同じ「集合的無意識」という観念を提唱しました。集合的無意識が肯定的にも否定的にも個人の無意識に影響し、また個人の無意識が集合的無意識に影響し、それが望ましいものになるかそうでないかは、ひとりひとりの人が日常的に抱いている思いの性質に左右されると彼は考えました。

仲の良い犬と猫

 

例外はありますが、多くの場合、血のつながった兄弟姉妹は互いに愛情を持ちます。なぜでしょうか。それは母や父が同じであるという血縁関係によって、多かれ少なかれ意識的にお互いを尊重し助け合うからです。

そして、すべての人間は大部分の遺伝情報が同じであり、血管の中を流れている血もほとんど同じなので、突き詰めて言えば兄弟姉妹だと言うことができます。また、母なる地球に生存を支えられているということもすべての人に共通しています。このことを念頭に置いているだけでも、愛し合うとまではいかなくても、すべての人が少なくとも互いに尊重するのには十分ではないでしょうか。

また、あらゆる人と人の間にはさらに深い絆があります。個人の魂は、普遍的な魂(Universal Soul:宇宙の魂)から生じたものなので、すべての人はソウルメイトです。それゆえにすべての人は、生物学的な意味だけでなく、スピリチュアルな意味でもひとつの家族です。このことは、人と人が親密な関係を維持すべきであり、憎んだり恨みや悪意を持ったりすることや、より広く言えば互いを傷つけようとする望みのすべてを拒絶すべき、もう一つの理由です。

壮年の女性のバス乗車を助ける女の子

 

さて、自然への愛を取り上げましょう。それは、“自然”に湧き上がってきます。自然を愛することは、受け身ではなく活動であるべきだと私は思います。たとえば、自然に対して敬意を示す行動をすること、自然保護の活動に関わること、自然と共同で作業をすることなどです。

しかし誰もが知っているように、私たち人類の調和を欠いた行動によって、地球が傷つけられています。私たちの星は、もがき苦しんでいるとまではいえないまでも、かなりひどい状態にあります。実際のところ、まるで人間は、地球に対して無知な暴君のように振る舞うようになったとさえ言えるかもしれません。

ですから、長い間地球に人類が科してきた不調和を解消しようとして、地球が時として荒々しい反作用を示したとしても、それは驚くべきことではありません。

もし地球の回復をもたらすような意図的な行動が何も行われなければ、そう遠くない将来、数億人の命が脅かされる危険がありますし、もしかしたら人類全体の存続さえ脅かされるかもしれません。地球が、母なる大地としての尊敬を受けてきた日々は、遠い過去となってしまったようです。私たちが、地球を愛することを学び直し、環境問題に常に配慮を払うことがこれほど重要になったことは、いまだかつてありません。

 

全体として人類は地球を尊重していませんが、多くの人が自然を愛しています。それは、水、ミネラル、微量元素など大地に由来する要素で人の体が構成されているという意味で、地球がすべての人にとって母にあたるからでしょう。人間の中の最も貴重な部分である魂についても同じで、人間の魂と地球の魂は不可分です。

私たち自身が気づいているかいないかにかかわらず、地球と人の間には、生物学的にもスピリチュアルな意味でも、極めて深い絆があり、それゆえに人間にとって地球に愛を感じるのは極めて自然なことです。日暮れの美しさ、渡り鳥たちの編隊、巨木、散りばめられたように花が咲いている野原に心を動かされたことが一度もなかった人がいるでしょうか。

このようなときに私たちが感じているものは、客観的な感覚も思考もはるかに超越しているので、その感情を言葉で表現したり、他の人に伝えたりするのは極めて難しいことです。

日暮れの海岸とヤシの木

 

人間の最も貴い部分である魂は、自然界の魂と不可分であると同時に、宇宙の魂(Universal Soul)とも不可分です。それゆえに愛とは、万物に内在する普遍的な力だと推測することができます。

このことから考えると、さまざまな宗教で語られているように、宇宙の創造それ自体の源泉は、ある創造者の愛なのではないでしょうか。何らかの宗教を信じている人の多くは「そうです」と答えるでしょうし、無神論者は「いいえ」と答えることでしょう。

しかし確かに私たちは、満天の星空をじっと見つめたとき、無限の宇宙に“引き寄せられる”ように感じ、まさにこのような瞬間に、ビクトル・ユーゴが次のように述べた感情を体験するのではないでしょうか。「何か偉大なものが、私たちに耳を傾け、私たちを愛している?」。

興味深いことに古代ギリシャの哲学者たちは、このお手紙の最初に話題にしたアガペ(Agape:精神的な愛)が、「至高の善」(Supreme Good)を意味するアガソス(Agathos)と不可分であると考えていました。

 

友愛の思いとともに、皆様のご多幸をお祈り申し上げます

 

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

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ふたたび本庄です。

 

3回にわたって、セルジュ・ツーサンの「愛へのお手紙」をご紹介してきました。

最後に話題になりましたが、皆さんが満天の星空を最後に見たのはいつのことでしょうか。私は、湯西川温泉で露店風呂から見た夜空が最後で、もうそれから7年ほどが経ちました。

コロナ禍の時期が過ぎたら、のんびりゆっくりと旅を楽しみたいと、もしかしたら皆さんもお考えではないでしょうか。

 

では、今日はこのあたりで。

また、よろしくお付き合いください。

 

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