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超越について

2021年3月12日


こんにちは。バラ十字会の本庄です。

 

今朝のテレビ番組で紹介されていたのですが、春のこの時期に降る雨は「催花雨」と呼ばれるそうです。さまざまな花が開くきっかけになるからだそうです。素敵な言葉ですね。

いかがお過ごしでしょうか。

 

今回は、当会のフランス代表が書いた『超越について』という文章の翻訳をご紹介したいのですが、初めにご説明しておきたいことがあります。

フランス語の「transcendance」には「超越する」という意味のほかに、「困難などを乗り越えること」、「自分に打ち勝つこと」という意味があるのですが、日本語にはこれらを合わせ持つ言葉がありません。以下の文章を読むときには、このことを考え合わせていただければと思います。

 

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記事:「超越について」

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

 

超越(transcendance)という言葉が、私たち人間に当てはめられる場合、それは自分自身に打ち勝つことや、障害や困難や試練を乗り越えることを意味します。

そのようなときに私たちは、自分の意志、勇気、体力、精神力を注ぎ込んで、それをなし遂げます。はっきりとしている場合とそうでない場合がありますが、人生には常に新しい状況が生じ変化しているために、私たち人間には、今までの自分を超える能力を発揮することが、たびたび必要とされます。

また、それほど大げさな事柄ではありませんが、ただ単に毎日職場に向かうということにも、特に自分の仕事があまり好きでない場合には、自分に打ち勝つことが強いられます。

海を走る白い帆のヨット

 

打ち勝つということと切っても切り離せないのがスポーツの分野、特に個人スポーツの分野です。たとえば長距離走の選手は、走り続けるための意志を心の奥から絞り出して、生理的な欲求、つまりレースを止めてしまいたいという誘惑に打ち勝たなければなりません。

同じように、ひとりで大きな海を横断することをなし遂げようとしているヨット競技の選手には、一日の大部分の時間に目を覚ましていなければならないということを初め、多くの点で自分に打ち勝つことが要求されます。

難峰に単独で挑む登山家には、体力と技術だけでなく並々ならぬ精神力が必要とされます。これらの例では、スポーツに関するある目標や記録の達成のために、困難を乗り越える、自己に打ち勝つということが行われます。

山と雲海とロッククライミングをしている人のシルエット

 

このような例では、乗り越えるということそれ自体は、目的というよりは、ある特定の目標をなし遂げるための手段であると、おおむね言うことができます。しかしある場合には、乗り越えるということが、目的それ自体になることもあり、心の探究、鍛錬ととても良く似た性質を持ちます。

バラ十字会員の多くや、他の多くの人たちが心の探究、鍛錬に取り組んでいます。彼らは、学んだ情報や技法、哲学を活用して、個人的な利益のためだけでなく他の人たちのためにも、自分自身の最良の面を行動に表すことができるように努力しています。

この場合もまた、乗り越えるということには多大な意志の力が必要とされます。人間として自身を向上させる努力を行うことに比べて、自分の欠点や弱点に目をつぶりそのままにしておくことの方が、はるかに簡単で楽なことだからです。

レシーブをするバドミントン選手

 

さて、もうひとつの「超越」として、超越というレベルを超越した「超-超越」というものについて述べることができます。それは、宗教という分野でいわゆる“神”と呼ばれているものです。

多くの宗教では神のことを、世界を超越していて、時の始めから自然界を支配し、個人や集団としての人間の運命を定めている、人に似た存在だと考えています。

少し抽象的になりますが、バラ十字会の哲学ではこのような人格神ではなく、宇宙の法則の源としての創造者が想定されています。

一方で不可知論者は、このような超越的なものが存在することを認めていますが、それは定義することも表現することもできず、宇宙や自然界や人間に対してどのような意図も持たないと考えています。つまり不可知論者は神あるいは創造主が存在すると考えていますが、それが何であるかを理解しようとしていません。

 

多くの場合、「超越」と「内在」は、神の反対の性質を意味すると考えられています。神とは「万物とは区別され別々である超越した原理」だと考える人たちがいる一方で、「万物に遍在する(すべての場所に内在する)実在」だと考える人もいます。

バラ十字会の哲学の立場では、それは超越すると同時に内在すると考えられています。つまり、創造主は人間の理解が及ばない絶対的な知性であると同時に、森羅万象の物質面と非物質面の両方に充満している普遍的なエネルギーであると考えられています。

比喩的に説明するならば、太陽は地球とは区別され、ある意味で地球を超越するものであると言うことができますが、一方でその光と熱は地球にとって内在的であり、地球はその光に浸されその熱に暖められ、地球に住むあらゆる生きものがその恩恵を受けています。

地球儀を囲む子供たち

 

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

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ふたたび本庄です。

 

前半の「超越」、心の探究と鍛錬で思い出したことがあります。

私ごとですが、新型コロナのため趣味のバドミントンをお休みしています。それ以前に行っていた地域サークルでの練習でのことです。

中学生と高校生にバドミントンを教えている教師の方とダブルスを組む機会があり、何がきっかけだったかは忘れたのですが、彼に非難ではなく素朴に、「バドミントンを何のためにやっているの」と聞いた覚えがあります。

 

即座に「体と心を鍛えるためですよ」と答えられ、「おお!」と思いました。

素晴らしい考えを持っている人だと感心しました。だいぶ以前の、ちょっとした思い出です。

 

以下は、前回のセルジュ・ツーサンの文章です。

愛へのお手紙」(その3)

 

では、今日はこのあたりで。

また、よろしくお付き合いください。

 

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