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復元性について

2021年11月19日


こんにちは。バラ十字会の本庄です。

いよいよ寒くなり、雪の便りもあちこちから聞かれるようになりました。今週末は、押し入れから、毛布を引っ張り出すことにします。

 

皆さんは、いかがお過ごしでしょうか。

 

今回は、当会のフランス代表が自身の人気のブログに掲載した「復元性」(résilience:レジリエンス)についての記事をご紹介します。

インターネットで「復元性」という言葉を検索すると、一例として、ヨットなどの船舶が旋回の遠心力などで傾いたときに、どこまで倒れずにいられるかを意味すると書いてありました。

高校の物理で習った、バネの復元力のことを思い起こす方もいらっしゃることでしょう。

 

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記事:「復元性について」(Á propos de la résilience)

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

セルジュ・トゥーサン、バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表

 

哲学者や心理学者、社会学者が、個人や社会、集団や国家に関して、復元性ということをテーマに議論しているのを、たびたび耳にすることがあります。

復元性という言葉は、これらの人にとってなじみ深い用語であり、明確に定義された意味を持っていますが、おそらく多くの皆さんは、それほど深くご存知ではないことでしょう。

ですから、復元性という言葉について簡潔に解説して、バラ十字哲学の立場から、それについてどのようなことが言えるのかをご紹介したいと思います。

 

復元性
la résilience

復元性という言葉は、使用される文脈によって異なる意味を持ちます。

たとえば生態学(écologie:エコロジー)では、「生態系や、ある生物種の全体、または個体に異常が生じた際に、正常な機能を取り戻す性質」を、経済学では「経済システムが打撃を受けた後に、成長軌道に戻る働き」を、心理学では「心的外傷後ストレス障害(PTSD)から、以前の状態に戻る能力」を意味するなどです。

ですから、一般的な意味で復元性とは、「人間や他の生物、組織やシステムにある変化が生じた後に、元の性質を取り戻す力」だと言うことができます。また、もう少し広くとらえるならば、ある人や集団が試練を乗り越え、立ち直り、調和や幸せを再び手に入れる能力だと言うことができます。

コロラドの森林火災の後に生えた若木

コロラドの森林火災の後に生えた若木

 

ですから、人間の個人や集団に復元性という言葉が用いられた場合、それは、美点とまでは言えないとしても、人間が持つ好ましい性質を意味します。実際のところ、それは人間の能力の中でも最高のものとさえ言えるかもしれません。

復元性は「内面的な強さ」と言われるものにあたり、バラ十字哲学の観点から言うと、復元性の源泉は、私たち人間の心の最も深い、崇高な部分に存在します。

何らかの試練に出くわし立ち直りたいと望むときに、私たちは必ずこの源泉から力を得て、望ましい行動を取るための意志と勇気を手に入れます。

重さに耐えるウズラの卵

 

倫理
l’éthique

復元性(résilience)について語るときには、それと深い関連を持つ動詞である「終わらせる」(résilier)のことを取り上げるべきでしょう。

この2つの語の関連から考えると、復元性とは、「望ましくない振る舞いを終わらせる」、つまり「望ましい行動を採用する」ことに関係すると言うことができます。

ですから復元性は、バラ十字哲学の重要な要素である「心の錬金術」(訳注)、つまり人間の弱さや欠点をその反対のものに変換することと類似する観念です。

(訳注:心の錬金術(alchimie spirituelle):物質の錬金術が卑金属を貴金属に変化させることであるのに対して、心の卑しい要素を貴い要素に変容させる実践。)

四大元素(土、水、火、空気)と地球

 

この変換によって、人はより高いレベルに到達し、もし多くの人がそれを達成するならば、その結果として世界の状況が改善します。

自然界の復元性について考えた場合、それは現在では、自然を尊重し、自然と調和して生きる人間の能力に大きく左右されるようになっています。

日の光を浴びている発芽したばかりの木

 

人類が悪い方向に向かっていると考え、絶滅する可能性さえあると感じている人が多くいます。

私たち自身を救い、明るい未来を迎えることができるようにするためには、復元性のための行動を取らなければ、つまり、現在広まっている誤った価値観を打破しなければなりません。

そのためにはある道徳観を採用しなければならないと私は考えています。

あらゆる時代の賢人が、寛容、非暴力、謙虚さ、誠実さ、思いやり、寛大さなどの、人間の行動に表れる美点を賞賛してきました。人類の未来のために採用すべき道徳観は、これらの美点を、個人としても集団としても自分の行動に表したいという欲求に基づくべきだと私は思います。

言い換えるならば、自身の選択と行動が、倫理的であるようにすることが、かつてないほど私たちに求められています。

 

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

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ふたたび本庄です。

 

さて、滋賀県の郷土料理の鮒(フナ)寿司のことを、皆さんもご存知のことと思います。最高に美味しいお酒のつまみです。

以前調べたことがあるのですが、驚いたことに鮒寿司は古代から作られていました。縄文人の保存食だったのです。

 

縄文人は、琵琶湖の周辺の湿地帯を細心の注意を払って守っていたのだそうです。それが、湖の生態系の復元性のために、決定的に重要であることを知っていたからです。

これはほんの一例ですが、私たちには歴史から学ばなければならないことが、山ほどあるように思います。

参考記事:「縄文文化の精神性

 

では、今日はこのあたりで。

また、よろしくお付き合いください。

 

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