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バラ十字会の心理学

2021年12月3日


こんにちは。バラ十字会の本庄です。

とうとう師走が訪れました。東京板橋では、雲ひとつない晴れの日が数日続いています。日本海側の地域は、雪で既にご苦労も多いことと思います。

 

いかがお過ごしでしょうか。

 

さて、当会のフランス代表が自身の人気のブログに「バラ十字会に関する質問」というコーナーを設け、いくつかの記事を掲載しています。その中から今回は、「バラ十字会と心理学には関連があるのですか?」という記事をご紹介します。

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記事:「バラ十字会と心理学には関連があるのですか?」

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

セルジュ・トゥーサン、バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表

 

心理学の語源
L’origine etymologique du mot «psychologie»

心理学(psychologie)という語の語源は、ギリシャ語の「プシューケー」(psukhe:魂)と「ロゴス」(logos:話し)であり、心理学とは「精神活動の仕組みと働き方、およびそれに関連する行動を理解するための学問」を意味します。

フランス語のこの言葉を最初に使ったのは、シャルル・ボネ(Charles Bonnet, 1720-1793)という、博物学者であり哲学者であった人物だと思われます。そして17世紀に、この学問を現代的な形に発展させ、科学の一分野にしたのは、デカルト(1596-1650)です。

しかし実際のところ、古代ギリシャの哲学者たちはすでに、目覚めている状態や睡眠中に人間が経験する意識の状態や、精神の活動が進んでいく様子に、深い興味を持ち研究を行っていました。当時、心理学は哲学と切っても切り離せない関係にあり、そのいずれも、心に崇高さをもたらすということが、動機の一端になっていました。

 


La psyche

魂(psyche)という観念はとても古いものであるのに対し、科学としての心理学は比較的最近のものです。心理学が多くの人が知られるようになったのは、ジークムント・フロイト(1856-1939)の功績です。彼は治療のために心理学を用い、自分の著作でそれを公表しました。彼はまた精神分析学の創始者だとされています。

しかしフロイトは、当時まだ生まれたての学問であった心理学に、唯物論的な方向性を与えたということを知っておく必要があります。そのため、彼の弟子であったカール・グスタフ・ユング(1875-1961)は、ある時期からフロイトと決別することを選び、彼独自の心理学の方法を発展させました。

かつての“師”とは異なり、ユングは人間の非物質的な要素を認める立場を取り、すべての人にはソウル(soul:魂)が存在するということを当然のことだと考えていました。

ジークムント・フロイト

ジークムント・フロイト Max Halberstadt, Public domain, via Wikimedia Commons

 

心理学
La psychologie

現在でも、フロイトの心理学とユングの心理学はたびたび話題にされています。先ほども述べましたが、フロイトの心理学には物質や物質的な現象を重視する傾向があり、ユングの心理学には、非物質的な現象や心の深奥の働きを重視する傾向があります。

しかし、私たちは心理学のこの2つの取り組みのいずれにも反対しているわけではありません。この2つの学派はいずれも、人間の精神と感情のプロセスを理解することを目標にしています。このプロセスによって人はひとりひとり、過去、現在、そして来るべき未来において、ユニークな人格になっています。

さらに、治療行為の資格を持つ心理学者は、いずれの学派に属しているに関わらず、患者の苦しみを軽減し治癒をもたらすことに努力を傾けています。

カール・グスタフ・ユング

カール・グスタフ・ユング unknown, upload by Adrian Michael, Public domain, via Wikimedia Commons

 

バラ十字会の心理学

La philosophie rosicrucienne

バラ十字会の哲学では、非物質的なソウル(soul:魂)が人間の本質的な要素であると考えられており、「ソウルに関連する現象を検討する」という意味で、心理学が学習の不可欠な一部になっています。

そのため、当会の学習課程のある段位は、人間の意識の階層(客観的意識、主観的意識、下意識など)と、その仕組みに支えられている働き(記憶、思考、想像など)を学習することに専門に充てられています。

このような学習によって、恐れや不安を抱えるなどの望ましくない習慣と、希望や向上心を持つなどの望ましい習慣を、生活において形成していく心理学的なプロセスを熟知することができます。

バラ十字哲学の観点から言うと、このような心理学的プロセスを理解することは、自身の精神、感情、深層意識の間のバランスを良好に保つための重要な要点であり、それゆえに広く言えば、人が幸せであるための重要な知識になります。

心理学(イメージ)

 

バラ十字会の心理学への取り組み

L’approche rosicrucienne de la psychologie

先ほど述べたように、バラ十字会の心理学の取り組みでは、非物質的な要素が重視されています。それは、ソウルが存在すると考えられているためであり、人間の意識はソウルから発している、ソウルの基本的性質であると考えられているためです。

そのため、五感や思考などの精神の状態と、心の深層が関わる心理的状態の間には密接な関連があると考えています。また、思考と感情は「身体の状態」に影響を及ぼすので、健康がそれによって左右されることは明らかだとされています。

人間に関するこのホリスティッックな(holistic:全体論的な)考え方は決して新しいものではなく、17世紀のバラ十字会の文書にすでに表明されていました。

バラ十字国際大学には心理学の学部があるという事実も最後に付け加えておきましょう。このことも、バラ十字会が心理学を重視していることの表れのひとつです。

 

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

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ふたたび本庄です。

 

この記事を読んで思い出したのですが、皆さんは、ユングの『赤の書』をご存じでしょうか。この本は、第一次世界大戦直前に心が不安定になった彼が、自分の夢やビジョンを書き留めたものを元に構成されています。つまり、ユングの作った、心理学的な自己実験の記録のようなものです。

 

ユングの生前に出版されることはなかったのですが、遺族の了解で2009年から世界各国で出版されているそうです。安価な本ではないのですが、バラ十字哲学と錬金術には深い関連があるので、かつてから、時間を見つけて読みたいと思っている本のひとつです。

しかし、この本が私にとって有益なのか、誰にとって有益なのかは私にはよく分かりません。ちらっと見たところでは、極めて怪しい、心が揺さぶられる本のようです。

 

下記は、前回のセルジュ・ツーサンの記事です。

参考記事:「復元性について

 

では、今日はこのあたりで。

また、よろしくお付き合いください。

 

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