以下の記事は、バラ十字会日本本部の季刊雑誌『バラのこころ』の記事を、インターネット上に再掲載したものです。
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有名なファラオの謎めいた彫像- バラ十字古代エジプト博物館のコレクションから
Enigmatic Head of a Famous Pharaoh – RC 358
バラ十字古代エジプト博物館に展示されている、新王国時代のエジプトのファラオのこの実物大の彫像の頭像は一部が欠けていますが、人を引き付ける魅力があります。この遺物はニューヨークのブルックリン美術館から1938年に購入されました。この彫像は赤みがかった珪岩でできており、その左半分にはネメスの頭飾りと呼ばれる、王を象徴する縞模様の頭巾が残っており、額のあたりにはとぐろを巻くコブラをかたどった、浮彫の蛇形章が飾られています。
この遺物には、極めて洗練された職人の技術が示されています。その造りのスタイルに見られる全般的な特徴から、アマルナ時代(紀元前1450-1350年)かそれに近い、アメンホテプ3世とラムセス2世の治世の間のいずれかの時期の頭飾りだと思われます。
彫像の頬と目や鼻のあたりの形状と表面の仕上がりには、特徴的な柔らかさが表れています。特に、この彫像の目は繊細に形作られており、通常描かれるような太いまつげのラインやくっきりとした輪郭の眉毛はありません。破壊されずに残った左の耳は極めて慎重に形作られており、内側の細部まですべて見ることができます。イアリング用の大きな穴が空いたややふっくらとした耳たぶも、アマルナ時代の表現の特徴です。
蛇形章の形、目と耳の作り、顔の全般的な特色などのすべての興味深い特徴から考えると、これはおそらく、少年王と呼ばれたツタンカーメンの精巧な彫像の一部です。この彫像は、古代都市テーベ(現在のルクソール)の西部のメディネット・ハブの近くにあった、ツタンカーメン王の葬儀を行う神殿のために作られた一連の作品のうちのひとつではないかと思われます。ボストン美術館とカイロ博物館にも同様の作品が展示されています。
ツタンカーメン王の彫像の大部分は、彼の後継者となったファラオのアイとホルエムヘブによって強奪され、他の像に作り変えられました。この貴重な彫像は、こうした彼の運命と、短くも注目に値する彼の治世の困難な時代を思い起こさせてくれます。
エジプト第18王朝期(紀元前1325 年頃)
当会は神秘学の源流が古代エジプトにあると考え、その研究に注力しています。研究拠点のひとつ、米国カリフォルニア州サンノゼ市にあるバラ十字古代エジプト博物館は、毎年10万人以上が訪れる人気の観光スポットであり、子供向けの考古学のイベントを開催して、地元の教育にも貢献しています。
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