人は誰もが一度は、「良い人生とはどのような人生なのか」と考えたことがあるでしょう。しかし、何をもって良い人生と感じるかは人によってそれぞれ異なり、100人いれば100通りの答えが出てくると言っても過言ではありません。
「良い人生とは」というテーマには、人の感じ方と価値観の多様さが関わっていますが、「良い人生」の本質には、かなりの共通点があるということも言えます。個々の価値観に沿いながら、良い人生の本質を見極めることは決して不可能ではありません。
今回は、良い人生とはどのような人生なのか、その本質に迫るとともに、良い人生を送るために気をつけたいポイントを解説します。
1. 良い人生とはどのような人生?
どのような人生を「良い人生」とするのかは人によって異なります。しかし、そこに共通点がまったくないわけではありません。「人生の一つひとつの瞬間に充足を感じられること」は多くの人に共通する良い人生の特徴と言えます。また、良い人生には、何をなし遂げたかという結果だけでなく、日常の小さな体験や思いも大切な要素です。
そこでまず、多くの人が「良い」と感じたり判断する人生に共通する条件・要素について考えてみましょう。

1-1. 後悔が少ない人生
後悔とは、自分が過去に行った選択を悔やむことを意味します。後悔の一部は長く心に残り、自分を責める原因になることも少なくありません。
基本的に、人生は無数の選択の積み重ねから成り立っており、誰もが多かれ少なかれ後悔を抱えながら生きています。しかし、後悔にとらわれ過ぎないことは、充実や幸せを実感するために重要であり、後悔が少ないことは良い人生の1つの条件と言えます。
後悔には主に2つのパターンがあります。1つ目は「行動に対する後悔」で、過去に取った行動が原因で「失敗した」と感じる場合に生じるものです。2つ目は「行動しなかったことに対する後悔」で、挑戦しなかったり選択を避けたりした結果、「あのときやっていれば」と悔やむパターンです。
どちらのパターンの後悔も、実際に起きたことを事後に冷静に見つめ直し、自分が陥りやすい失敗の種類を知ることが、後悔を減らすポイントになります。
1‐2. なりたい自分を目指す人生
理想の自分像を、人によって明確さに差はあることでしょうが、誰もが心の中に描いています。「なりたい自分」を実現できれば自己肯定感が高まるだけでなく、挑戦する勇気が湧いたり日々の充実感が増すなど、人生にポジティブな変化を多くもたらします。
しかし、なりたい自分に変わろうと思っても、周りにどう思われるかを気にしたり、「自分にはどうせ実現できない」とネガティブな気持ちにとらわれたりして、挑戦を避ける人も多くいます。
実際のところ、努力すれば誰もが理想の自分になれるわけではありません。重要なのは、目標に向かって進む過程で得られる満足感と喜びであり、たとえ最初に思っていた理想通りの結果にならなくても、なりたい自分を目指す挑戦は、良い人生の大切な一要素だと言えます。
1‐3. 良好な人間関係を築ける人生
良好な人間関係を築ける人生は、多くの人にとって良い人生の条件の1つと言えるでしょう。なぜなら、人は他者とのつながりの中で生きる存在であり、家族や友人・パートナーなど信頼関係にある相手から得られる支えや安心感が人生の幸福度や心の安定に大きく寄与するためです。
そもそも良好な人間関係とは、相手を尊重し、お互いに理解し合いながら築かれる関係を指します。信頼できる相手と悩みを共有し支え合うことで、ストレスを減らすことができますし、逆境を乗り越える力も手に入ります。また、良好な人間関係によって、自分の価値観を広げながら新たな気づきを得る機会がもたらされます。
このように、他者との関係が人生に与える影響は計り知れません。良好な人間関係を築くことは、自分自身の幸福感を高め、良い人生を送るための重要な要素と言えます。

1‐4. 精神的に豊かな人生
精神的な豊かさは、良い人生の重要な要素です。このことが重要なのは、個人にとってだけではありません。現代社会には精神的な豊かさが軽視される傾向があり、数多くの問題の原因になっています。
精神的な豊かさとは何かをはっきりさせるためには、物質的な豊かさ(収入、地位、所有する物)と対比して考えるとわかりやすいことでしょう。具体的には、「日々の小さな喜びを感じられること」「周囲の人々や置かれた状況に感謝できること」「失敗や困難も成長の機会としてポジティブに捉えられること」などが挙げられます。
ワーク・ライフ・バランスという言葉があるように、精神的な豊かさと物質的な豊かさは、バランス良く追求するのが、多くの場合に望ましいことです。
精神的な豊かさは、単なる幸福感や喜び・楽しさとは異なります。ときには、直面した困難によって新たな視点を手に入れることが、精神的な豊かさにつながることもあります。
精神的に豊かな人生を送る人の多くは、自分の価値観や生き方を他人と比較せず、独自の視点から満足を追求します。この取り組みは、内面的な強さと成長を手に入れるために、自分自身を深く理解しながら進む道だと言うことができます。この道を歩む手助けとして、当会の下記の通信講座をお勧めします。下のボタンを押して詳細をお読みください。
2. 良い人生を送るために気をつけたいポイント
良い人生を送るためには、後悔を少なくする工夫と、なりたい自分になれるよう、自分自身と向き合いながら日々を送ることが役に立ちます。また、精神的に豊かな人生のためには、他者の意見に振り回されないしなやかな心構えが重要です。
ここからは、良い人生を送るために気をつけたいポイントを5つ説明します。
2-1. 自身の価値観をしっかりと持つ
価値観とは、自分自身が持つ「物事の価値を評価する際の判断基準」です。分かりやすく言うと「自分が何を大切にしているか」「何に価値を見出すのか」を示す指標であり、意思決定や行動に大きな影響を与えます。
価値観をしっかりと持っていると、周りの人たちの意見に左右されず、自身にとって大切なことを理解しやすくなります。これにより、自身の考えとは異なる意見や指摘を他人から受けても、自身の基準に基づき信念を持って責任ある選択ができるため、後悔の少ない生き方をすることが容易になります。
2‐2. 自分自身に目を向ける
自分自身の内面や本心に意識を向け理解すると、「自分が本当に望むこと」「必要としているもの」が明確になります。結果として、日々の生活や選択において不安や迷いが少なくなり、良い人生に向けた無理のない目標を設定したり、計画も立てることがやりやすくなります。
それに加えて、自分自身を理解することは自己肯定感の向上にもつながります。自分の長所・短所と成長できた部分に気づくと、ありのままの自分を受け入れられるようになり、周囲の評価や期待に依存せず生きる土台が築かれていきます。
また、第三者の視点から自分自身を客観的に見る習慣をつけると、他者に対する理解が深まり、良好な人間関係の構築につながります。

2‐3. 他者と比べない
良い人生を送るために、自分と他人を比べるのを避けましょう。他者と自分を比較すると、多くの場合に自分に対する不満や劣等感が生じる原因となるからです。
基本的に人は、良い面よりも悪い面に意識が向きやすく、自身の「他者より劣っている部分」ばかりを気にして、落ち込んだり苦しくなったりする傾向があります。しかし、人は皆それぞれ異なる背景や価値観を持っているため、他者との比較に意味はほとんどありません。
他者と自分の比較にとらわれないためには、まず自分の目標や価値観に着目することが大切です。他者の成功や幸福を目にしたときは、自分と競う対象として見るのではなく、学びの材料として考える姿勢を持つと良いでしょう。
2‐4. 積極的に行動する
良い人生を送るためには、積極的に行動することが重要です。単に「良い人生を送りたい」と思うだけでなく、実際に行動を起こすことで経験や知識が増え、将来の選択肢が広がります。さらに、その行動が成功すれば達成感や自己肯定感を手にすることができます。
積極的に行動することのその他のメリットとして、「やらなかった後悔を防げる」「新たなスキルを身につけられる」「新たな趣味や仲間との出会いにつながる」ことが挙げられます。
行動を起こす際は、必ずしも大きな一歩を踏み出す必要はなく、最初から完璧な道筋を知っていなければならないわけでもありません。勇気を出して行動した結果が、たとえ失敗であったとしても、それを「学びの機会」と捉えれば、次につながる経験にすることができます。積極的に行動したことによって得られる成長の実感は、より良い人生の土台となります。
2‐5. 健康的な生活を送る
心身の健康は、充実した良い人生を送るための欠かせない基礎です。十分な睡眠やバランスの取れた食事、さらに適度な運動によって、体力や集中力を高めることができ、心理的な安定感も増し、良い人生を築くことが容易になります。
また、ウェルビーイングを意識した生活を送ることで、自分の幸福感をさらに高めることができます。ウェルビーイングとは、単に身体が健康であるだけでなく、精神的にも社会的にもよい(well)状態(being)であることを意味します。
言い方を変えれば、体だけでなく心の健康に留意すると同時に、良好な人間関係を構築することに心がけながら家庭・社会で生活することで、人は人生に対する前向きなエネルギーを手に入れることができます。
ウェルビーイングを高めて健康的な生活を送るためには、適切な生活習慣の確立だけでなく、ストレスの管理や自己肯定感の向上を目指した心のケアも必要です。前向きな思考を持って日常生活を過ごし、他者との絆も大切にすることが、心の安定と幸福感を維持する鍵になります。

まとめ
「良い人生とは何か」に対する答えは人それぞれ異なりますが、日常の中で得られる体験や充実感、そして自己実現に向けた努力がその基礎となることはおおむね共通しています。
具体的に言うと、「後悔の少ない人生」や「なりたい自分を目指す人生」、「良好な人間関係を築ける人生」、「精神的に豊かな人生」を、ほとんどの人に共通する良い人生の要素として挙げることができます。
良い人生を送るためには、自分の価値観をしっかり持つこと・他者と比べずありのままの自分を受け入れること・積極的に行動すること・健康的な生活を送ることが大切です。
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