投稿日: 2022/07/22
最終更新日: 2022/08/08

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

昨日の夕方、職場の近くにある石神井川沿いを歩いたところ、セミが鳴き始めていました。今日は大暑の日だそうです。まだまだ暑さが続きますね。

いかがお過ごしでしょうか。

今回は、当会のフランス本部の代表が英雄(ヒーロー)について書いた文章をご紹介します。

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記事:『英雄について』

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン

セルジュ・トゥーサン、バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表

◆ 英雄の起源

英雄(hero:ヒーロー)とはもともと、半神半人のことでした。つまり、神話などで半ば神であり半ば人間であるとされた存在、あるいは、何らかの理由で半神半人の地位に上昇したとされた人のことを意味していました。

ギリシャ神話には、特徴的で勇ましい何十もの英雄が登場します。その中でも、よく知られている何人かの名を挙げるならば、トロイア戦争で名を馳せたアキレス、十二の功業をなし遂げたことで有名なヘラクレス、アルゴー船で航海をして「金の羊毛」を手に入れたイアソン、ギリシャの詩人ホメロスの書いた大叙事詩『オデュッセイア』の主人公ユリシーズ、

怪物メドゥーサを倒してアンドロメダ女王を救ったペルセウス、半人半馬のケンタウルスと戦ったり怪物ミノタウロスを退治したりしたことで有名なテセウスなどがいます。これらの英雄たちはいずれも、勇気と聡明さ、そして自己犠牲の精神を示していました。

◆ 英雄が礼賛された理由

人類の歴史の初期に、思想家や哲学者や物語作家の一部が、生き生きとした英雄を生み出し、まるで実際に存在したかのようなキャラクターにしたのはなぜなのでしょうか。その理由は、当時の人々にとって、そのようなキャラクターが存在するということを信じ、自分自身をそのキャラクターと同一視することが必要だったためだと思われます。

古代のほとんどすべての民族に、独自の神話があります。そのような神話は「語り」として多くの人に披露されただけでなく、舞台の上で演じられ、そのような演劇の一部は入門儀式としての性質を帯びました。そして、このような語りや演劇の目的は常に同じでした。英雄的な行為を賞賛し、ヒーローを通して英雄的な行為の実例を一般の人々に示すことでした。

◆ 英雄の脱神話化

しかし英雄は、時代とともに神話とは無関係なものになっていきました。近・現代では、「戦争の英雄」が賞賛を集め、その多くが、集団、民族、国家の歴史的な記録の一部になっています。彼らの名前は記念碑に刻まれ、彼らの思い出に対して、公の式典を通して敬意が払われます。そして、戦争がある限り、人々が勇敢に英雄として行動しなければならないというこの状況は変わることがありません。

◆ 現代のヒーロー

戦争の英雄の他にも、現代のヒーローと呼ぶことのできる様々な人がいます。神話の時代の英雄とは異なり、現代のヒーローは神でも半神半人でもなく、その多くが、さまざまに異なる状況で”通常”の生活を送っています。そして、ある人にとってのヒーローが、別の人にとってヒーローであるとは限りません。

消防士や外科医や救急隊員など、人の命を救う人たちのことをヒーローだと考える人もいます。宇宙飛行士や未踏の地の探検家をヒーローだと考える人、自然環境や動物の保護に全力を傾けている活動家のことをヒーローだと考える人もいます。また、スポーツマンのことを真のヒーローだと見なし、賞賛したり崇拝したりする人もいます。

◆ 自身の内面に潜むヒーロー

しかし、私たちがさらに目を向けるべきなのは、自分自身の奥深くに潜んでいるヒーローだとは考えられないでしょうか。おそらくあなたも納得されることでしょうが、このヒーローとは、自分自身の最良の部分であり、神秘家やバラ十字会員の多くが「内なる師」と呼んでいる心の要素です。神秘哲学の立場から言えば、それは自身の精神の奥に潜んでいる心の崇高さに相当します。

心のこの部分には、人間、より正確に言えば人間の魂(soul:ソウル)の最も美しい道徳的長所が含まれています。それは、勇気、誠実さ、克己心、利他心などであり、まさにすべての人の心の奥にこれらの道徳的美点が含まれていることが理由で、必要な状況に直面したとき、人は誰でもヒーローになることができます。

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

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ふたたび本庄です。

多くの方に「古い!」と言われそうですが、ヒーローと言われて私が思い出すのは、俳優のハリソン・フォードさんが演じた2つの役です。

インディ・ジョーンズ・シリーズの考古学者とスター・ウォーズのハン・ソロ。胸が熱くなるシーンをいくつも思い出します。

下記は、前回のセルジュ・ツーサンの記事です。

参考記事:「無知という知について

では、今日はこのあたりで。 また、よろしくお付き合いください。

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