
山下 勝悦
※ バラ十字会は、宗教や政治のいかなる組織からも独立した歴史ある会員制の哲学団体です。
今回はジャズ・ミュージシャンと呼ばれている方たちの逸話&名言です。
私の大好きなジャズ・ミュージシャン、エリック・ドルフィー(1928-1964)に関した逸話と名言です。
エリック・ドルフィーが演奏に使用した楽器は、アルトサックス、フルート、バスクラリネットの3種類でした。
主な活動期間は1958年〜1964年と短期間でしたが数多くのセッションに参加。彼の独特な音楽観からフリー・ジャズに分類されたりもしますが、実際は音楽理論に基づいたアドリブの展開だったと言われています。そして彼の残した演奏作品は今でも現在のジャズ界に影響を与えていると言われています。
エリック・ドルフィーは当時から天才ミュージシャンと評されていましたが、実は練習の鬼でもあったと言われています。
あるとき、「あなたほどの高度のテクニックの持ち主が、なぜそれほどまでに厳しい練習をやられるのですか?」と問われ、こう答えたのだそうです。
「学ばねばならぬことがたくさんあるのです。上達するにつれて、あり得ぬはずのものが、手のとどくところに来てしまうんですからね」と。

次もエリック・ドルフィーの逸話となります。
彼の最高の理解者の一人でもあったジャズ・ベース奏者のチャールズ・ミンガスが語った言葉です。
「あるとき、あるクラブで私は長々としたソロを演じた。耳を傾けている客は一人もいなかった。たまらないことである。するとエリックは後ろからささやいた。『しっかりやりましょう。皆が聴いてないようにみえますが、あそこの隅で熱心に聴いている人がいるんですよ』。こういう言葉で臨機応変に鼓舞する男が他にいようか。下積みの苦労をなめながら、彼の心はこうも温かったのだ。」
次は名盤「ラスト・デイト」に彼の肉声で録音されている名言です。
「音楽は終わると空中に消えてしまう、誰もそれを取り戻すことはできない」。
ジャズ・ファンの間では今でも名言と言われています。
この言葉に関しては、私らジャズ・ファンにも、評論家の間にもさまざまな解釈が存在します。
文字通りに解釈する人もいれば哲学的な解釈をする人も。
もしかするとジャズ・ファンの数だけ存在するのでは?
皆さん方はどう思われますか?
興味がおありの方は「エリック・ドルフィー、名言」で検索してみて下さい。
彼は1964年に36歳で糖尿病による心臓病で没しましたが彼の演奏は今でも数多くのレコードやCDで聴く事が出来ます。
そこで、私が所有しているエリック・ドルフィーのレコードとCDの数を改めて数えてみました、すると両方合わせて70数枚ほどありました。
家族からは「もう増やさないでくれ」と言われています。
その訳は、親戚一同、誰も引き取り手が居ないから……と。

次は日本のジャズ・ミュージシャンの話といきましょう。
アルトサックス奏者の坂田明さんの名言……?です。
「テレビで津波の映像見ながら泣くことしかできなかった。何もできない人間、役立たず。それでも、いろいろ考えた。役に立たない役ってあるんじゃないかって」
テレビで東日本大震災の津波の映像を見た時に出た言葉だそうです。
同じ様なことを歌手の前川清さんも阪神淡路大震災の時に言っておられましたよね。クールファイブ時代のヒット曲「そして、神戸」を封印しましたと。
それでも神戸の方たちから「私らの応援歌として唄ってください」との声に応えてその年の紅白歌合戦で唄われましたよね。
坂田明さんも「こんな時だからこそやらなくてどうする」と決心されたのだとか。
そしてできたのでしょうか? 坂田明さんの作品に同名の「役立たず」という曲があります。
これは聴いてみたい、と思いCDを購入しました。「枯れたひまわり」というタイトルのCDの2曲目に入っていました。
CDに入っているライナーノーツの中で「役立たず」に関したことが解説(?)されていますが文章の最後に「*注:」があり、こう書かれています。
「この文章が断定的に書かれているところは適当にそれで判断して下さい。独断と偏見で満ちあふれていますので、そこんとこよろしく!」と。
さすがに坂田明さん、文章でもシッカリとフリー・ジャズ演ってました(笑)。
ところで、この曲「役立たず」を聴いてみたいと思われる方がおられましたら、そのときはシッカリと腰を据え、ガッチリと身構えてから聴かれることをお勧めします。曲の最初から坂田節が強烈な勢いで炸裂します、驚きますよ〜!!
私が最初に聴いたときは危うく椅子からずり落ちそうになりました(これホントです!!)。
ちなみに、私はこういったジャズが大好きです。

今回はジャズ・ミュージシャンに関した話でしたので最後はジャズ・ミュージシャンがテーマの笑い話で締めましょう。
演奏中にギター奏者が楽譜のどこを演奏しているのか分からなくなってしまいました。いわゆる「ロストした」状態です。
そこで演奏中に隣りのドラム奏者に大声で聞きました。
「いま、どこ?いま、どこ?」
するとドラム奏者が「厚生年金ホール・厚生年金ホール!!」
いま、どこには違いないのですが演奏している場所を言っても始まらないでしょう(笑)。
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執筆者プロフィール
山下 勝悦
1947年11月22日生まれ。山形県村山市在住。バラ十字会日本本部AMORC理事。 おやじバンドでの演奏と地元のお祭りをこよなく愛し、日常生活の視点から、肩ひじの張らない神秘学(mysticism:神秘哲学)の紹介を行っている。