アフェクタートル
デモクリトスは、プラトン、ソクラテス、そしてアリストテレスと同じ、古代ギリシアの哲学者です。彼の哲学は、豊かな学識に支えられ、広い範囲のテーマを含んでおり、プラトンとアリストテレスの業績にも匹敵すると見なされています。彼は、「笑う哲学者」として知られるようになったほど快活な性格で、高い倫理観を持っているという評判を得ていました。
デモクリトスは、原子というひとつの要素からなる、一元論的宇宙について述べた古代哲学の大家でした。デモクリトスの師であったレウキッポスは、唯物論的な哲学にあたるこの一元論について、おそらく歴史上初めて明確に述べた哲学者でした。原子とは、それ以上分割することができない物質を構成する粒子であり、原子は常に動いているとレウキッポスは説きました。レウキッポスの哲学を熟知していたデモクリトスは、紀元前4世紀に、すばらしく明晰な思索によって、この考え方を発展させることに成功しました。そして、現代の私たちは、知識という人類共有の財産に、彼が加えてくれたこの考え方に感謝しています。彼は論証や実験をほとんど行うことはなく、直観的な思索を重ねた結果として、この情報を受け取ったと言われています。
デモクリトスは、自然科学者であり、その当時最も博学だとされていた思索家でした。彼はこのように言っています。「ものごとは、でたらめに起こるのではなく、法則に従って起こり、必然的に決定されている」。彼の哲学の体系は「原子論」(Atomism)であると考えられています。そして、現代の原子論よりも2,000年以上も前の先駆者にあたります。
デモクリトスは、宇宙に関する自身の一元論哲学を、神々から直接受け取ったと考えていたので、ソウル(魂)も原子の組み合わせからなると説いていました。これは、ヘラクレイトスの哲学の「ソウルの火」にあたると考えることができます。原子は、高い振動数によってソウルのエネルギーを作り、ソウルに激しい熱を発生させるとデモクリトスは考えています。ソウルを作っている特別な原子は、死の時に大いなる貯蔵庫の中に戻りますが、決して破壊されることはなく、失われることもありません。デモクリトスによると、ソウルの本質は、その起源である宇宙に必ず戻ります。
デモクリトスが、精神や知識の進歩も、原子によって説明できるとしたのは、おそらく、一元論という考え方を押し進めたことによるのでしょう。生命も、意識と思考も、極めて優れた原子からもたらされると彼は説いています。そして、彼は大胆にも、神自体も原子の集合であり、その原子は、人間の原子よりも強力に表れているのだと主張していました。
哲学史の研究家ディオゲネス・ラエルティオスによると、デモクリトスは物理学、数学、倫理学、文法などをテーマにする72の著作を書いていますが、それらは、ほんのいくつかの断片が残っているだけです。心の穏やかさを反映し、恐怖や情念によって乱されない幸せを、デモクリトスの倫理学は目指しています。節制を実践し、心の清らかさを磨き、高貴な行ないを培っていくことが、すべての人がなすべきことであると彼は考えていました。
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