カフナ - 古代ハワイの神秘学(ハンセル・エ=チャン)
ハワイの言語は、美しく、驚くほど表現力が豊かで、ひとつひとつの言葉や、言葉の一部にも意味が満ちています。「カフナ」(Kafuna)という言葉は、「カ」(ka)と「フナ」(huna)という2つのハワイ語に由来すると言われていて、文字通りに訳すと「秘密にされていることがら」という意味です。またその言葉は、「カフ」(kahu)と「ナ」(na)の二つの言葉から来たとも言われ、直訳すると「何かを守護するもの」を意味します。したがって、「カフナ」とは全体としては、「秘密の守護者」を意味すると解釈されています。古代のハワイの神秘家たちは「カフナ」と呼ばれ、様々な事柄に関して優れた能力を持ち、スピリチュアルな洞察や信仰を通じて、日常を超えたところにある知恵や力を得る方法に関する知識を保持し、その秘密を守っていました。
古代ハワイの時代には、カフナは、宗教組織の聖職者たちよりも実力のある実務的な人々でした。そして、次のような分野の訓練を受けた専門家たちでした。医者、法律家、建築家、科学者、教育者、農学者、そして最後に挙げますが、これもまた重要な、天空の地図を理解する船乗りです。自然の恵みを保護すること、新しい資源を探すこと、そのために知識を進歩させること、そして、立証された自然法則と人間にある性質をベースにして、新しい状況に対処すること。これらの能力をひとりひとりのカフナは発達させて、その確実性を高めていました。
カフナは高い能力を持った人々であり、多くの分派、すなわち別々の集団に分かれていました。それぞれの集団は、特定の学校を運営していて、そこでは見習いの研究生が、専門的な技法を十分に習得して、最終的にカフナになるのでした。しかし、まず研究生には、観察すること、聞くこと、そして学ぶことが求められました。質問は禁じられてはいませんでしたが、なるべくしないことが勧められていました。なぜなら見習いの者には、教えられたことについて、考え、理解し、そして関連することがらについても深く考えることが奨励されていたからです。特定の職人的な技法を実践するだけでなく、それぞれの研究生は、催眠術、自己暗示、人の仕草の物まねなどの技を使うことも学びました。このようなことにより、研究生は、人間の性質についての知識を得て、心理学の達人になるのでしたが、それは、予言を行ったり、望んでいる目標を達成したり、自分の属する集団を発展させるために必要なことでした。
見習い期間中、研究生は、極度の忍耐と集中によって、様々なことがらを迅速に身につけることになります。しかし、さらに彼らは、”理解”を得るためにも努力し、そうすることによって、直観的な知恵と、啓示によって与えられる知識を愛する人になれる可能性があったのです。そのような啓示(悟り)は、「知られていないものが知られるようになる」ための深淵を覗き込むことができる人だけに到来するのです。
カフナのいずれの集団でも、達人たちは、20年以上の厳しい訓練を積んだ後にのみ、高い地位に達することができました。彼らは子供の頃に、ハワイ語で「アリィ」(Ali’i)と呼ばれていた支配階級から、主に選ばれていました。これらの子供たちは、知性、好奇心、そして学ぶ意欲を基準に選ばれていました。しかし、例外的にとびぬけた能力を持った子供は、一般人でも受け入れられていました。しかしほとんどの場合には、カフナから「アリィ」、すなわち王族へと繋がる血筋を見いだすことができます。
聖職者の集団や、職人などの専門的職業の集団には、それぞれの神がいました。自身の専門的技能を習得することから得た自信によって、カフナひとりひとりの心が、他のカフナの集団を尊敬する気持ちによって満たされていたと考えると、なぜ全てのカフナが、様々な神々への信仰を示し、祈りの力に対する深い洞察を示していたのかを、私たちは理解することができます。
その集団が持っていた独自の技法だけでも、あらゆるカフナの集団が、当然のように高く評価されたことでしょう。しかし、そのうちの少数の人々は、鋭い洞察を示し、秘密の知識を開示したため、他のカフナの神秘家たちとは異なる特筆すべき存在になっています。そのような稀有な神秘の守護者は、古代の神殿の塔に見られるカフナの祈りを理解していました。そこにはこう書かれています。「知られていないものが、知られるようにせよ」。
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