投稿日: 2026/04/23
最終更新日: 2026/04/24

記事:『親の記憶は子に遺伝するのか?』

バラ十字会日本本部AMORC 理事 山下 勝悦
バラ十字会日本本部AMORC 理事
山下 勝悦

※ バラ十字会は、宗教や政治のいかなる組織からも独立した歴史ある会員制の哲学団体です。

区切り

私が五・六歳の頃だったと記憶しています、不思議な夢を見ました。

幼い私(二・三歳位かな?)が母親らしき人と手をつなぎ、まっすぐに続く道を二人で歩いているのです。

その道の両脇には緑の葉を大量に蓄え、さらにその姿をまっすぐ上に伸ばした樹木が等間隔に並んでいるのです。

何という名の樹木なのでしょうか?そしてまっすぐに続くこの道はどこなのでしょうか?

それはあまりにもリアルな光景でしたので、私にはそれが単なる夢なのか、それとも実際に体験した事の記憶なのか、混乱してしまいました。

そこで、何日か後に母に問うてみました。

「いつだったか、二人で手をつないでまっすぐな道を歩いたことあったよね?」と。

その時に道の両脇に並んでいた樹木のことも話しました。

すると母は「そんなことはなかったよ、そういった道や木も、この辺にはないよ」と。

そうか、あれは夢だったのだと思うことにしました。

それから何年後のことだったでしょうか、夢の中で見た光景が北海道のポプラ並木とそっくりだという事を、雑誌か何かに載った写真を見て知ることになりました。

実は、私の父親は北海道の生まれなのですが、小学生の時に両親が亡くなったことで叔父夫婦に引き取られ、山形で暮らすことになったのです。

北海道空知平野の風景
北海道三笠市達布山展望台から望む空知平野のパノラマ

父は北海道での生活を話すことはほとんどありませんでした。

それでも、歳をとるにつれ少しずつ話してくれるようになりました。その時に聞いた話の一つが「北海道の大地にはまっすぐに続くポプラ並木の道があるんだよ」です。

ということは……私が幼い時に見た夢は父の幼い頃の記憶だったのでしょうか?

これはあまりにも突飛な想像です。そんなことはあるはずはない、そう思うことにしました。

その後は思い出すことも、考えることも無かったのですが、ある時に別の形で思い出させられることが起きたのです。

私が所属するバラ十字会の会合に参加するために北海道の札幌に行ったときのことです。山形から北海道には山形空港から新千歳空港へのフライトになります。

飛行機が新千歳空港に到着したそのときです、突然に頭に浮かんだ言葉が「帰って来た〜!!」でした(もしかすると声に出していたかもしれません)。

一瞬はっとしました、この場合「帰って来た〜」ではなく「着いた〜」ですよね。

次に飛行機から一歩降りると。今度はここが、北海道の地がなぜか『懐かしい〜!!』と思う感情が込み上げてきました。

同じことは岩手県の盛岡に行った時にも起こりました。この時も「帰って来た〜!!」の次に『懐かしい〜!!』の感情が浮かんで来ました。

北海道と岩手にはその後に数回ほど行く機会がありました。

その度に「帰って来た〜!!懐かしい〜!!」の感情が湧き起こるのでした。

ところが、他の県に行ったときには、ただ単に「着いた〜」だけでした。

そうしますと、北海道の場合は何となく分かる様な気がするのですが、盛岡の場合は「?」ですよね。

岩手県盛岡市の街並み 北上川と岩手山
岩手県盛岡市の街並み 北上川と岩手山

ところが、父が亡くなって数年後のことです。

姉との会話の中で父方の祖父のことが話題となりました。

その時に姉が「爺さんは岩手の生まれだったからね〜」と。

えっ!?でした。私はその時まで父と祖父は同じ北海道の生まれだとばかり思っていましたから。

私はビックリして「その話は初めて聞いたよ!!」と。

すると姉は「あれ? 知らなかったの、父さんから聞いた事は無かったの?」と言うのです。

聞けば、父方の祖父は岩手に生まれ育ち、その後に縁あって北海道に移り住んだのだというのです。

とすれば、私は祖父の記憶をも何らかの形で受け継いでいるということになるのでしょうか?

つい最近、ふと思い付いて「記憶は遺伝するのか?」をネット検索してみました。

そこで、不思議な、そして興味深い記事を見つけました。

タイトルが『記憶の遺伝アゲハ蝶』となっていて、内容は十歳の少年が行なったアゲハ蝶の記憶に関しての研究となっています。

なんと!!アゲハ蝶は親の記憶を幼虫の段階から遺伝として受け継いでいるということを発見したのだそうです。

赤色の百日草の蜜を吸うトラフアゲハ
赤色の百日草の蜜を吸うトラフアゲハ

この研究は国際昆虫学会議でも注目されたのだそうです。

詳しいことは『記憶の遺伝アゲハ蝶』あるいは『蝶は神様です』で検索閲覧してください。

ということで、もしかすると、この地球上に住む人類を含めて全ての生物が親の記憶を遺伝として受け継いでいるのではないでしょうか。

七十数年前、幼い日の私が見た不思議な夢が今現在の私を別の不思議の世界にいざなってくれています。

子供の頃の私に感謝です。

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