資料室

バラ十字古代エジプト博物館のコレクションから 〜タアワの棺〜

Treasures from Rosicrucian Egyptian Museum 
〜 Coffin of Ta'awa - RC 2071 〜

木製、顔料、塗料、エジプト第26王朝期(サイス王朝、紀元前664-525年)、174㎝

 女性家長(Lady of the House)タアワの棺は、バラ十字古代エジプト博物館の宝物のひとつです。人の形をした棺の外側は、死後の世界を描いた小さな多数の絵画の装飾で覆われています。墓が荒らされる可能性があると古代エジプトの人々が考えるようになるにつれて、棺に施されるこのような装飾が発達していきました。古代エジプトの墓には壁画が描かれていましたが、それは単なる芸術ではありませんでした。それは実際に働く装置のようなものであり、死者が安全に旅をして天国に入れるようにするための計画または指示のようなものだったのです。もし墓が荒らされると、死者が天国へ向かうための指示が失われるかもしれません。そこで、墓の壁に描かれたのと同じ絵で、棺の外側が装飾されるようになり、棺の内側の表面には「死者の書」から選ばれた言葉が書かれるようになりました。

 タアワ(Ta'awa)という名前には謎が残されています。エジプトの他の地域では知られていないのです。この名前は多くの場合、「愛しい人」や「子供」を意味する記号を最後に付けて綴られているので、おそらく愛称かあだなのようなものだと思われます。棺の外側に見られる芸術的な装飾が高級なものであることから、タアワが家族にとって大切な人であったことは明らかです。彼女の棺は、オランダの国立ライデン古代博物館に所蔵されている、彼女の兄弟のアンクホル(Ankh-Hor)の棺と様式がよく似ています。

 タアワの家族は、エジプト学者にはベセンムート(Besenmut)一族として知られており、多くの情報が残されています。彼女の一族の大部分の男性が、テーベを中心に信仰されていたモントゥ神(Montu)に使える神官でした。

リサ・シュワッパハ、文学修士
バラ十字古代エジプト博物館学芸員

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