生まれ変わりについての私個人の見解

以下の記事は、バラ十字会日本本部の季刊雑誌『バラのこころ』の記事を、インターネット上に再掲載したものです。

※ バラ十字会は、宗教や政治のいかなる組織からも独立した歴史ある会員制の哲学団体です。

生まれ変わりについての私個人の見解
Reincarnation – A Personal Viewpoint

リチャード・ホルデン
By Richard Holden

生まれ変わりということが事実であると私が初めて明らかに感じたのは、バラ十字会に入って間もないころに「天上の聖所」という教本を読んだときのことでした。そこに書かれている方法で瞑想して、前世の記憶の断片を強烈かつ明瞭に体験したので、人間はこの惑星に数えきれないほど何度も入ったり離れたりしていること、そして誕生、死、再誕生のサイクルが人間の存在の核心であることを私は疑いなく確信しました。それ以来、生まれ変わりに対する私自身の信念はゆるぎないものになりました。今では単なる信念以上の、個人的な体験に由来する知識になっています。

生まれ変わりについてさらに知ることは、極めて挑戦的なことでした。というのも、自分の前世に関する手がかりのすべてが、とても近しい人たちの前世と関連しているため、刺激的だったからです。実際のところ、私が知る限りそれは最もスリリングな体験です。いくつもの体に次々に宿りながら、人間のソウル（魂）が、人類の進化の多くの段階において地球のような世界で暮らし、多様な文化を経験し、過去、現在、未来の言葉を話し、永遠に存在し続けるという話題に触れるだけで、私の内なる自己は喜びに震えます。この惑星をこれほどまでに驚異的な多様性のある場所にしている数えきれないほど多くの物理的な環境の中で、人間のソウルが生きていることに感動するのです。

また生命というものは、私の現在の物理的な限界や心理的な限界をはるかに超えて広がっていて、そこにはより長期的な展望があること、学び、進歩し、変化し、完全な状態を目指していつまでも進んでいくことを知って、そこから私は安心と慰めを得ます。私が現在の人生で達成できないことを、次の人生かそれ以降の人生で達成できるかもしれません。そうです、宇宙というマクロコズムの中の、人間というミクロコズムとしての存在の広さ、範囲、領域は、生まれ変わりについてのこの理解に照らせば、「現実」についてのより限定された感覚を帯びるようになります。私の心は、光からなる活動している永遠の領域に引き寄せられます。つまり、無限の忍耐、静謐、存在の連続体の「私はある」に引き寄せられます。そして私も、周囲の生きものも、私たちも、すべてが生命の樹の果実であり、最も深く最も崇高な神秘の意識の中で永遠に存続し成長し続ける、生命そのもののまさに核心にある神秘的な本質が展開している姿なのです。

私は、私自身が永遠の生命であることを知って安心します。誕生の繰り返しのサイクルは、宇宙に働く最高の法則によって私に与えられている運命であり、慈愛に満ちた公正な、存在の枠組みの究極の証拠です。私の過去、現在、未来の人生におけるカルマの法則の作用は、過去の過ちや悪行を償い、過去の善行に対する報酬を得るための公平で公正な手段であり、善意という肥沃な土地に蒔かれた種からの収穫と、創造主とその創造した生きもの、特に私たちの同胞である人間に対して示される自発的な愛の収穫を表現しています。

動物界でさえも新しい意味を持つようになります。それぞれの生きものは、かつてこの地球上で暮らしてきた、そしてこれからも何度も何度も再び地球上で暮らすことになる生命の貴重な輝きを宿していることに思いを馳せるとき、私たちの仲間である生きものに対して、新たな深い思いやりの心が湧き上がってくるのを私は感じます。たとえば、飼い猫の目を見つめ、その中に、人生の道のりを私と分かち合っている貴重で古い魂を見出します。今私は、アッシジの聖フランチェスコと彼の考えを理解し始めました。それは、すべての生きものに対する兄弟愛、宇宙という手のひらの内側にいる家族、つまり宇宙に抱擁されている家族という概念です。そしてまた、聖者の偉大な集団（Great Company of Saints）というのも、不愉快な時代遅れの宗教概念ではありません。それはまた、別のもっと完全な存在領域だけで経験される理想でもありません。それは、生きている者、すでに死んだ者、まだ生まれていない者たちが現前する中で、私が今生きている人生の、別の秘められたあり方です。

多様な多くの人生で私が学んだ教訓と、そこで私が愛してきた人たちという確かな基礎の上に立ち、今ここでこの人生を最大限に生かそうと私は奮闘し、星々に手を伸ばし、まだ始まっていない数々の人生の言葉では言い表せない驚異に、思いを巡らします。