まえがき
バラ十字会の本庄です。さまざまな機会にご紹介しているので、バラ十字会は宗教ではないが、宗教を否定していないということを、今では多くの方がご存じです。しかし反対に、宗教はバラ十字会のことをどのように見ているでしょうか。
当会のフランス代表のブログサイトには、『バラ十字会についての質問に答える』(L’ordre de la Rose-Croix en questions)というページがあり、多くの方々が共通に持っている当会についての質問に対する彼の返答が書かれています。
今回はその中から、宗教が持つバラ十字会への見解という質問についての文章をご紹介します。

記事:『バラ十字会は宗教からどのように認識されているか』

バラ十字会は宗教ではない
まず知っていていただきたいのは、バラ十字会は宗教ではないということです。確かにバラ十字会の象徴には十字が含まれていますが、この十字はキリスト教会(その象徴は元々は魚でした)とは何の関係もありません。この十字は、両脚を揃えて、両手を広げ、まっすぐに立っている人間の姿を表しています。中央に位置する赤いバラは、精神的な(spiritual:スピリチュアルな)進歩の途上にある人間の魂を表しています。どのような信念を持っている人でも、特定の宗教を信仰しているかどうかに関わらず、この象徴を自分のものとして受け入れられるであろうと私は考えています。というのも、この象徴はとても普遍的な性質のものだからです。

宗教とスピリチュアリティ
バラ十字会は宗教でないため、会員の中にはキリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒、仏教徒などがいて、それぞれの人が良心の完全な自由のもとで、バラ十字会の考え方から自分に適したものを取り入れています。しかし、1960年代から70年代にかけてはバラ十字会員の大多数が、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の信者だったということは事実なのですが、今日では彼らは少数派になっています。というのも会員の多く、特に若い世代の人たちの多くが今や無宗教だからです。このことは、宗教性(religiosity)よりもスピリチュアリティ(spirituality:精神性)に多くの人が惹かれていることを裏付けています。
参考記事:『スピリチュアルとは?英語本来の意味と各種実例を徹底解説』
参考記事:『スピリチュアル、しかし宗教的ではなく(SBNR: spiritual but not religious)』

「厳格な独立のもとでの、最大限の寛容」
バラ十字会AMORC(訳注) は、「厳格な独立のもとでの、最大限の寛容」をモットーにしており、すべての宗教に対してとても寛容な態度を取っています。「バラ十字会員の生活の信条」には次のように記されています。「人間の尊厳を侵害しない限り、あらゆる宗教と哲学の信条を尊重しなさい」。「どのような形のものであっても、狂信と原理主義を支持したり容認したりしてはなりません」。「自分の信念に沿って生きる上で、独断的になったり排他的になったりしないように注意しなさい」。この考えに沿ってバラ十字会AMORCの会員には、もしこの会に所属することが、夫婦や家族内の調和を損なう場合には、退会することが推奨されています。
(訳注:1915年に米国人スペンサー・ルイスは、フランスのツールーズで活動していた薔薇十字団の指示でその活動を米国で再興し、過去の薔薇十字団と区別するため、バラ十字会AMORCと命名した。)
バラ十字会AMORCに対するさまざまな宗教の態度
バラ十字会がすべての宗教に対してとても寛容である一方、残念ながらその逆は事実ではありません。宗教の一部には他の団体に対して極めて批判的であるものがあり、バラ十字会に対しても、それが「救済の道ではない」という点を特に非難しています。バラ十字会は「知識の道」であり、基本的には救済の道でないので、この指摘は事実です。バラ十字会に対して最も厳しい態度を取っているのは、カトリック教会の一部の指導者とその熱烈な信者です。彼らは、バラ十字会の考え方がキリスト教の教義と一致しないことを非難しています。実際にバラ十字会AMORCは、肉体の復活ではなく生まれ変わり説を提唱し、天国や地獄や悪魔の存在を否定し、原罪ではなくカルマという考え方を採用し、創造論(creationism)ではなく進化論の立場を採っています。また、イエスを神の(唯一の)子とはしていません。
仏教とバラ十字思想
古くから、バラ十字会に対して最も寛容な態度を示してきたのは仏教です。それは、仏教が宗教的というよりは哲学的な傾向が強いという事実に起因しているのかもしれません。あるいは、仏教徒とバラ十字会員が、普遍的な魂(Universal Soul)の存在、カルマ、生まれ変わり、英知の状態への段階的な進歩など、共通の神秘学(神秘哲学:mysticism)的な考え方を共有しているからかもしれません。この点に関連していますが、いくつかの書籍が、バラ十字思想のことを「西洋の仏教」だと定義しているのは興味深いことです。また、「東洋のスピリチュアリティと西洋のスピリチュアリティの統合」であるとも言われています。


あとがき
再び本庄です。
上記の文章に書かれていた、普遍的な魂(Universal Soul)という考え方を仏教が共有しているという点には、私には多少疑問があるのですが、仏教には他の思想や宗教に寛容な傾向と、哲学的な傾向があることには間違いがないように思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
体験教材を無料で進呈中!
バラ十字会の神秘学通信講座を
オンラインで1ヵ月間
体験できます
無料でお読みいただける3冊の教本には以下の内容が含まれています

第1号:内面の進歩を加速する神秘学とは、人生の神秘を実感する5つの実習
第2号:人間にある2つの性質とバラ十字の象徴、あなたに伝えられる知識はどのように蓄積されたか
第3号:学習の4つの課程とその詳細な内容、古代の神秘学派、当会の研究陣について
執筆者プロフィール
セルジュ・トゥーサン
1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。 多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。
本庄 敦
1960年6月17日生まれ。バラ十字会AMORC日本本部代表。東京大学教養学部卒。
スピリチュアリティに関する科学的な情報の発信と神秘学の普及に尽力している。
詳しいプロフィールはこちら↓
https://www.amorc.jp/profile/





