こんにちは、バラ十字会の本庄です。

バラ十字会日本本部代表、本庄のポートレイト

暦の上では春が始まり、東京では、サクラソウや河津桜が咲いていますが、まだまだ寒いですね。

いかがお過ごしでしょうか。

先日、京都を訪れる機会があり、祇園にある臨済宗の建仁寺(けんにんじ)を見学しました。第一のお目当ては○△□乃庭(まるさんかくしかくのにわ)でした。珍しい名前に興味を引かれました。

建仁寺は栄西禅師が開山した800年以上の歴史がある寺院で、龍の天井画、大きく立派な庭園、国宝「風神雷神図屏風」(レプリカ)など見どころ満載でした。いずれも撮影が許されていたので、以下の写真を皆さんにご披露することができます。

建仁寺の大雄苑の一角
大雄苑(庭園)の一角
風神雷神図屏風(高精細レプリカ)
風神雷神図屏風(高精細レプリカ)
建仁寺の法堂天井の双龍図
法堂天井の双龍図

○△□乃庭は、こぢんまりとした庭です。写真の手前に見られる井戸が四角、木の根元に配置されている苔が円、ちょっと見えにくいのですが、写真奥に盛り上がっている白砂が三角形をしており、名前の通りこの3つの図形がひとつの庭の中に配置されています。

○△□の庭
○△□の庭

3つの図形を庭で表すことによって、一体何が意図されていたのでしょう。

お寺の設置した説明書きには、「密教の6大思想を、地(□)水(○)火(△)で象徴したものとも言われる」と書かれていました。

○△□乃庭の説明書き
○△□乃庭の説明書き

密教の6大思想とは、真言宗の開祖の弘法大師空海が唱えたものです。「六大」とはこれから説明する「五大」に「識」をくわえたものです。

なぜ禅宗のお寺に真言宗が登場するのかと思いましたが、建仁寺は創設当初は、天台宗、真言宗、禅宗(臨済宗)の三宗兼学のお寺だったのだということです。

仏教はインドが発祥ですが、古代インドには世界を構成する要素が、地、水、火、風、空(虚空)の5つであるとする考え方があり、この5要素が五大と呼ばれます。

弘法大師空海は、これに識(認識)を加えて、この六つが世界を成立させている根本要素だとしたわけです。

私たち現代人の多くは、通常、世界は元素からできていると考えています。そして、誰かが見ていてもいなくても、そんなことには関係なく、世界が実在していると思っています。

そして私たち人間(あるいは動物)の意識が、実在している世界を、目や耳などの五感を用いて認識しているのだと考えています。

ちょっと難しくなりますが、このような考え方を素朴実在論と言います。驚くべきことに、現代物理学では素朴実在論がおおむね否定されています。

仏教では、現代物理学よりも1800年ほど前に、「龍樹」という天才が素朴実在論を否定しています。

六大という真言宗の考え方は、実在と意識という「2つのものが実は別々ではない」という、弘法大師が得た、素朴実在論を超えた悟りの体験を表しているようです。

○△□といえば、江戸時代の臨済宗の仙厓禅師が下の禅画を描いています。○△□の他には「日本最初の禅寺」を意味する「扶桑最初禅窟」とだけ書かれており、それ以外には何も書かれていません。

「○△□」 出光美術館蔵、Sengai, Public domain, via Wikimedia Commons
「○△□」 出光美術館蔵、Sengai, Public domain, via Wikimedia Commons

これが何を意味するかについては様々な説があります。先ほどご紹介した「六大」を示しているという説もありますし、○は禅宗、△は儒教、□は神道、あるいは、○は禅宗、△は真言宗、□は天台宗を表しているという説もあります。仙厓禅師は、建仁寺を開山した栄西禅師を深く尊敬しており、真言宗、天台宗にも詳しかったとのことです。

中山喜一朗さんの著書『仙厓の○△□』(弦書房)には、これらの説の解説と、中山さんご自身の素晴らしい説が書かれています。ご興味のある方は、どうぞお読みになってみてください。

禅画と言えば、円相図が有名です。下図のような掛け軸や額をご覧になったことが、皆さんもおありではないでしょうか。

円相図、20代目柴田勘十郎画。2000年ごろ、Kanjuro Shibata XX "Ensō (円相)", CC BY-SA 3.0 
 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/> , via Wikimedia Commons
円相図、20代目柴田勘十郎画。2000年ごろ、Kanjuro Shibata XX “Ensō (円相)”, CC BY-SA 3.0 http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/, via Wikimedia Commons

円相図の円は、悟り、真実、宇宙を表しています。なぜ円がこれらを象徴するのかということについては、興味深いことが多々あるのですが、またいずれ別の機会にご紹介できればと思っています。

このブログでたびたび話題にしているのですが、図形や数が表している象徴的な意味には、東洋と西洋の間で驚くほどの一致があります。

古代エジプトでは、太陽を表す円盤が唯一神「アトン」の象徴だと考えられていました。

参考記事:「CPO27と太陽光線の手」

古代ギリシャでは、自分の尾をくわえている蛇の円形の図ウロボロスが、創造の聖なる原理を表すとされていました。

参考記事:「ウロボロス」

中世に作られた聖書の中には、下の絵のように、神がコンパスを使って円を描き、世界を創造しているところが描かれているものがあります。

コンパスで世界を創造している神(ウィーン版聖書の挿絵)
コンパスで世界を創造している神(ウィーン版聖書の挿絵)

バラ十字会の哲学の伝統では、円は「地上(earth)の完全性」と「“宇宙”(Cosmos)の完全性」を表すとされ、9という数で象徴されています。

先ほど話題になった真言宗では、大日如来の説く真実や悟りを曼荼羅として視覚的に表します。下図が一例ですが、曼荼羅の多くは円と数9を基にしたデザインで作られています。

金剛界曼荼羅、Anonymous Heian-period artist-craftsman, Public domain, via Wikimedia Commons
金剛界曼荼羅、Anonymous Heian-period artist-craftsman, Public domain, via Wikimedia Commons

当会バラ十字会の哲学も、○△□とさまざまな関連があります。

下のデザインにはこの3つの図形を用いて作られている図案が含まれていますが、この図案はかつて、当会の学習課程の最高の段位を象徴していました。

円に対応する数は9だと考えることができますが、三角と四角に対応する数は3と4です。この3つの数を掛け合わせると108となります。

日本では人間の煩悩の数を表すとして、大晦日に除夜の鐘が108回鳴らされます。

中世の薔薇十字団は、各国ごとに108年の活動期と108年の休眠期を交互に繰り返していたと伝えられています。

以上、今回は○△□にまつわる話をしました。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。 またお付き合いください。

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