投稿日: 2026/06/02
最終更新日: 2026/06/11

以下の記事は、バラ十字会日本本部の季刊雑誌『バラのこころ』の記事を、インターネット上に再掲載したものです。

※ バラ十字会は、宗教や政治のいかなる組織からも独立した歴史ある会員制の哲学団体です。

区切り

理解へと至るための苦難の道
The Painful Road to Awareness

キャロル・H.・バーマン
By Carol H. Behrman

林の道をランニングしている中年の男女(人生における成長の機会のイメージ)

宇宙が立てている企画において、あなた自身が果たす役割を知り、自分の資質や能力について自覚し、その持ち場を理解できるようになるための道は、ただひとつではありません。その目的はただひとつなのですが、目的に至る道は、道をたどる人の性格がさまざまであるのと同じように、多様で複雑です。独断的な人々の主張とは裏腹に、ただひとつの道が存在するのではありません。探究者は、ひとりひとりの人生の状況に応じた道を見いだし、進まなければなりません。その道を進むと、すべての存在に含まれる、表現しがたい本質へと近づいていきます。

ある人々にとっては、その道は平坦で十分に明るい道です。しかしながら私たちの大部分は、人間の不完全さと錯覚という、暗闇や先の見えないジャングルや立ちはだかる山々に行く手を遮られた道に出会うことになります。道の前方は危険で通り過ぎることができないように思えます。ですから、前へと進むのではなく、その場所にいることを選び、そのために変化も成長もしないままでいる人がとても多いということも理解できます。しかしながら人生は、本来は前へ前へと動いていくものです。常に進み続けるものであり、上のほうへと向かうものなのです。たとえ私たちが一瞬立ち止まったり、後ずさりをするときでさえ、統一と達成を実現しようとする力が私たちを促し、前へと押し動かしてくれます。宇宙のすべての推進力は、成長そして拡大へと向かっています永遠の声は心の内側にある耳にささやき、私たちを駆り立て続けます。私たちひとりひとりには、前へと進む道のそれぞれの段階で、方向を選択する能力があります。内部の自己という宇宙からの促しを心に留め、大きな成長へとつながる困難の中を努力して進んでいくのを選ぶことができます。しかし、挑戦から顔をそむけて、心の声に耳を傾けることを拒み、精神的にかたくなで成長のないわき道へと滑り落ちていくのを選ぶこともできます。

たとえば、もしあなたが急に病気になったり、事故にあったりしたらどうでしょうか。自分を憐れみ、非難し、怒り、いらだつことに時間を費やして、何一つ知恵を得ることなくその経験をやり過ごしてしまうかもしれません。あるいは、日々の忙しい繰り返し仕事から自由になった時間、予定の中になかったこの時間を、自分の生活を反省するのに使うこともできることでしょう。もしかしたら、健康状態に破綻をもたらすような不健全さが、生活のどの部分にあったのかを見つけることができるかもしれません。そうであれば、あなたは確実に自己理解を深めることになり、行く手を阻む障害物のように思える病気も、そうではなくて、成長するための手だてであることが明らかになります。

レバノン生まれの詩人で、長い間ニューヨーク市に住んでいたハリール・ジブラーンは次のように書いています。「あなたの痛みは、あなたの理解を覆っている殻を破るものとなる。あなたの痛みの多くは、あなた自身が選んだものである。痛みは、あなたの内部にいる医師が処方した、病んだ自己を治してくれる苦い薬である」。この言葉をあなた自身に当てはめたときの理解へと、もし病気があなたを導いてくれるのであれば、その病気は、スピリチュアルな面での達成へと至る道であなたを前進させる真の手段です。

あなたの人生は、成長のための機会に満ちています。たとえその機会が、しばしば痛みや不幸の中に隠されていたとしてもです。それぞれの機会は、あなた自身の反応によって、乗り越えられない障害にもなれば、理解を得るためのレッスンにもなります。仕事で失敗したりすると、その挫折によって、自分自身に抱いているイメージをとても傷つけられてしまい、その結果、成功できないという同じようなパターンを絶えず繰り返す人生を送ってしまうことになるかもしれません。しかし、逆境を通して学び、同じ過ちを避けるために自分自身を理解することで、十分に成長することを選択する自由があなたには常にあります。そのようにすることができれば、外見的には失敗に見えても、実際には、もう一つの障害をうまく克服したことになります。

苦難に遭っている女性の顔と人生の分岐

あなたが経験する中でも最も過酷な試練は、愛する人の死に向き合うことでしょう。魂を打ち砕くこのできごとによって、それ以上ないほどの絶望と精神の破滅へと至ることもあります。しかし逆に、暗黒を通り過ぎて、理解という究極の光へとあなたを導いてくれることもあるのです。痛みと苦しみが大きければ大きいほど、得られる可能性のある、スピリチュアルな達成のレベルは、それだけ高くなると言われています。「我々は苦しみそのものの核心から、インスピレーションを得る方法と、生き続ける手段を掴み取るであろう。」と、ウィンストン・チャーチル卿は書いています。人生の浮き沈みと挫折は、精神を毒し破壊する苦い薬であると考えることもできますが、理解へと至る道の途上で出会う、さまざまな挑戦や障害だと考えることもできます。

困難な体験は、残酷で無慈悲な宿命が与える打撃ではありません。そうではなくて、自分の資質や能力を理解するための学びを与えるという役割を果たすことのできる必要な障害物です。そのような体験を通して、スピリチュアルな面で成長することができます。痛みと苦しみは、手厳しいけれども聡明な教師です。もしあなたが受け入れるならば、痛みと苦しみは、難路ではあるけれども黄金のように輝く道に沿って、究極の理解と目覚めへと案内してくれることでしょう。ですから、苦痛や逆境を克服するあなたの能力の中に、スピリチュアルな目的地のすべてへと到達するための鍵が存在しているということを、どうかいつも心に留めておいてください。

※上記の文章は、バラ十字会が会員の方々に年に4回ご提供している神秘・科学・芸術に関する雑誌「バラのこころ」の記事のひとつです。バラ十字会の公式メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」の購読をこちらから登録すると、この雑誌のPDFファイルを年に4回入手することができます。

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