The Rainbow Serpent

ロニー・ビスマイル

By Ronnie Bigsmile

カブール、虹の蛇

やあやあ、こんにちは、地球に生きる友よ。さあ、私の国にようこそ。どうぞ座ってください。私の部族の神聖な場所に、母なる大地の力を借りに来たのですね。私たちは誰もが特別です。あなたと私も少し違っています。私たちは、大地を母と呼びます。私たちが大地を所有することはできないですし、大地が私たちを所有しているのですから。この岩も、他のすべての岩も、母なる大地の精霊によって命が与えられています。これらの岩が、私たちすべてを守ってくれています。これらの岩は、あなたがたが言うところの「神殿」です。アルチェリンガ(訳注)からずっと、あなたがたの言葉で言えば「夢の時代」からずっと、この場所は、熱さから身を守る私たちの避難所であっただけでなく、絵を描く場所、聖なる踊りを行う場所、精霊と対話する場所でした。

(訳注:アルチェリンガ(Alcheringa):オーストラリアの先住民アボリジニの神話で、人類の祖先が創造された至福の時代。夢の時代(dreamtime)。

このような贈り物に、どのような恩返しをすれば良いのでしょうか。それは、この土地を守り続けることによってです。この土地は「夢の時代」の故郷なのです。精霊たちがやってきて、ここの壁に自分たちの姿を描いたため、人々はここに集まることができ、もう一度強い力を取り戻し、その力強さを世界に持ち帰ったのです。これは私のトーテム(訳注)のカブールです。カーペット・ニシキヘビとして知られています。カブールは虹の蛇(訳注)であり、私の部族のシンボルです。彼女は命を与え、命を奪います。人間の心が、カブールによって再び強くなったとき、彼女は大地に戻ってきます

(訳注:トーテム(totem):集団の祖先の象徴になっている自然界の事物。)

(訳注:虹の蛇:(Rainbow Serpent):世界各地の神話、伝説に登場する蛇。世界の創造と水脈を司り、天上に虹になって現れる。オーストラリア先住民の神話では、 乾期には地底深くに潜み、雨が来れば雷雲に昇り、天上に虹となって現われるとされる。)

しかし、私たちは今、強くはありません。私たちは時間や機械と戦い、そして互いに戦って疲れきっています。しかし彼女は、メッセージ・スティック(訳注)を持つ人たちに彼女の精霊を送り、私たちがくつろぐことを助け、彼女の特別な生きものたちを私たちが覚えて、大切にするようにしています。まず、私たちがドアーク(Dooruk)と呼ぶエミュー(訳注)の足には、母なる赤い大地の土が残っています。エミューは、大地を守ることと、受け取ったのと同じだけのものを常に大地に返すことを、私たちに思い起こさせるためにやってくるのです。そして、私たちがコプー(Kopoo)と呼ぶ大きな赤いカンガルーは、まさにこの土地の色そのものです。彼は、自分自身のためにくつろぐことを、私たちに思い起こさせるためにやってくるのです。そして、マンゴーンガーリー(Mungoongarlie)というオオトカゲは、すべての動物の中で最後にやってきます。足が短いからです。彼は、彼の子供である私たちに、お互いに一緒に時間を過ごすことを忘れてしまっているよと知らせてくれます

しかし、母なる大地の動物たちがやってきて伝えようとしているのは、それだけではありません。動物たちは、私たちを創造した虹の蛇が、私たち人間が大地に行っていることに怒りと悲しみを感じて、だんだんと弱っていることを伝えに来ているのです。しかし、友人よ、私の焚き火のそばにお座りなさい。体を温めてください。そして、この世界がどのように始まったのかを話しましょう。

(訳注:メッセージ・スティック(message stick):オーストラリアの先住民の精霊の使者が用いる、彫り刻みのある棒。)

(訳注:エミュー(emu):オーストラリアに生息する、ダチョウに似た大型鳥類。)

始まりの時

In the Beginning

アルチェリンガの時代、大地は平らで冷えきっていました。世界は空っぽでした。虹の蛇は、大地の下で眠っていました。彼女の腹の中にはすべての動物の種族がいて、生まれるのを待っていました。時が来て、彼女は起き上がりました。彼女は私の種族の故郷であるウルル、あなたがたがエアーズ・ロックと呼ぶ岩の場所に出てきました。彼女は周りを見渡しましたが、どこもかしこも真っ暗で光も色もありませんでした。ですから彼女は、とても忙しくなりました。彼女は土地を掘り起こし、いくつもの山と丘を創りました。彼女はカエルの種族に眠りから覚めるように呼びかけ、彼らの腹をくすぐって笑わせました。悪しき時代にカエルたちが貯めていた水が大地にあふれ出し、川や湖ができました。それから彼女は、良い精霊であるビアミ(Biami)を空高くに放り投げました。彼女は彼に、光を見つける手助けをしてくれるように頼んだのです。

そこでビアミは、彼はほんとうに良いやつなのですが、空高く飛び上がって、大地を見下ろして微笑みました。彼の笑顔で空が照らされて、彼の子供である私たちは色と影を見られるようになったのです。そして、暖かい太陽の精霊は、輝く水面に自分の姿を見るようになったのです。松の木々はたくさんの花を咲かせます。それは、大きなボラの魚を捕まえる時期であることを私たちに告げる、彼らのやり方なのです。ワイルドホップの木々も花を咲かせます。それは、偉大な海の精霊クアンダモオカ(quandamooka)の岸辺で、牡蠣が大きく育っていることを告げる、彼らのやり方なのです。カブール、虹の蛇よ、大きく強くなって、あなたの子供、山々、木々、そして私たちの父である空のもとに戻ってきてください。さあ、色とりどりのあなたの鳥たちを私たちのもとに連れてきてください。クアンダモオカに流れ込むあなたの川に戻ってきてください。幾千の色と形を持つ、あなたの魚たちの群れに戻ってきてください。

ウルル、エアーズ・ロック

カブールは、私たちすべての母親です。彼女は大地の精霊であり、大地の美と色彩のすべてです。しかし、どんな色も見ようとしない、大地の美を感じようとしない、母なる大地と自分自身を壊すことだけを望む人々もいます。彼らの目は開いていますが、何も見ていないのです。カブールよ、あなたの子供たちに聡明さの炎を取り戻してあげてください。地面に落ちている美しい石の炎のような、オパールと呼ばれている石のような虹の色を、生命そのものの色を、どうか取り戻してください。

美しい場所、ボートやカヌーを走らせる水辺を思い浮かべるのは、誰にとっても素晴らしいことです。今や私たちは、優れた機械を使って、ほとんどすべての場所に行くことができるようになりました。猛スピードで大陸を横断することもできます。また、きらびやかな光や音楽やダンスがあふれる都会の街では、できないことはほとんどないと言う人たちもいます。ヘリコプターで空中に停止したり急降下したりすることもできます。しかしこれら全てのことができるのは、大地の力を用いているからです。それは、大地を守らなくてはならない良い理由です。

しかし、どこに連れて行ってくださいと機械にお願いするのでしょうか。機械には心も感情もありません。私たちにとって意味のある場所に機械を導くことのできるのは、私たち人間だけです。だからこそ私の祖先のように、私はいつもこの場所に戻ってきて、すべての生き物とこの大地の感覚を分かち合うのです。ここが私の居場所であり、ここでは、土地の中でも私の中でも、母なる大地の精霊が力強いのです。地球に生きる友よ、くつろぎましょう。この大地の精霊の力強さに、私の部族の人たちが触れているように、あなたがたも触れてください。ここの水は素晴らしく、虹の蛇カブールの力を運び伝えています。そして今私は休息していますが、自分自身で、世界へと旅する準備ができています。

あなたの旅において、あなたが休む手助けに、私はなれたでしょうか。おそらくすぐに、私たちすべてが自分の旅の途上で、カブールが作ったさまざまな土地において、彼女を見ることになります。人間の心と大地の精霊が再び一つになるときに、きっと彼女はもう一度やってきます

※上記の文章は、バラ十字会が会員の方々に年に4回ご提供している神秘・科学・芸術に関する雑誌「バラのこころ」の記事のひとつです。バラ十字会の公式メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」の購読をこちらから登録すると、この雑誌のPDFファイルを年に4回入手することができます。

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