投稿日: 2024/12/10

以下の記事は、バラ十字会日本本部の季刊雑誌『バラのこころ』の記事を、インターネット上に再掲載したものです。

※ バラ十字会は、宗教や政治のいかなる組織からも独立した歴史ある会員制の哲学団体です。

区切り

サイス王朝時代のタフレの棺- バラ十字古代エジプト博物館のコレクションから
The Saite Coffin of Tahure – RC 1677

サイス王朝時代のタフレの棺
サイス王朝時代のタフレの棺

タフレ(Tahure)は、古代エジプトのサイス王朝時代にあたる紀元前600年頃にエジプトに住んでいた女性です。彼女はカルナックのアムン(Amun)の神殿の機密保持を監督していた人物の娘でした。この監督者は、司祭の集団である第4部族(phyle:フューレ)を取りまとめる総司祭でした。タフレは、彼女の母ルル(Lulu)と同じように「館の女主人(Lady of the House)という称号を持っていました。この称号は、タフレが既婚の女性であり、家庭のことに限らず一族の事業を任されていたことを示しています。

タフレのミイラは今も棺の中にあり、最後の親知らずの歯がちょうど生えかけていたことから、彼女が死亡したのは28歳ごろであったことが分かります。棺には精巧な細工が施されており、家系についての碑文で覆われています。この写真は棺の東側の部分で、カー(魂:ka)の扉、あるいは魂の扉と呼ばれています。この扉は、タフレの魂が毎日昇る太陽とともに天空を巡ることができるようにするためのものです。この扉は閉じられ、ねじで留めつけられており、彼女の魂はこの扉を出入りすることができるけれども、生きている者はこの扉を通ることができないということを象徴しています。この時代のエジプトには、死の本質を問いかける碑文が多く残されており、「去った者が、戻ってきて死について語ることはない」ということを指摘した詩も残されています。死は大いなる神秘でしたが、古代エジプトの人々は、死を乗り越えることができるという信念を持っていました。

顔料塗装の木製、棺の長さ1.9 メートル

当会は神秘学の源流が古代エジプトにあると考え、その研究に注力しています。研究拠点のひとつ、米国カリフォルニア州サンノゼ市にあるバラ十字古代エジプト博物館は、毎年10万人以上が訪れる人気の観光スポットであり、子供向けの考古学のイベントを開催して、地元の教育にも貢献しています。

古代エジプト博物館
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